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広報の志望動機の書き方|受かる3つの軸と例文集

広報の志望動機を作成しようとすると、企業の製品やサービスに対する「ただのファン」としての感想になってしまい、選考を通過できないケースが少なくありません。

広報という仕事の本質を理解し、これまでの経験を企業の課題解決にどう活かせるかを示すことが重要です。

この記事では、採用担当者の視点やキャリア構築の理論に基づき、評価される志望動機の書き方と具体的な例文を分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 選考を通過する志望動機に共通する「3つの軸」(なぜ広報か・なぜこの企業か・どう貢献できるか)
  • STARメソッドを使って、これまでの経験を広報の志望動機に活かせる言葉へ翻訳する具体的な方法
  • 未経験・経験者別の実践的な例文と、選考で評価を下げてしまう志望動機の書き方の注意点
目次

1.そもそも広報とは?志望動機を書く前に知っておきたい仕事内容と役割

そもそも広報とは?仕事内容と求められる役割

志望動機を書き始める前に、広報という職種が公的にどう定義されているかを確認しておきましょう。

厚生労働省の職業情報提供サイトでは、広報・PR担当を企業や団体の広報活動の窓口として、経営理念や営業方針、営業活動、社会的責任(CSR)を顧客、消費者、地域住民等に的確に伝える職業と定義しています。

マスコミ対応やプレスリリース作成といった対外的な業務だけでなく、社内報の作成などの対社内業務、さらに不祥事発生時の危機管理としての広報や、Webを活用した迅速な情報発信の重要性も増しているとされています。同サイトの統計データでは、この仕事に就くための学歴や資格は特に必要とされず、入職前の実務経験について「特に必要ない」と回答した割合が58.6%にのぼるとされています。

実際、採用と同時に広報担当部門に配属されるケースは多くなく、他部門から異動してくるのが一般的だと説明されています。未経験からの転職を考えている方にとって、心強いデータといえるでしょう。

出典:広報・PR担当 – 職業詳細|職業情報提供サイト job tag(厚生労働省)

未経験から広報を目指す方は、転職活動全体の進め方も気になるところです。
未経験からの転職は怖くない!成功に導く3つの視点とステップ」の記事では、未経験転職を成功させるための考え方と具体的な行動ステップについて解説します。

【徹底解説】未経験からの転職は怖くない!成功に導く3つの視点と具体的ステップ
未経験からの転職は怖くない!成功に導く3つの視点とステップ
未経験の転職、不安をキャリア・心理・法律の専門家が、強みの発見から面接術、退職時に役立つ法律のお守りまで、5ステップで解説します。
https://riretsuku.jp/media/contents/career-change-to-a-new-field/

2.広報の志望動機で陥りやすい「ただのファン」という落とし穴

広報の志望動機で陥りやすい「ただのファン」という落とし穴

採用担当者に響かない志望動機には、共通する落とし穴があります。

まずは、多くの応募者が無意識に陥りがちなポイントを2つの視点から確認していきましょう。

憧れだけでは企業の代弁者になれない理由

多くの人が、応募先企業の製品や企業理念への熱意を伝えようとするあまり、内容が「ただのファン」としての感想にとどまってしまいます。

しかし、採用側が求めているのは自社を好きでいてくれる「ファン」ではなく、自社の魅力を世の中に広め、事業を前進させてくれる人です。

企業の代弁者として、メディアや社会に対してどのように情報を発信し、関係性を築いていけるかという実務的な視点が欠けていると、選考では厳しい評価を受けやすくなります。

コンプライアンス(法令遵守)や危機管理の視点を持つ重要性

一般的に、広報担当者の発信一つが企業の社会的信用を大きく左右すると考えられています。SNSの普及により、些細な情報発信が予期せぬトラブルや炎上を招くリスクが高まっているからです。

そのため、単に良い情報を広めるだけでなく、労働関係法令や社会的なルールを守り、危機管理の視点を持って情報をコントロールする冷静さが求められます。

こうしたリスク管理の意識を志望動機に少しでもにじませることで、他の候補者と明確な差をつけることができます。

3.キャリアコンサルティングの理論で組み立てる志望動機の「3つの軸」

キャリアコンサルティングの理論で組み立てる志望動機の「3つの軸」

説得力のある志望動機には、論理的な型があります。ここでは、キャリアコンサルティングの理論に基づいた3つの軸を、順を追って解説します。

1. なぜ広報を志望するのか(職種への深い理解)

キャリアコンサルティングの理論に基づくと、志望動機は3つの論理的な構成要素で組み立てることが推奨されます。

最初の軸は、数ある職種の中からなぜ広報を選んだのかという点です。

華やかな側面だけでなく、地道なメディア対応や社内調整といった泥臭い業務も含めて、職種全体の役割を深く理解していることを示します。

2. なぜこの企業への志望なのか(ビジョンへの共鳴と企業理解)

次の軸は、同業他社ではなくなぜその企業でなければならないのかです。

ここでは、企業の公式発表やプレスリリースをしっかりと読み込み、企業の目指す方向性や現状の課題を把握していることを伝えます。

表面的な理念への共感だけでなく、具体的な事業展開や社会的な立ち位置を踏まえた上で、どこに惹かれたのかを自分の言葉で語ることが大切です。

3. 入社後にどのように貢献できるか(実務での再現性)

最後の軸は、自分の持つスキルや経験を活かして、企業にどのようなメリットをもたらすことができるかという点です。

企業は即戦力、あるいは将来的に事業に貢献してくれる人材を探しています。

過去の実績が、新しい職場でどのように役立つのかという再現性を論理的に説明し、採用する側が自社で活躍している姿を明確にイメージできるように文章を構成します。

4.これまでの経験を「広報の志望動機に活かせる言葉」に翻訳する方法

これまでの経験を「広報に活かせる言葉」に翻訳する方法

広報未経験であっても、これまでの職務経験で得たスキルは捉え方次第で強みになります。

ここでは代表的な職種別に、過去の経験を広報スキルへ変換する具体的な方法を紹介します。

営業職の経験を志望動機に活かす「関係構築力」と「課題を引き出す力」

業種や職種が変わっても持ち運びできる能力を、「ポータブルスキル」と呼びます。例えば営業職の経験は、広報において極めて重要です。

顧客と信頼関係を築き、隠れた課題を引き出して提案する営業の力は、メディア関係者と良好な関係を構築し、自社の魅力を的確に伝える能力にそのまま翻訳できます。

営業で培った関係構築力という言葉を使うことで、広報の実務に直結する強みとしてアピールできます。

参考:ポータブルスキル見える化ツール|厚生労働省

企画・SNS運用経験を志望動機に活かす「情報発信力」と「分析力」

マーケティング企画やSNSの運用経験がある場合、それは情報をターゲット層に効果的に届ける力として翻訳できます。

どのような言葉や画像を使えば人の心を動かせるのかを考え、結果を分析して次に活かすというプロセスは、広報の発信業務そのものです。

個人的なSNS運用であっても、意図を持って情報を発信し、反応を分析した経験があれば、それは立派なポータブルスキルになります。

志望動機で実績を具体的な数値で示す方法(STARメソッド)

実績を伝える際は、「STARメソッド」と呼ばれる枠組みを使うと説得力が増します。

STARとは、Situation(状況)・Task(課題)・Action(行動)・Result(結果)の頭文字を取ったもので、候補者の思考プロセスや行動特性を掘り下げて把握するための「行動面接」の手法として、採用の現場でも広く使われています。

それぞれの要素は、以下のように整理すると書きやすくなります。

STARメソッドとは?

  • Situation(状況):どのような部署・立場で、どんな環境に置かれていたか
  • Task(課題):その状況の中で、自分が取り組むべき課題や目標は何だったか
  • Action(行動):課題に対して、自分が具体的にどのような行動を取ったか
  • Result(結果):その行動によって、どのような成果が生まれたか

特に結果の部分は、売上を大きく伸ばしたといった曖昧な表現ではなく、前年比15%向上させた、フォロワーを〇万人増やしたのように、必ず客観的な数値を用いて定量化します。数字を使うことで、実績の信憑性が格段に高まります。

この手法は転職面接での質問対策としても知られており、状況・課題・行動・結果の4つを順に整理しておくことで、面接官からの深掘り質問に対しても一貫性のある回答がしやすくなるとされています。志望動機の文章を書く段階だけでなく、面接での受け答えを想定した準備としても活用できます。

また、STARメソッドは、応募者の過去の具体的な行動をもとに人物像や再現性のある強みを見極める「行動面接」という面接手法でよく用いられる整理法であり、国内外の企業で広く活用されています。

なお、厚生労働省が無料で提供するポータブルスキル見える化ツールを使えば、自分の職務経験のどの部分が広報職で通用するスキルなのかを客観的に整理できます。志望動機を書く前の棚卸しとして活用するのも一つの方法です。

出典:STARメソッドを使って行動面接の質問に回答する方法|Indeed

志望動機だけでなく、自己PRの書き方に不安がある方も多いはずです。
職務経歴書の自己PRは「調査」が9割!採用担当者に響く例文も」の記事では、採用担当者に響く自己PRを論理的に作成する具体的な方法について解説します。

職務経歴書の自己PRは「調査」が9割!採用担当者に響く例文も
職務経歴書の自己PRは「調査」が9割!採用担当者に響く例文も
本記事では、採用担当者の視点や各種調査データに基づき、職務経歴書の自己PRを「戦略的プレゼンテーション」として捉え、論理的に作成していくための具体的な方法を解説します。
https://riretsuku.jp/media/contents/resume-self-promotion/

5.採用担当者の目を引く!広報の志望動機・例文集

採用担当者の目を引く!広報の志望動機・例文集

ここでは、これまでの経験や強みを活かして作成する具体的な志望動機の例文を、ターゲット層や職責(未経験・経験者)別にご紹介します。

自身の状況に近いものを参考に、内容をカスタマイズしてご活用ください。なお、以下の例文は4章で紹介したSTARメソッドの流れに沿って構成しており、【状況・課題】【行動】【結果】の順に実績のエピソードを示したうえで、それを広報職での貢献につなげる形にしています。

【未経験:営業から広報へ】ポータブルスキルを前面に出す例文

【状況・課題】
前職の法人営業では、既存顧客からの追加受注が伸び悩んでいるという課題を抱えていました。

【行動】
そこで契約後のヒアリングを徹底し、お客様ご自身が言葉にしていなかった潜在的な課題を洗い出したうえで、新たな活用方法をご提案する機会を設けました。

【結果】
その結果、担当顧客の半数以上から追加のご相談をいただけるようになりました。

この経験で培った、相手が言葉にしていないニーズを引き出し、伝わる形に変換する力は、メディア関係者との信頼関係を築く広報業務においても活かせると考えております。

貴社の〇〇という製品は社会的な意義が非常に大きく、さらに認知を広げていける大きな可能性を秘めていると感じており、営業現場で培った提案力を活かして、貴社の製品の価値をより多くの方に届けたいと考え、広報職を志望いたしました。

【未経験:その他職種から広報へ】SNS運用やイベント経験を活かす例文

【状況・課題】
前職の事務職では、自社の公式SNSアカウントの認知度が低く、フォロワー数もほとんど伸びていないという課題がありました。

【行動】
そこで業務の傍らアカウント運用を任され、ターゲット層の分析をもとに投稿内容や配信のタイミングを見直し、共感を呼ぶ切り口でのコンテンツ作りに取り組みました。

【結果】
その結果、半年間でフォロワー数をゼロから1万人にまで伸ばすことができました。

この経験を通じて得た、データに基づいて発信内容を調整し、反応を分析しながら改善を重ねる力は、企業のブランド価値を高める広報活動に直結すると考えています。

常に社会のトレンドや最新技術をいち早く取り入れ、挑戦を続ける貴社の姿勢に深く共鳴しており、この情報発信力と分析力を活かして貴社の魅力を伝える一助になりたく、志望いたしました。

【経験者】危機管理やメディア連携の実績を活かす例文

【状況・課題】

現職では広報担当として3年間、プレスリリース作成とメディア対応に従事してまいりましたが、着任当初はテレビや業界紙での掲載獲得数が伸び悩んでいるという課題がありました。

【行動】

そこで、記者の関心を引きやすい切り口へリリース内容を見直すとともに、主要メディアの担当者と定期的に情報交換する機会を新たに設けました。

【結果】

その結果、掲載獲得数を前年比〇倍に伸ばすことができました。

また、製品に関するネガティブな反応がSNSで起きた際には、迅速な事実確認と誠実な公式発表を行い、事態の沈静化を図った危機管理対応の経験もございます。

貴社が今後注力される新規事業領域において、これまでのメディアリレーションの実績とリスク管理の視点を活かし、貴社の社会的信頼の向上と認知拡大に貢献したいと考えております。

6.人事労務管理の実務から見た「評価を下げる」志望動機の注意点

人事労務管理の実務から見た「評価を下げる」志望動機の注意点

良い例文だけでなく、評価を下げてしまう表現を知っておくことも重要です。ここでは、特に見落としがちな2つの注意点を解説します。

「学ばせてほしい」という受け身の姿勢を避ける

未経験の仕事に挑戦する際、つい広報の業務を基礎から学ばせていただきたいですと書いてしまうことがあります。しかし、企業は学校ではなく、利益を生み出す組織です。

受け身の姿勢は、自立して業務に取り組む意欲が低いと判断される原因になります。これまでの〇〇の経験を活かし、一日も早く貴社の広報として貢献できるよう努めますといった、主体的に価値を提供する姿勢を示すことが重要です。

どの企業でも使い回せるような抽象的な表現を避ける

貴社の企業理念に惹かれました、社会に貢献したいですといった表現は、耳障りは良いものの、他の会社でも通用してしまうため説得力がありません。

採用担当者は日々多くの応募書類に目を通しているため、使い回しのきく志望動機はすぐに見抜かれます。必ず応募先企業の固有の事業内容や、最近のニュースリリース、代表者のメッセージなどを引用し、自分自身の言葉で具体性を持たせることが不可欠です。

7.最新:広報の志望動機に盛り込みたい新しい視点「採用広報とリスク管理」

最新:広報に求められる新しい視点「採用広報とリスク管理」

近年、広報・PR業界では危機管理や効果測定への実務ニーズが高まっている傾向が指摘されています。日本パブリックリレーションズ協会が実施した2024年度のPR業実態調査でも、情報収集・効果測定の取り扱いが増加し、今後は危機管理関連のニーズがさらに伸びると予想されています。

一方で、求職者側の意識調査に目を向けると、企業が発信する情報だけでは「実態がわからない」ことを理由に、応募や内定承諾を見送った経験がある求職者が46.1%にのぼるというデータもあります。

この2つを重ねると、これからの広報職には社外への発信力だけでなく、候補者に対して企業の実態を誠実に伝える「採用広報」の視点も、これまで以上に重要になってきているといえます。

志望動機の中で、単なる対外広報だけでなく、こうした採用候補者への情報発信という視点にも触れられると、他の応募者と差がつく志望動機になりやすいでしょう。

出典:2025年 PR業実態調査 報告書|日本パブリックリレーションズ協会
出典:【2026年版】採用広報に関する意識調査レポート|株式会社ファングリー

8.広報の志望動機が通らない時、選考中の不安を和らげる考え方

選考中の不安を和らげる考え方

選考がうまくいかないと、自信を失ってしまうこともあるでしょう。

最後に、不採用という結果との向き合い方について、考え方のヒントを紹介します。

不採用は人格の否定ではなく「お互いの相性の問題」と受け止める

転職活動において、書類選考や面接で不採用が続くと、自信を失い、深く落ち込んでしまうことがあります。産業カウンセリングの考え方では、このような時に物事の捉え方(認知)を少し変えてみることが推奨されます。

採用の合否は、応募者の人間的な価値を測るものでは決してありません。

その時の企業の状況、募集しているポジションの細かい条件、他の候補者とのバランスなど、コントロールできない要因によるタイミングや相性の問題に過ぎないという事実を客観的に認識することが、心の健康を保つための第一歩となります。

9.広報の志望動機に関するよくある質問

広報の志望動機に関するよくある質問

広報に就職・転職したい人のよくある疑問・質問にまとめてお答えします。

志望動機と自己PRの違いは何ですか?

志望動機は「なぜその企業・職種を選んだか」に焦点を当てるのに対し、自己PRは「自分の強みや実績」を伝えるものです。広報の志望動機では、企業への理解と自分のスキルを組み合わせて語ることで、両方の要素を自然に含められます。

広報職に転職する際、必須の資格はありますか?

制度上、広報・PR担当になるために必須の資格はありません。厚生労働省の職業情報によると、実務経験を重視する企業が多く、他部署からの異動で広報担当になるケースも一般的です。専門性を示す資格として、日本パブリックリレーションズ協会が認定する「PRプランナー資格」なども存在するため、学習意欲を示す材料として触れるのも一案です。

広報の志望動機は何文字くらいが目安ですか?

応募先が文字数を指定している場合は、それに従うのが基本です。指定がない場合は、300〜400字程度で「なぜ広報か」「なぜこの企業か」「入社後にどう貢献できるか」の3つの軸を簡潔にまとめると、読みやすく評価されやすい志望動機になります。

10.広報の志望動機を書き終えたら――自社の代弁者としての一歩を踏み出すために

自社の代弁者としての一歩を踏み出すために

広報職の志望動機を作成するプロセスは、単なる書類作りにとどまらず、これまでのキャリアを振り返り、将来の目標を整理する大切な時間です。

ただのファンから抜け出し、過去の経験を広報で活かせる言葉に翻訳し、応募先企業が求めるニーズと結びつけることができれば、説得力のある志望動機に近づきます。

焦らずに強みと丁寧に向き合い、企業の代弁者としての一歩を踏み出すための準備を進めていってください。

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