公務員試験を受ける際の履歴書は、民間企業の履歴書とは書き方のルールが少し異なります。
公務員の組織は「会社」ではないため、「入社」「退社」は使えません。
「入庁」「奉職」など正しい言葉を選べているかも、採用担当者が見るポイントです。
この記事では、公務員試験を受ける方に向けて、履歴書の基本マナーから正しい用語の使い分け、異動歴の書き方、志望動機・自己PRの作り方までをわかりやすく解説します。
- 公務員特有の「入庁」「入省」「奉職」などの用語の正しい使い分け
- 頻繁な異動歴を職歴欄でスマートに集約する書き方
- 行政用語を民間企業向けのビジネス言語へ翻訳し、実績を数値化する方法
1.公務員の履歴書の書き方|基本マナー

公務員の履歴書では、次の5点を守りましょう。
- 誤字脱字はNG。修正液・修正テープ・二重線での訂正はせず、新しい用紙に書き直す
- 日付は和暦・西暦のどちらかに統一する(混在させない)
- 学校名・組織名は正式名称で書く(例:「〇〇高校」→「〇〇県立〇〇高等学校」)
- 写真は撮影から3か月以内のものを使用し、本人希望記入欄は特に希望がなければ「特にございません」と記載するのが一般的
- 様式に指定がなければ、厚生労働省の履歴書様式例を使うと安心
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履歴書の基本マナーをもっと詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
「履歴書・職務経歴書の作成でもう悩まない!書き方を徹底解説」の記事では、書類作成の基本について解説します。
2.公務員の履歴書 職歴欄の書き方|「入庁」「奉職」の使い分け

公務員が勤める自治体や省庁は「会社」ではありません。
組織の種類に合わせて、下の表の通り正しい言葉を選びましょう。
| 組織形態・雇用形態 | 入職(着任)表記 | 退職表記 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 地方自治体(市役所・県庁等) | 入庁 | 退職 / 辞職 / 退庁 | 「〇〇市役所 入庁」が最も標準的。退庁は退勤の意味もあるため「退職」が無難。 |
| 中央省庁(国家公務員) | 入省 / 採用 | 退職 / 辞職 | 省庁名とともに「〇〇省 採用(一般職)」など試験区分を添えると明確。 |
| 公立学校・警察・消防 | 奉職 / 着任 / 採用 | 退職 / 辞職 | 「奉職」は伝統的な表現。「着任」「採用」も違和感なく使用可能。 |
| 公立病院・医療機関 | 入職 / 勤務 | 退職 | 医療機関全般で共通して「入職・退職」が広く用いられる。 |
| 非常勤・会計年度任用職員 | 臨時職員として採用 / 勤務 | 任期満了により退職 | 雇用形態を明記し、契約満了による退職であることを正確に記す。 |
3.公務員の履歴書|異動が多い人の職歴欄の書き方
公務員は2〜3年ごとに異動があり、勤続10年で6〜8ヶ所に及ぶことも珍しくありません。
すべて書くと読みにくくなるため、次の手順で整理しましょう。
- 入庁年月と最初の配属先を書く
- 応募先の仕事に関係が深い部署を選んで書く
- 関係の薄い部署は「同庁 ほか〇部署にて行政事務に従事」とまとめる
- 出向経験は「〇〇財団へ出向」「〇〇県庁へ帰任」と書く
- 詳しい実績は職務経歴書に書く(履歴書はあらまし、職務経歴書は詳細)
公務員の履歴書 職歴欄の記載例
上記の手順に沿って書くと、職歴欄は次のようになります。

入庁時の配属先と、応募先に関連する主要な経験だけを個別に書き出し、それ以外の部署はまとめて記載しているのがポイントです。
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職歴欄に書ききれないほど異動が多い方は、こちらも参考になります。
「履歴書の職歴が書ききれない!「省略OK」の境界線と解決の技」の記事では、省略してよい範囲について解説します。
4.公務員試験の履歴書|志望動機・自己PRの書き方
公務員試験の志望動機では、以下の2段階の「なぜ」が問われます。
- なぜ民間企業ではなく公務員なのか(公務員という働き方そのものへの動機)
- なぜ数ある自治体・省庁の中でこの組織なのか(志望先そのものを選んだ理由)
次の2つ方法を組み立てて、書いてみましょう。
①履歴書の志望動機はPREP法で書く
志望動機は「PREP法」で組み立てましょう。

- 結論:成し遂げたい目標(例:〇〇市の子育て支援を良くしたい)
- 理由:そう思ったきっかけ(ボランティア活動、地域での経験など)
- 具体例:志望先の政策への理解と、自分の強みの活かし方
- 結び:採用後の意気込み
書き方のポイントとNGパターン
| 評価項目 | 書き方のポイント | 避けたいNGパターン |
|---|---|---|
| なぜ公務員か | 「公共性」「地域貢献」を軸に、自治体固有の課題や施策に触れる | 「雇用が安定している」等の消極的理由のみ |
| 自治体・省庁を選んだ理由 | その自治体ならではの取り組みを具体的に挙げる | 「地元だから」だけで具体性がない |
志望動機の例文(PREP法)
上記のポイントを踏まえた記入例です。自分の経験や志望先の施策に合わせて内容を置き換えてご活用ください。
私は、子育て世帯が安心して働ける環境づくりに携わりたいと考え、貴市を志望しました。(結論)
学生時代に地域の学童保育でボランティアを行った際、共働き家庭の多くが預け先不足に悩んでいる現状を知り、行政の立場から支援体制を整える必要性を強く感じたことがきっかけです。(理由)
貴市が進めている子育て支援の取り組みに強く共感しており、住民との対話を大切にしながら、保護者のニーズを丁寧に汲み取り、政策の実現に貢献したいと考えています。(具体例)
入庁後は、現場の声に耳を傾けながら、粘り強く課題解決に取り組んでまいります。(結び)
②履歴書の自己PRはSTAR法で書く

自己PRは「STAR法(状況→課題→行動→結果)」で伝えます。
公務員は1人で目立つ成果より、次の特性が重視されます。
- 公務員は協調性や粘り強さ
- 国家公務員は広い視野
- 地方公務員は地域密着の姿勢
書き方のポイントとNGパターン
| 評価項目 | 書き方のポイント | 避けたいNGパターン |
|---|---|---|
| 自己PR・強み | 事務処理能力、協調性、合意形成力を提示 | 個人プレーの強調、規範意識を疑わせる表現 |
自己PRの例文(STAR法)
上記のポイントを踏まえた記入例です。自分のエピソードに置き換えてご活用ください。
大学のゼミ活動で、地域の商店街活性化イベントの企画運営に取り組みました。(状況)
参加メンバーの間で意見がまとまらず、企画が停滞してしまったことが課題でした。(課題)
そこで、メンバー一人ひとりに個別ヒアリングを行い、共通する要望を整理したうえで、全員が納得できる折衷案を提案しました。意見が対立する場面でも、一つひとつの理由を丁寧に確認しながら、粘り強く合意形成を進めました。(行動)
最終的に企画がまとまり、イベントを無事に実施することができました。この経験で培った、多様な意見を調整しながら物事を前に進める力は、住民や関係部署と連携する公務員の業務にも活かせると考えています。(結果)
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自己PRの文章作成に自信がない方は、次の記事もおすすめです。
「職務経歴書の自己PRの書き方|真似できる例文&テンプレート」の記事では、そのまま使える例文とテンプレートについて解説します。
5.公務員の履歴書に関するよくある質問

-
履歴書は手書きとパソコン、どちらがよいですか?
-
指定がなければパソコン作成で問題ありません。
ただし公務員試験では手書き指定の場合があるため、募集要項を確認しましょう。
-
「履歴書」と「面接カード」は同じものですか?
-
一般的には別の書類です。
面接カードは志望動機や自己PRを詳しく書く、面接用の書類であることが多いです。
様式は自治体で異なるため募集要項を確認してください。
-
学歴欄はいつから書けばよいですか?
-
一般的には高校入学からです。
自治体の指定があればそちらに従い、なければ厚生労働省の様式例を参考にしてください。
6.公務員の履歴書の書き方まとめ

公務員試験の履歴書では、正しい用語選びと、公共性への理解が伝わる書き方がポイントです。
- 「入庁」「入省」「奉職」など、組織に合わせた正しい用語を使う
- 志望動機はPREP法で、「公共性」「地域貢献」への思いを論理的に伝える
- 自己PRはSTAR法で、協調性や粘り強さが伝わる具体例を示す
それぞれのポイントを押さえて、自分らしさが伝わる履歴書を作りましょう。