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アルバイトの職務経歴書の書き方|経験を武器に、厚労省推奨例文

「アルバイト経験しかないから、職務経歴書に書けることがない…」
「正社員の経験に比べて、不利になるんじゃないか…」そんなお悩みを抱えていませんか?

実は、採用担当者は雇用形態そのものよりも、あなたが「何ができるか」「どう貢献してくれるか」というスキルやポテンシャルを見ています。

この記事では、キャリア支援の専門家の視点から、そして国(厚生労働省)が示す公的な指針に基づき、あなたのアルバイト経験を活かすための具体的な書き方を、例文を交えながら解説します。

1.そもそも、アルバイト経験は職務経歴書に書くべき?

そもそも、アルバイト経験は職務経歴書に書くべき?

「そもそもアルバイトの経験なんて書いていいの?」と、手が止まっていませんか。ここでは、あなたの経験をアピールすべきか見極めるための、具体的な判断基準を分かりやすく解説します。

結論:応募先との関連性が高ければ、強力なアピール材料になります

まず結論からお伝えすると、応募する仕事と関連性の高いアルバイト経験は、積極的に記載すべきです。

職務経歴書は、単なる経歴の記録である履歴書とは異なり、あなたの価値を売り込むための「マーケティング資料」です 。採用基準が「どこで働いていたか」から「何ができるか」という実務能力へとシフトしている今 、雇用形態がアルバイトであるかどうかは、本質的な問題ではありません。

重要なのは、その経験を通じて培ったスキルが、応募先企業でどう活かせるかです。

例えば、飲食店での接客経験で培った「コミュニケーション能力」や、イベント設営で身につけた「段取り力」は、オフィスワークでも必ず役立つ「ポータブルスキル」と言えます 。そのスキルや実績が企業の求めるものと合致していれば、それは正社員経験にも劣らない、あなただけの強力なアピール材料となるのです。

アルバイトの履歴書の書き方に関しては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

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この記事では、キャリアと労務の専門家が、履歴書作成の基本から採用担当者の心に響くコツ、そしてよくあるお悩みまで、分かりやすく丁寧に解説します。無料のテンプレートもご用意していますので、一緒に自信の持てる一枚を完成させましょう。
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【判断基準】書くべきケースと、省略を検討すべきケース

とはいえ、全てのアルバイト経験を書けば良いというわけではありません。戦略的に情報を取捨選択することが大切です。

書くべきケースと、省略を検討すべきケース

書くべき3つのケース

  • 応募職種との関連性が高い経験
    例えば、事務職に応募する際のデータ入力のアルバイト経験などです。
  • 記載しないと職歴に空白期間が生じてしまう場合
    働いていない期間が長く見えると、採用担当者に懸念を抱かせる可能性があります。
  • 3ヶ月以上の勤務経験がある場合
    継続性や責任感を示すことができます。リーダー経験などがあれば、さらに良いアピールになります。

省略または統合を検討すべきケース

  • 3ヶ月未満の極端に短い期間の経験
    ただし、その経験が応募職種と非常に高い関連性を持つ場合や、書かないと不自然な空白期間が生まれる場合は記載を検討しましょう。
  • 応募職種と全く関連性のない経験
    アピールしたい正社員経験などが他にある場合は、情報の優先順位を考え、省略するのも一つの手です。

厚生労働省では「アピールできる職歴がない」と悩む方への一助として「ポータブルスキル見える化ツール」の利用を推奨しています。

業種や職種が変わっても通用するスキル(ポータブルスキル)を自己診断でき、アルバイト経験からでも自身の強みを発見するのに役立つツールなので参考にしてください。

参考:厚生労働省 ポータブルスキル見える化ツール

2.【厚生労働省の指針に学ぶ】採用担当者はアルバイト経験の「何」を見ているのか?

【厚生労働省の指針に学ぶ】採用担当者はアルバイト経験の「何」を見ているのか?

書類選考を突破するには、採用担当者の視点を知らなければなりません。ここでは、国が示す指針も交えながら、アルバイト経験の中から「評価されるポイント」を見つけ出す方法を学びましょう。

雇用形態よりも「スキルと実績」が重要です

採用担当者は、「アルバイトだった」という事実そのものではなく、その経験を通して、あなたがどのようなスキルを身につけ、どんな実績を上げてきたのかを知りたいと考えています。

大切なのは、雇用形態への不安から、「自分には何もない」と思い込むのではなく、「自分は何を貢献できるか」へと視点を切り替えることです。

厚生労働省のガイドラインでも、応募書類では「何をしてきたか」だけでなく「何ができるか、何をしたいか」を伝えることが重要だと示されています。

参考:厚生労働省 ハローワーク履歴書・職務経歴書の書き方

「なぜアルバイトとして働いていたのか」を説明できますか?

面接では、「なぜ正社員ではなく、アルバイトとして働いていたのですか?」と質問される可能性があります。この質問は、あなたのキャリアに対する考え方や計画性を確認するためのものです。

大切なのは、これを「言い訳」ではなく、「意図的な選択であった」とポジティブな文脈で語ることです。

回答フレームワーク例

スキル習得型

「〇〇という専門スキルを習得するため、学習時間を確保しやすいアルバイトという働き方を選び、資格取得に専念しておりました。」

目標達成型

「〇〇という目標(学業、創作活動など)を実現するため期間を決めて働き、目標を達成した今、正社員として腰を据えて貢献したいと考えております。」

キャリア模索型

「社会人経験が浅かったため、まずは多様な業界を経験することで、本当に情熱を注げる分野を見極めたいと考え、意図的に複数のアルバイトを経験いたしました。その結果、〇〇業界こそが自分の進むべき道だと確信いたしました。」

3.【項目別】アルバイト経験を魅力的に見せる職務経歴書の書き方・完全ガイド

【項目別】アルバイト経験を魅力的に見せる職務経歴書の書き方・完全ガイド

ここからはいよいよ、職務経歴書の具体的な作成ステップに入ります。職務要約から自己PRまで、各項目で何をどのように書けばあなたの魅力が伝わるのか、例文を交えて一つひとつ丁寧に解説します。

①職務要約:3~5行で「あなた」という価値を伝える

職務要約は、採用担当者が最初に目にする部分です。ここで興味を引けるかどうかが、その先を読んでもらえるかを左右します。これまでの経験やスキル、そして仕事への取り組み姿勢などを3~5行程度で簡潔にまとめましょう。

【例文】

約3年間、コンビニエンスストアにてアルバイトとして勤務し、接客、レジ業務、商品管理、新人スタッフの教育まで幅広く担当いたしました。

常にお客様の視点に立った丁寧な対応を心がけ、店舗の顧客満足度向上に貢献してきました。この経験で培ったコミュニケーション能力と課題解決能力を、貴社の営業事務として活かしていきたいと考えております。

②職務経歴:【最重要】実績は「数字」で語る

職務経歴は、経験を具体的に示す、職務経歴書の核となる部分です。

【基本情報】

会社名、在籍期間を正確に記入し、雇用形態が分かるように「(アルバイト)」と明記します。会社の事業内容や従業員数を加えると、採用担当者があなたの経験の背景を理解しやすくなります。

【業務内容】

担当した業務は、箇条書きで分かりやすく記載します。「レジ対応」のように単語で終わらせず、

  • レジ会計
  • 商品陳列・発注
  • 在庫管理
  • 売上報告
  • 店内清掃
  • 新人アルバイトへの初期指導

のように、担当業務の全体像が伝わるように具体的に書きましょう。

【実績の定量化】

ここが最も重要なポイントです。具体的な数字を用いて実績を示すことで、あなたの貢献度が客観的に伝わり、アピールの説得力が格段に増します

Before/After 例文

  • Before
    接客業務を担当。
  • After
    丁寧な顧客対応と積極的な声かけを徹底し、担当部門の顧客満足度アンケートで常に90%以上の高評価を獲得することに貢献しました。
  • Before
    売上管理をしていました。
  • After
    :季節商品を活用した陳列方法の改善を提案・実行し、担当商品の売上を前月比10%向上させました。

販売職などでなくても、「1時間あたりの対応件数を〇件から〇件に増やした」「業務マニュアルを作成し、新人の研修時間を〇時間短縮した」など、工夫次第で数字で示すことは可能です。

③活かせる経験・スキル:PCスキルや人柄の強みを具体的に書く

この項目では、あなたの能力を「ハードスキル」と「ソフトスキル」に分けて整理すると、採用担当者に伝わりやすくなります。ハードスキルとはPCスキルや語学力といった専門的な技術、ソフトスキルとはコミュニケーション能力などの対人スキルを指します。

そして、アルバイト経験で特にアピールしたいのが、コミュニケーション能力や課題解決力といったソフトスキルです。これらはどんな職種でも役立つ「ポータブルスキル」であり、多くの企業が重視しています 。

ただし、単に「協調性があります」と書くだけでは不十分です。「新人スタッフと積極的にコミュニケーションをとり、チーム全体の作業効率を5%向上させました」のように、具体的なエピソードを一行添えるだけで、強みに客観的な信頼性が生まれます 。

ハードスキルをアピールする場合「Excelが使えます」ではなく、「Excel(VLOOKUP関数、ピボットテーブルを用いたデータ集計、グラフ作成が可能)」のように、何がどのレベルでできるのかを具体的に示すこようにしましょう。

④資格・免許:勉強中の資格もアピール材料に

資格や免許は、あなたのスキルを客観的に証明する重要な情報です。取得年月日と共に、必ず正式名称で正確に記載しましょう。複数ある場合は、応募する仕事に直接関連するものから先に書くのが基本です。

そして、もし現在取得に向けて勉強中の資格があれば、それは大きなアピールチャンスです。「〇年〇月取得予定」と書き添えることで、現状のスキルだけでなく、将来性や仕事への高い意欲を具体的に示せます 。これは、企業が若手人材に期待する「伸びしろ」をアピールする上で非常に効果的です。

もし現時点で記載できる資格がないと悩んでいる場合でも、悲観する必要はありません。例えば、国が費用の一部を補助してくれる「教育訓練給付制度」などを活用し、主体的にスキルアップを目指すというキャリアプランを面接で語ることも、強い学習意欲の証明になります 。

大切なのは、学び続ける姿勢そのものです。

⑤自己PR:一貫性のあるストーリーで熱意を伝える

自己PRは、職務経歴書全体の「まとめ」であり、あなたの熱意と将来性をアピールする最後のチャンスです 。これまでの職務経歴で伝えてきた経験やスキルが、応募先企業でどう活かされるのか、一貫したストーリーとして採用担当者に届けましょう 。

以下の3つのステップで構成すると、論理的で説得力のある内容になります。

⑤自己PR:一貫性のあるストーリーで熱意を伝える

ここで最も重要なのは、強みを具体的なエピソードと成果で裏付けることです 。例えば「コミュニケーション能力が高いです」ではなく、「お客様との対話からニーズを汲み取り、アップセル提案でリピート率を15%向上させた経験があります」のように語ることで、あなたの言葉に圧倒的な説得力が生まれます 。

職務経歴全体を通して、あなたという人物の一貫したストーリーが伝わるように意識しましょう。

4.【ケース別】こんな時どうする?職務経歴書の悩み解決Q&A

【ケース別】こんな時どうする?職務経歴書の悩み解決Q&A

「アピールできる職歴がない」「アルバイト経験が多すぎる」など、多くの人が抱える特有の悩みがあります。ここでは、そうしたケース別に、具体的な解決策と書き方のコツをQ&A形式でご紹介します。

ケース1:アピールできる職歴やスキルがない…

特別な実績がないと感じる場合でも、決して諦める必要はありません。報酬を得ている限りどんな仕事にも、他の職場で通用する「ポータブルスキル」が存在します

例えば、「他のスタッフと協力して業務を進めた経験」は「協調性」に、「お客様のクレームに誠実に対応した経験」は「課題解決能力」や「傾聴力」に言い換えられます。

大切なのは、特別な経験がないと嘆くことではなく、当たり前だと思っている日々の業務の中に、あなたならではの強み(誠実さ、継続力、学ぶ姿勢など)を見つけ出し、言語化することです。

日常的な業務経験の例 (Before)アピールできる強み (After)職務経歴書での表現例
後輩や新人に仕事を教えた指導力・育成力新人スタッフ3名に対し、独自のチェックリストを用いて初期研修を担当。個々の習熟度に合わせた指導で、独り立ちまでの期間を平均2日間短縮しました。
マニュアル通りに正確に作業した正確性・規律性複雑なレジ操作や締め作業において、常にマニュアルを遵守し、過去1年間ミスのない正確な業務遂行を徹底しました。
お客様からのクレームに対応した傾聴力・課題解決能力お客様からのご意見に真摯に耳を傾け、ご要望の背景にある課題を特定。代替案を迅速に提示することで、最終的にご納得いただき、再来店に繋げました。
シフトが足りない時に協力した柔軟性・協調性急な欠員が出た際にも、他のスタッフと協力してシフトを調整し、店舗の円滑な運営に貢献。常にチーム全体を考えた行動を心がけていました。

足りないスキルがあるなら、「入社後に積極的に学んでいきたい」という学習意欲や成長へのポテンシャルを力強く示すことも有効です。

職務経歴書の自己PR欄に何を書けばいいのか悩んでいる人は、こちらの記事がおすすめです。

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ケース2:職歴が多すぎて、どうまとめればいいか分からない…

多くのアルバイトを経験していると、「一貫性がないと思われるのでは」「長続きしない印象を与えるのでは」と不安になりますよね。しかし、見方を変えれば、その豊富な経験はあなたの「適応能力の高さ」や「多様なスキル」を証明する絶好の材料だったのです。

  • 優先順位をつける
    応募職種との関連性が最も高い経験を一番上に、詳細に記述します。
  • グルーピングする
    関連性の低い短期間の職歴は、個別に書くのではなく、「2022年4月~2023年3月:イベントスタッフとして、5件の展示会運営に従事。設営、来場者対応、撤収作業などを通じ、多様な環境への適応力とチームワークを習得」のように、まとめて記述しましょう。

大切なのは、すべての職歴を正直に羅列してアピールポイントを散漫にさせるのではなく、採用担当者の視点に立って、応募職種に最も響く経験を戦略的に見せることです 。関連性の低い職歴まで書いてしまうと、本当に伝えたい強みが埋もれてしまいます。

あなたの経歴書を「応募企業へのラブレター」と捉え、相手が最も喜ぶ情報を厳選して伝えましょう。

職歴が多くてどのようなフォーマットを使えばいいか分からない場合は、こちらの記事を参考にしてください。

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ケース3:学生時代のアルバイト経験しかありません…

「学生時代のアルバイトなんて、社会人経験とは言えないのでは…」と、ご自身の経験の価値を低く見積もっていませんか。それは大きな誤解です。特に新卒や若手の採用において、企業は完成された職務経歴ではなく、あなたの「ポテンシャル」や「人柄」を知りたがっています 。

学生時代のアルバイトは、そのポテンシャルを証明するための最も重要なエピソードの宝庫なのです。採用担当者は、あなたがアルバイトを通じて、基本的なビジネスマナー、責任感、チームで働く力といった「社会人としての基礎体力」をどれだけ身につけているかを見ています 。

「ただ働いていた」という事実だけでなく、その経験から何を学び、どんな工夫をしたのかを自分の言葉で語ることが、ライバルとの差別化に繋がります。例えば、リーダー経験や後輩の指導経験は「リーダーシップ」や「指導力」として、長期間続けた経験は「継続力」や「責任感」の証明として、十分に評価されます 。

5.提出前に確認!職務経歴書 最終チェックリスト

提出前に確認!職務経歴書 最終チェックリスト

書類が完成したら、提出前の最終確認があなたの評価を左右します。うっかりミスで後悔しないために、ここで紹介するチェックリストを使って、完璧な状態で提出できるように準備を整えましょう。

チェック項目確認内容
基本情報・誤字・脱字はないか?
・日付は提出日のものになっているか?
・ 連絡先(電話番号のハイフン有り無し・メールアドレスのスペルミスやコピペミス)に間違いはないか?
一貫性・職務要約から自己PRまで、アピールしたい強みに一貫性があるか?
・履歴書の内容と矛盾はないか?
具体性・客観性・実績は具体的な「数字」で示されているか?
・専門用語や社内用語を使いすぎていないか?
・誰が読んでも理解できる内容になっているか?
読みやすさ・レイアウトは整っているか?
・箇条書きなどを使い、視覚的に分かりやすく工夫されているか?
・A4用紙1~2枚程度に収まっているか?
応募先への配慮・応募企業の求める人物像を意識した内容になっているか?
・使いまわしだと思われるような表現はないか?

6.職務経歴書はアルバイト経験も書き方次第でPRになる!

アルバイト経験は書き方次第で正社員経験に劣らない強力なアピール材料になります。採用担当者は雇用形態よりも「何ができるか」というスキルとポテンシャルを重視しています。

重要なのは、応募職種との関連性を意識し、実績を具体的な数字で示すこと。コミュニケーション能力や課題解決力などのポータブルスキルを、具体的なエピソードと成果で裏付けることが効果的です。

職務要約から自己PRまで一貫したストーリーで構成し、あなたの価値を戦略的に伝えましょう。

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