面接の言葉遣いが正しくできているかどうかは、面接官に良い印象を与えるうえで欠かせないポイントです。
しかし、「完璧な敬語を話さなければ落とされてしまうのではないか」と不安になり、緊張してうまく話せなくなることもあるのではないでしょうか。
この記事では、面接での基本的な話し方のルールから、よくあるNG敬語の正しい言い換え表、本番で緊張したときの心の整え方までを分かりやすく解説します。
- 面接官が言葉遣いを通してチェックしているコミュニケーションの本質
- 面接での一人称・二人称やバイト敬語など、NG言葉遣いの正しい言い換え一覧
- 本番で緊張して言葉に詰まったときの対処法・心の持ち方
1.面接で「言葉遣い」が合否を分ける大切な理由

転職エージェントが実施した採用担当者向けアンケートでは、中途採用面接での第一印象を左右する要素として「話し方」や「態度・仕草」を挙げる回答が上位に並んでいます。
言葉遣いが合否に影響を与えるのには、客観的な理由があります。面接官は、言葉の正しさそのものをテストしているわけではありません。
「入社した後に、他部署のメンバーや顧客と良好な人間関係を築けそうか」「相手を尊重したコミュニケーションができるか」という実務上の適応力を見ています。
丁寧な言葉遣いができると、それだけで「誠実で仕事に対して前向きな人だ」という印象が伝わりやすくなります。形式的なルールとして敬語を覚えるのではなく、「対面する相手への敬意を表現する方法」として言葉遣いを捉え直すことが、面接をスムーズに進める第一歩です。
2.【基本編】面接の前に知っておきたい言葉遣いとマナー

面接でのコミュニケーションを円滑にするために、まずはこれだけは押さえておきたい基本のルールを解説します。
まずはここから!基本の「です・ます調」と話し方の姿勢
面接での会話は、語尾を「〜です」「〜ます」「〜でございます」で統一する「です・ます調(丁寧語)」が基本です。
また、話す内容だけでなく「どのように話すか」という周辺言語的な要素も印象を大きく左右します。
以下のポイントを意識してみましょう。
- 話すスピード:普段よりも「少しゆっくり」を意識すると、聞き取りやすくなり、落ち着いた印象を与えられます。
- 声のトーン:いつもより少しだけ高めで明るいトーンを意識すると、前向きな熱意が伝わります。
- 相槌(あいづち):面接官の話を聞くときは、相手の目を見ながら、少し大きめに深く相槌を打つと「しっかり話を聞いている」という姿勢が伝わります。
「僕・自分・俺」は卒業!面接での一人称・二人称のルール
面接では、自分自身の呼び方(一人称)と、相手の企業の呼び方(二人称)に明確なルールがあります。普段の癖が出やすい部分なので、事前にしっかりと意識しておきましょう。
一人称(自分の呼び方)
男女を問わず「わたし」または「わたくし」で統一します。普段使いがちな「僕(ぼく)」「自分(じぶん)」「俺(おれ)」は、面接の場では不適切とみなされるため使用を避けてください。
二人称(相手企業の呼び方)
面接で口頭で話すときは「御社(おんしゃ)」を使用します。履歴書や職務経歴書などの書類に書くときは「貴社(きしゃ)」と書きますが、面接本番で「貴社」と言ってしまう混同が多いため注意が必要です。
敬語の分類や考え方についてさらに詳しく確認したい場合は、公的な整理として文化庁が示す「敬語の指針」も参考になります。
参考:敬語の指針|文化庁
▼あわせて読みたい
面接で使う敬語をもっと詳しく確認しておきたい方もいるのではないでしょうか。
「【保存版】敬語一覧と正しい使い分け|すぐに使える実践リスト」の記事では、文化庁の分類に基づいた敬語の一覧と使い分けについて解説します。
3.【実践】よくあるNG表現と正しい敬語の言い換え一覧

日常会話やアルバイト先で無意識に使っている言葉の中には、採用面接というオフィシャルな場にふさわしくない表現がたくさんあります。
特に注意したい表現を整理しました。
面接で注意したい「バイト敬語」
一見すると丁寧に聞こえるものの、ビジネスの実務においては不適切とされる「バイト敬語(ファミコン言葉)」は、面接でうっかり使ってしまいがちな鬼門です。
| バイト敬語 | 面接で使うべき言葉 |
|---|---|
| よろしかったでしょうか | よろしいでしょうか |
| ~のほう | ~から/~が |
| お求めやすい | お求めになりやすい |
| なるほどですね | おっしゃる通りだと思います |
| そうなんですね | そうなのですね |
面接でよく使う言葉の言い換えリスト
日常会話で使うフランクな言葉は、面接官に「社会人としてのマナーが不足している」という印象を与えてしまうリスクがあります。
面接でよく登場する単語を中心に、正しい表現への言い換えをリストにまとめました。
| 日常使っている言葉(NG例) | 面接で使うべき言葉(OK例) |
|---|---|
| あっち / そっち / こっち | あちら / そちら / こちら |
| さっき / 前に | 先ほど / 以前に |
| だいたい | おおむね / 約 |
| ぶっちゃけ / 正直 | 率直に申し上げますと |
| すいません | 申し訳ございません / 恐れ入ります |
| わかりました | かしこまりました / 承知いたしました |
| 〜みたいな / 〜とか | 〜のような / 〜といった |
4.面接で緊張して言葉に詰まってしまったときの対処法

どれだけ言葉遣いの準備や練習をしていても、面接の本番では緊張によって頭が真っ白になったり、言葉が出てこなくなったりすることがあります。
このような社交不安や焦りは、「完璧に話さなければ不採用になる」という完璧主義の思考(認知の歪み)から生まれることが多いとされています。
もし言葉に詰まってしまったときは、以下のセルフケア技術を試してみてください。
腹式呼吸でリラックスする
緊張で息が浅くなっていると感じたら、意識的に深くゆっくりと息を吐き出し、吸い込む「腹式呼吸」を行います。
これにより、身体の強張りが和らぎ、副交感神経が優位になって落ち着きを取り戻せます。
「一呼吸おく勇気」を持つ
質問されてすぐに答えようとせず、「少し考える時間をいただいてもよろしいでしょうか」と面接官に伝えて一呼吸おきます。
沈黙を恐れず、頭の中で話す内容を整理してからゆっくり話し始める方が、結果として丁寧で論理的な印象に繋がります。
「言い間違えても大丈夫」と思える心の余裕を持つ
たとえ多少の言い間違いをしてしまっても、それはあなた自身の人間としての価値を左右するものではありません。
企業の採用基準は、実務スキルやタイミング、組織との相性など、自分ではコントロールできない要因も多く絡み合っています。
「完璧に話せなければいけない」と気負いすぎず、面接を「お互いの相性を確認し合う対話の場」だと捉え直すことで、心のプレッシャーを大きく軽減できます。
よくある質問
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アルバイトの面接でも、正社員の面接と同じくらい丁寧な言葉遣いが必要ですか?
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採用形態にかかわらず、面接は企業の担当者と直接コミュニケーションを取る場です。アルバイトの面接だからといって話し言葉を崩してよいわけではなく、基本的な敬語やです・ます調は同様に意識しておくと安心です。ただし、職種によって求められる丁寧さの度合いは異なる場合があるため、不安な場合は求人票の情報や面接前の案内を確認しておくとよいでしょう。
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面接では「御社」と言うのに、履歴書では「貴社」と書くのはなぜですか?
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「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉として使い分けるのが一般的とされています。面接の会話では「御社」を、履歴書やエントリーシートなど文字で書く書類では「貴社」を使うと覚えておくと、混同を防ぎやすくなります。
5.言葉遣いは「お互いを尊重しあう」ためのツール
面接での言葉遣いに自信を持って臨めるよう、この記事のポイントを3つにまとめました。
- ①言葉遣いは「お互いを尊重しあう」ためのツール
面接における正しい言葉遣いや敬語マナーは、面接官という目の前の相手に敬意を払い、円滑にコミュニケーションを進めるための姿勢です。 - ②完璧さより、伝えようとする姿勢が大切
多少の言い間違えがあっても、ゆっくりと丁寧なトーンで、自分の強みや仕事への想いをしっかりと伝える姿勢こそが、面接官の心に響く好印象へと繋がります。 - ③準備を終えたら、肩の力を抜いて本番へ
事前の言い換えチェックなどを済ませたら、当日は肩の力を抜き、企業という未来のパートナーとの対話を楽しんできてください。
正しい言葉遣いは、あなたを縛るルールではなく、面接官との対話をより豊かにするための味方です。
今日からできる一言の言い換えが、面接本番であなたらしい魅力をしっかりと伝えてくれるでしょう。