履歴書を封筒に入れて採用担当に送るとき、宛名の書き方をどうすればよいか迷うことはありませんか。宛先が正しく記されているかどうかは、書類を受け取る採用担当者が最初に目にする大切なポイントです。
封筒の書き方や仕上げの丁寧さは、履歴書の内容と同様に最初の評価ポイントとなり得るため、基本マナーをしっかり押さえておくことが大切です。
この記事では、採用担当宛ての敬称の使い分けから、特殊な宛先の書き方、郵送や持参時の具体的なマナーまで、手順を追って解説します。
- 「採用ご担当者様」や「御中」など、宛先に応じた正しい敬称の使い分け方がわかります。
- 社長宛てや病院、複数人の連名など、特殊な宛先の場合の具体的な書き方がわかります。
- 郵送・持参・メール別の封筒マナーと、コピペして使えるメール例文がわかります。
1.履歴書の封筒に書く「採用担当」の正しい宛名と敬称のルール

封筒の宛名は、相手の名前がわかるかどうかで書き方が変わります。ここでは、担当者名が不明な場合の表現から、部署宛て・会社宛ての敬称ルール、企業名の正式な書き方までを順番に解説します。
封筒の宛名で相手の名前がわからないときは「採用ご担当者様」と書く
募集要項に具体的な担当者の個人名が載っていない場合は、宛名に「採用ご担当者様」または「採用担当者様」と記載するのが正しいマナーです。どちらの表現も間違いではありませんが、「ご」を付けることでより丁寧で落ち着いた印象を与えることができます。
担当者の苗字だけわかる場合は「〇〇様」、フルネームがわかる場合は「〇〇 〇〇 様」と個人名を明記するのが適切です。
封筒の書き方|部署や会社宛てに送るときは「御中」を使う
特定の個人ではなく、組織や部署そのものを宛先とする場合は、「御中(おんちゅう)」を書き添えます。御中とは、官庁や会社、団体などの宛名の下に使用される敬称です。例えば、人事部宛てに送る場合は「人事部 御中」と記載します。
履歴書を送る封筒の敬称の正しい使い分け:OK例・NG例一覧
「御中」と「様」の使い分けを誤ると、二重敬称など重大なマナー違反になります。投函前に以下の表で自分の宛名を確認しましょう。
| 状況 | OK例 | NG例 |
|---|---|---|
| 担当者名が不明・部署宛て | 〇〇株式会社 人事部 採用ご担当者様 | 〇〇株式会社 人事部御中 採用ご担当者様(二重敬称) |
| 部署のみ宛て | 〇〇株式会社 人事部 御中 | 〇〇株式会社 人事部 御中 様(二重敬称) |
| 個人名がわかる場合 | 〇〇株式会社 人事部 山田 太郎 様 | 〇〇株式会社 人事部 山田 太郎 御中 |
| 社長・役職者宛て | 代表取締役社長 山田 太郎 様 | 山田 太郎 社長様(役職+様の二重敬称) |
| 会社名の略記 | 〇〇株式会社 | 〇〇(株)(略記はNG) |
封筒に株式会社などの文字を略さずに正式名称で書く
封筒に企業名を書く際は、(株)や(有)といった略記を使用せず、必ず「株式会社」や「有限会社」と正式名称で記載します。
また、「前株(株式会社〇〇)」か「後株(〇〇株式会社)」かも、募集要項を確認して一文字の間違いもないよう正確に書き写すことが大切です。
2.【特殊な宛先別】履歴書を送る封筒の正しい宛名の書き方

応募先によっては、一般的な「採用ご担当者様」では対応できないケースもあります。社長宛てや病院・医療法人、特定の役職者、複数人の連名など、特殊な宛先における具体的な書き方を確認していきましょう。
採用担当が企業の社長(代表取締役)へ送る場合の書き方
小規模な企業など、代表取締役が直接採用の手続きを担うケースがあります。社長宛てに送る場合は、役職名と個人名を組み合わせて「代表取締役社長 〇〇 〇〇 様」と記載します。
役職名そのものが敬称の役割を持つため、「社長様」と書くと二重敬称のような不自然な表現になる点に注意が必要です。
採用担当が病院の院長やクリニックの責任者へ送る場合の書き方
応募先が病院やクリニック、医療法人の場合は、施設の最高責任者の役職に合わせて記載します。病院であれば「院長 〇〇 〇〇 様」、医療法人であれば「理事長 〇〇 〇〇 様」が適切です。
個人名がわからない場合は「〇〇病院 採用ご担当者様」と記載しても失礼にはあたりません。
採用担当が部長や課長など特定の役職者へ送る場合の書き方
人事部長や採用責任者など、役職名と個人名が判明している場合は、役職名を名前の前に冠して「人事部長 〇〇 〇〇 様」と記載します。名前がわからず役職だけが判明している場合は、「人事部長様」とするのではなく「人事部 部長様」または「人事部長 採用ご担当者様」と整理して記載します。
採用窓口が「〇〇係」や複数人の連名などの場合の書き方
問い合わせ先が「〇〇採用係」や「応募受付センター」のような窓口になっている場合、敬称は組織に準じるものとして「〇〇採用係 御中」と記載します。担当者が2名指定されているような連名宛ての場合は、それぞれの名前の下に「様」を付け、「〇〇 様・〇〇 様」と並べて記載します。
3.履歴書を郵送するときの封筒の書き方マナーと実務的な準備

封筒の宛名が正しく書けても、サイズや筆記用具、封入の仕方を誤ると印象を損ねてしまいます。封筒選びから「履歴書在中」の朱書き、書類の入れ方まで、郵送時に押さえておきたい実務的なポイントを解説します。
履歴書を送る封筒のサイズと色の選び方
履歴書を折らずに送ることができるA4サイズ対応の角形2号(角2)封筒が基本です。色は白が一般的で、茶封筒は事務書類のイメージが強いため、応募書類には白封筒を選ぶのが無難です。
企業から封筒の指定がある場合はその指示に従ってください。
表面の左下には赤字で「履歴書在中」と書く
縦書きの封筒の場合、表面の左下に中身が重要な書類であることを示す文言を記載します。一般的な履歴書だけであれば「履歴書在中」、職務経歴書も同封する場合は「応募書類在中」と、油性の赤ペンを使って手書きします。
書き終えたら、定規を使って丁寧に四角い枠線で囲むのがマナーです。手書きに自信がない場合は、文房具店で市販されているスタンプを使用しても問題ありません。
▼あわせて読みたい
「履歴書在中」の文字位置や枠線の書き方をもっと詳しく確認したい方もいるでしょう。
「履歴書在中の書き方|位置・封筒・定規・郵送マナーの【正解】」の記事では、正しい朱書きの方法について解説します。
封筒の裏面には自身の住所と名前、投函する日付を書く
封筒の裏面には、差出人である自身の情報を明確に記載します。中央の線の右側に住所(ビル名やマンションの部屋番号まで省略せずに記載)、左側に自身の氏名を書くのが標準的な配置です。
また、封筒の左上のスペースに投函する日付を「2026年〇月〇日」または「令和8年〇月〇日」と記載しておくと、相手にいつ送り出した書類かが一目で伝わります。
封筒に使う筆記用具は水濡れや摩擦に強い黒のボールペンを選ぶ
封筒の宛名や裏面の住所を書くときは、配送時の水濡れや摩擦に強い筆記用具を選ぶことが重要です。インクの乾きが早く視認性の高い黒の油性ボールペンや、裏写りしにくい水性・ゲルインクボールペン(太さ0.7mm以上)が推奨されています。
摩擦熱で文字が消える消せるボールペンは、配送中のトラブルや改ざん防止の観点から、応募書類や封筒への使用は避けてください。
封筒をのり付けした後は閉じ口の中央に「〆」を書く
すべての書類を封入したら、液体のりや両面テープを使って確実に密封します。剥がれやすいセロハンテープでの仮止めはマナー上好ましくありません。
しっかりと接着できたら、閉じ口の中央部分をまたぐように黒いペンで〆(しめ)の封字を記述します。これは未開封の状態で届いたことを証明するための印です。
履歴書はクリアファイルに挟み、送付状(添え状)を一番上にする
履歴書などの応募書類は、そのまま直接封筒に入れるのではなく、ひと手間を加えることで水濡れや折れ曲がりを防ぐことができます。
無色透明の新品のクリアファイルを用意し、上から
「送付状(添え状)」
「履歴書」
「職務経歴書」
の順番で重ねて挟み込み、それから封筒に入れます。この順番で整えることで、採用担当者が開封したときに日付や挨拶、同封内容を最初に確認できます。
4.【提出方法別】履歴書を面接で持参する場合やメールで送る場合のマナー

応募書類の提出方法は郵送だけではありません。面接で直接手渡しする場合や、PDFファイルをメールで送付する場合にも、それぞれ気をつけたいマナーがあります。コピペで使える例文とあわせて確認しましょう。
面接で直接手渡しするときも封筒やクリアファイルに入れる
「面接の場で直接手渡しするのだから、封筒に入れる必要はないのではないか」と考えるかもしれません。しかし、手渡しの場面であっても、書類が封筒やクリアファイルに入っているかどうかは、採用担当者の目に留まりやすいポイントです。
むき出しのまま渡すと折れや汚れのリスクもあるうえ、書類を大切に扱う姿勢が伝わりにくくなってしまいます。持参する場合でも必ず白い封筒に入れ、クリアファイルに挟んで持ち運ぶのが適切です。
メールで履歴書を送るときは件名と本文を分かりやすく書く
近年の中途採用では、PDFファイル化した履歴書を電子メールに添付して提出する形式も一般的になっています。メールで送付する場合は、採用担当者が一日に多くの連絡を受け取ることを想定し、件名だけで誰からどのような用件かが瞬時に伝わるよう配慮します。
件名には【応募書類送付】履歴書(氏名)のように明記し、本文には簡潔な挨拶・応募にいたった経緯・添付ファイルがある旨を記載します。また、個人情報保護のため、応募先企業から指定がある場合はPDFにパスワードを設定するなど、企業のセキュリティポリシーに従った方法で送付します。
採用担当へ送るコピペして使えるメール例文
以下は、履歴書PDFを添付して送る際のメール本文の例文です。応募先からパスワード設定の指定がない場合は例文1を、指定がある場合は例文2・3を状況に合わせて適宜修正してご使用ください。
【例文1】応募書類を送付するメール(パスワードなし)
件名:【応募書類送付】履歴書・職務経歴書のご送付(氏名)
〇〇株式会社
採用ご担当者様はじめてご連絡いたします。〇〇と申します。
貴社の〇〇職に応募させていただきたく、履歴書および職務経歴書をお送りいたします。ご査収のほど、よろしくお願いいたします。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
〇〇 〇〇(氏名)
メールアドレス:
電話番号:
【例文2】応募書類を送付するメール(パスワードあり)
件名:【応募書類送付】履歴書・職務経歴書のご送付(氏名)
〇〇株式会社
採用ご担当者様はじめてご連絡いたします。〇〇と申します。
貴社の〇〇職に応募させていただきたく、履歴書および職務経歴書をお送りいたします。添付ファイルにはパスワードを設定しております。
パスワードは別途メールにてお送りいたします。ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
〇〇 〇〇(氏名)
メールアドレス:
電話番号:
【例文3】パスワードを送付するメール(2通目)
件名:【パスワードのご連絡】応募書類について(氏名)
〇〇株式会社
採用ご担当者様先ほどお送りした応募書類のパスワードをご連絡いたします。
パスワード:〇〇〇〇〇〇
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。〇〇 〇〇(氏名)
近年、企業のセキュリティ対策(いわゆるPPAPの廃止)により、パスワード付きファイルやその別送メールを自動ブロックするシステムを導入する企業が増えています。応募先から特別な指定がない場合は例文1のように暗号化せずに送付し、指定がある場合のみ例文2・3の形式で企業のセキュリティポリシーに従って送付してください。
▼あわせて読みたい
メールで履歴書を送る際の例文やマナーをさらに詳しく知りたい方は多いでしょう。
「履歴書のメール送り方|例文・PDF・パスワード・スマホ・返信」の記事では、件名や本文の書き方について解説します。
5.採用担当に届く履歴書封筒の書き方を押さえて応募しよう

封筒の宛名や書き方には細かいルールが多く、最初はとまどうかもしれません。しかし、一つひとつは決して難しいものではなく、この記事で紹介したポイントを押さえれば、誰でも自信を持って準備を進められます。
封筒の仕上げに時間をかけることは、遠回りのように感じるかもしれません。それでも、その丁寧さは書類を開く前から採用担当者に伝わり、応募者の人柄や仕事への向き合い方を静かに物語ってくれます。
正しいマナーを味方につけて、自信を持って一歩を踏み出してください。