就職・転職活動の履歴書で、TOEICのスコアをどう書けばいいか、「自分の点数は書いても大丈夫だろうか」「正式な書き方が分からない」と迷う人は少なくありません。
この記事では、履歴書に書けるTOEICスコアの目安と、採用担当者に評価されるTOEICの書き方を、具体例とともに解説します。
- 履歴書にTOEICスコアを書く際の目安となる点数と評価基準
- 正式名称・取得年月の記載など、減点されない正しい書き方のルール
- 点数が低い場合や未受験時のアピール方法、CBT・英検との書き分け方
1.履歴書のTOEICスコアで採用担当者が見ているポイント

履歴書にTOEICスコアを記載する目的は、単に「英語ができること」の証明ではありません。採用担当者はスコアを通じて、「目標に向けて継続的に学習する姿勢」や「業務で求められる成果を出す力」を総合的に判断しています。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の調査によると、企業の82.6%が「英語」を今後のビジネスに重要なスキルとして挙げており、社員に不足するスキルとしても「英語」が67.0%で首位に立っています。これは、英語力が採用現場で確実に注目される指標であることを示しています。
高いスコアがあれば即戦力としての英語力を示せます。現在学習中でも、向上心や計画性をアピールする材料になります。スコアという客観的な数値を「自分の強みを伝えるツール」として使うことが大切です。
参考: 英語活用実態調査|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)
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2.TOEICスコアは何点から履歴書に書けるか

記載するかどうかは、志望する業界・企業が求める英語レベルによって変わります。一般的な目安を点数帯別に解説します。
履歴書アピールの目安は「600点」以上
多くの企業において、プラスの評価につながる最低ラインは600点とされています。TOEIC公開テストの平均点は概ね600点前後で推移しており、それ以上のスコアは平均を上回る英語の基礎力があることの目安になるからです。
英語を日常業務で使わない職種でも、600点以上を記載することで「自己研鑽の意欲がある」「基礎的な学力を備えている」という印象を与えられます。
英語を使う業務・外資系企業の履歴書は「700点〜800点」以上が目安
英語のメール読み書きや海外とのやり取りが発生する職種では、700〜730点以上が一般的に求められます。
外資系企業や英語で複雑な交渉を行うポジションを目指す場合は、800〜860点以上がひとつの基準になります。このレベルは、英語の会議でスムーズに意見交換し、専門文書を正確に読める能力があるとみなされます。志望先が求める英語レベルは、求人票や募集要項で事前に確認しておきましょう。
履歴書・職務経歴書へのTOEICスコア記載目安をまとめると、以下のとおりです。
| スコア帯 | 評価の目安 | 該当する場面・職種の例 | 記載時のポイント |
|---|---|---|---|
| 〜495点 | 平均以下・記載は慎重に | 英語を使わない職種 | 平均点を下回ると逆効果になる場合があります。資格欄への記載は避け、自己PR欄や職務経歴書で実務経験・学習中であることを補足するのが無難です。 |
| 500〜595点 | 平均付近・状況次第 | 英語をほぼ使わない職種/向上心のアピール | 記載する場合は「現在700点を目標に学習中」などの一文を添えると、学習意欲や向上心が伝わり印象が上がります。 |
| 600点〜 | 一般的な最低ライン・記載OK | 一般企業/国内営業/事務・総務/技術職 | 平均点以上であることを客観的に示せます。英語を使わない業務であっても「英語に苦手意識がない」という程度のアピールとして十分に機能します。 |
| 700〜730点〜 | ビジネス対応の目安・評価されやすい | 海外営業サポート/貿易・物流/IT・エンジニア/メーカー海外部門 | 英語メール・マニュアル読解が発生する部署や、海外との定期的なやり取りがある職種に適しています。多くの企業で「英語が使える人材」として認識されるラインです。 |
| 800〜860点〜 | 高度なビジネス英語・強いアピールに | 外資系全般/グローバル企業/海外赴任想定ポジション | 英語での会議・交渉・プレゼンや専門文書の理解が可能とみなされます。語学面での懸念はなくなり、即戦力として高く評価されやすいスコア帯です。 |
3.【記入例付き】履歴書へのTOEICの正しい書き方

履歴書は公的な文書です。資格名や取得時期を正確に記載することは、入社後の信頼関係を築く意味でも欠かせません。
履歴書には正式名称「TOEIC Listening & Reading Test」と記載する
資格欄には「TOEIC」と省略せず、受験したテストの正式名称を記入します。一般的に受験されているテストの場合、「TOEIC Listening & Reading Test」と記載します。
記入例:
202X年 X月 TOEIC Listening & Reading Test 公開テスト 〇〇〇点 取得
点数の後に半角スペースを空けて「取得」と記載することが一般的な実務上の慣例です。
履歴書の取得年月は「公式認定証」の記載に合わせる
取得年月は、手元の公式認定証(Official Score Certificate)に記載されている「試験実施年月」を転記します。結果通知の到達月ではないため注意が必要です。
また、履歴書全体で和暦・西暦を統一してください。学歴・職歴欄を西暦で書いているなら、資格欄も西暦で揃えます。表記の一貫性は、事務処理能力の正確さをさりげなく示すポイントにもなります。
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英語資格をアピールするなら、転職で評価される資格の全体像も把握しておくと戦略が立てやすくなります。
4.TOEICの点数が低い・未受験の場合の履歴書アピール法

企業の基準点に届いていない場合や、これから受験する場合でも、書き方を工夫することで意欲を伝えられます。
履歴書に「勉強中」「取得予定」と記載して向上心を示す
点数が低くて迷う場合や未受験であっても、英語学習に取り組んでいる事実は評価の対象になります。資格欄に学習状況を記載しましょう。
まだ受験していない(これから勉強開始)
TOEIC Listening & Reading Test 受験予定(目標スコア:700点)
勉強中・受験日が決まっている
202X年 X月 TOEIC Listening & Reading Test 公開テスト受験予定(目標スコア:730点)
勉強中・受験日未定
TOEIC Listening & Reading Test 700点取得に向けて現在学習中
具体的な目標点数を記載することで、計画性のある人物として前向きな印象を残せます。目標スコアは、志望企業の求める水準か、それをやや上回る数字を書くのが自然です。
根拠のない数字を書くと面接で聞かれたときに困るため、現実的な目標を設定しましょう。
職務経歴書や自己PR欄でTOEICスコア以外の実務経験を補足する
スコアがなくても、実務で英語を使ってきた経験があれば強いアピール材料になります。
自己PR欄や職務経歴書の業務内容に、「海外拠点とのメール対応(英文読解・作成)」「外国人顧客への接客経験」など具体的な実績を記載しましょう。採用担当者が「実際の仕事で何ができるか」を重視するケースは多く、数値以上の評価につながることもあります。
自己PR欄の文章例
パターンA|海外拠点・メール対応が中心の場合
前職では、東南アジア3カ国の現地法人と週次で進捗報告を英語メールでやり取りしていました。専門用語を含む仕様書の読み込みや、トラブル発生時の状況説明文の作成など、
実務レベルの英文読解・ライティングを日常的に行っています。現在はTOEIC 700点取得を目標に学習を継続中です。
パターンB|外国人顧客への接客・対応経験がある場合
飲食店での勤務中、英語・中国語圏のお客様への対応を担当し、メニュー説明やクレーム対応を英語で行っていました。スコアはまだ取得していませんが、日常会話〜ビジネス初級レベルの英会話力があります。
入社後すぐに活かせるよう、現在TOEIC受験に向けて準備を進めています。
パターンC|海外在住・留学経験がある場合
大学在学中に1年間カナダへ留学し、現地企業でのインターンシップを経験しました。
業務では英語でのレポート作成や会議への参加をこなしており、ビジネス場面での基礎的な英語運用力を身につけています。帰国後もTOEIC学習を継続しており、〇〇〇点を目標にしています。
職務経歴書の業務内容欄の記載例
職務経歴書では「何をしたか」を具体的に書くことが大切です。自己PR欄より簡潔に、箇条書きで記載します。
海外対応がある場合
- 海外拠点(タイ・ベトナム)との英語メールによる進捗共有(週3〜4件)
- 英語版仕様書・マニュアルの読み込みおよび社内への日本語での情報展開
- 外国人エンジニアとの英語での打ち合わせ補助(議事録作成含む)
接客・営業での英語使用がある場合
- 英語圏、中国語圏のお客様への接客対応(案内・説明・クレーム処理)
- 外国人取引先との商談における基本的な英語コミュニケーション
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自己PRで英語力や向上心を効果的に伝えるには、書き方の型を押さえることが大切。採用担当者の心を動かす自己PRの構成を4ステップで解説しています。
5.TOEICのスコアを履歴書に書く際によくある疑問(Q&A)

履歴書にTOEICのスコアを書く際に、気になること、よくある疑問・質問をまとめました。
Q. 履歴書に書くTOEICスコアに有効期限はある?
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取得したスコアに有効期限はありますか?一番良かった時の点数を書いてもいいのでしょうか?
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IIBCの公式FAQでは、テスト開発元のETSが最新のスコアの参照を推奨しており、スコアの有効期限を2年としていると案内されています。以前は「スコア自体に有効期限はない」とされていましたが、現在はこの基準が公式の目安となっているため、数年前の高得点を記載する場合は受験年月をあわせて明記し、参考情報として扱われる可能性がある点を理解しておきましょう。
また、公式認定証の再発行期間は「試験日から2年以内」と定められています。企業によっては入社手続き時に認定証の提出を求めることがあるため、お手元に認定証の原本がない場合は、直近2年以内に受験したスコアを記載するか、再発行期間内に手続きを行うと安心です。
基準は変更される可能性があるため、応募時には公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
出典:公式FAQ「スコアに有効期限はありますか?」|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)
Q. IPテストやS&Wテストは履歴書に書いてもいい?
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公開テストではなく、IPテストやS&Wテストの点数ならあるのですが、書いてもいいのでしょうか?
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学校や企業で団体受験する「IPテスト」や、スピーキング・ライティング能力を測る「S&Wテスト」も履歴書に記載できます。ただし、公開テストとは明確に区別して書く必要があります。
記入例(IPテスト):
202X年 X月 TOEIC Program IPテスト 〇〇〇点 取得
記入例(S&Wテスト):
202X年 X月 TOEIC Speaking & Writing Tests スピーキング〇〇〇点 ライティング〇〇〇点 取得
求人票で公開テストのスコアのみを指定している場合もあるため、応募前に確認しましょう。
Q. 履歴書のTOEICスコアを偽って書いてもバレない?
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応募時点では目標とする点数に達していませんが、実際の取得スコアより高い点数を記載しても問題ないでしょうか?
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スコアを実際より高く書くことは非常にリスクの高い行為です。選考中や入社後に公式認定証の提出を求められれば、すぐに発覚します。
経歴詐称は就業規則違反とされることが多く、内定取り消しや懲戒処分の対象になり得ます。処分の内容は企業の就業規則や状況によって異なるため、詳細は各企業の規定や専門家に確認するのが安心です。
正確な事実を記載することが、キャリアを築く上での大前提です。
Q. CBT方式で受験した場合や英検との書き分けは?
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CBT方式で受験したら、その旨を書いたほうがいいですか?また、英検についても併記すべきですか?
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CBT(Computer Based Testing)とは、紙ではなくパソコン画面上で解答するコンピューター受験方式のことです。TOEICでは公開テストのペーパー受験(PBT)が主流ですが、団体特別受験制度(IPテスト)にはパソコンで受験するオンライン版があり、これがCBT方式にあたります。
パソコン受験の「TOEIC Program IPテスト(オンライン)」も履歴書に記載できます。名称の後に「(オンライン)」と付記し、ペーパーテストと区別して正確に記入します。
TOEICと英検の両方を持っている場合、どちらを優先するかは応募先の業務内容によって変わります。ビジネスでの実務的な英語力をアピールするならTOEIC、総合的な英語の基礎力(特に2級・準1級以上)を示すなら英検が有効とされています。
資格欄に余裕があれば両方を記載し、英語への多角的な取り組みを示す方法もあります。
6.TOEICスコアを履歴書に正しく書いてアピールしよう

履歴書へのTOEICスコアの記載は、英語力のアピールだけでなく、ルールの遵守や向上心を示す自己表現の場でもあります。正式名称を使った正確な記入を心がけ、志望企業が求めるレベルと自分のスコア(あるいは学習状況)を結びつけられれば、書類選考の通過率は上がります。
現状のスコアに応じた正確な記載方法を選択し、就職・転職活動におけるアピール材料として適切に活用してください。
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