急に履歴書が必要になったけれど、証明写真機に行く時間がない。そんな時、スマートフォンのカメラで撮影した写真を使っても良いのでしょうか。
結論から言うと、適切なマナーと手順を守れば、スマホで撮影した写真でも全く問題ありません。
採用担当者は、写真の撮影場所よりも、そこに写る応募者の清潔感や真摯な態度を重視しています。大切なのは、道具が何であるかよりも、「採用担当者への配慮」という視点です。
この記事では、スマホで手軽に、かつ採用担当者に好印象を与えるプロフェッショナルな証明写真を作成するための全手順を、具体的な注意点とともに解説します。
- スマホ写真が履歴書で問題ない理由と基本ルール
- 採用担当者に好印象を与えるための具体的な撮影ポイント
- 撮影した写真データのサイズ調整から印刷・添付までの方法
1.履歴書の写真はスマホで撮影したものでも問題ない

採用担当者は「写真の撮り方」より「清潔感とマナー」を見ている
履歴書の写真は、応募者の第一印象を決定づける重要な要素です。
しかし、採用担当者は「証明写真機で撮ったか、スマホで撮ったか」ということ自体を問題にしているわけではありません。
最も重視しているのは、写真から伝わる「清潔感」や「誠実さ」、そして「ビジネスマナーを守れる人物か」という点です。
たとえスマホで撮影した写真でも、背景や服装、表情といった基本マナーが守られていれば、十分にポジティブな印象を与えられます。
逆に、証明写真機で撮影しても、寝ぐせがついていたり、スーツがよれていたりすれば評価は下がってしまうでしょう。
スマホ写真のメリット・デメリット
2.まずは基本を押さえる!履歴書の写真の正しいサイズと基本ルール
一般的な履歴書(印刷用)のサイズ:縦40mm × 横30mm
市販の履歴書や、印刷して提出する場合の証明写真の基本サイズは「縦40mm × 横30mm」です。
これは最も一般的なサイズであり、このサイズで作成しておけば間違いありません。
厚生労働省が運営するハローワークのウェブサイトでも、応募書類の作成ガイドが公開されており、基本的なマナーを学ぶ上で参考になります。
参考:ハローワークインターネットサービス – 応募書類の作り方
Web履歴書・データ提出用の推奨サイズとファイル形式
Web履歴書やメールでデータを提出する場合、企業からサイズの指定がなければ「縦600px × 横450px」(縦4:横3の比率)あたりが一般的です。データ容量は2MB以内が望ましいでしょう。
ファイル形式は、JPG(.jpg)またはPNG(.png)が一般的です。応募先の指定を必ず確認してください。
有効期限は3ヶ月以内が原則
履歴書に貼る写真は、撮影から3ヶ月以内(長くても6ヶ月以内)のものを使用するのがマナーです。
髪型や体型が大きく変わっている写真は、現在の本人と印象が異なり、本人確認の役割を果たせなくなるため避けましょう。
3.スマホで好印象な証明写真を撮影する5つのポイント
①服装:スーツかオフィスカジュアルで清潔感を
服装は応募先の業界や社風に合わせますが、基本は黒や紺のスーツが無難です。
インナーは白のシャツやブラウスを選び、シワや汚れがないか事前に確認しましょう。清潔感が何よりも大切です。
②背景:白か青、水色の無地が基本
背景は、白、青、水色の無地の壁を選びましょう。柄やポスターなどが映り込まないように注意してください。
適切な壁がない場合は、白いシーツや画用紙を背景にするのも一つの方法です。
③表情と髪型:口角を上げ、顔がはっきり見えるように
表情は歯を見せずに、口角を少しだけ上げる「微笑み」を意識します。髪型は、前髪が目にかからないようにし、顔の輪郭がはっきりと見えるように整えましょう。
④撮影場所と光:明るい場所で自然光を利用する
撮影は、日中の明るい室内で、窓から差し込む自然光を利用するのがおすすめです。
顔に影ができないように、顔全体に光が当たる位置を探しましょう。インカメラは画質が落ちることがあるため、誰かに撮ってもらうか、三脚などを使ってアウトカメラで撮影するのが理想です。
⑤加工:過度な修正はせず、あくまで自然な仕上がりに
アプリでの加工は、明るさの調整や、一時的なニキビやクマを消す程度に留めましょう。輪郭を変えたり、肌を過剰に美白したりする加工は、実物とのギャップを生むため絶対に避けてください。
おすすめアプリ活用術!スマホで写真データを最適なサイズにする方法
証明写真作成におすすめのスマホアプリ
スマートフォンには、撮影した写真を証明写真用に加工できるアプリが多数あります。これらのアプリには、主に以下のような機能が備わっています。
- サイズ指定機能:「履歴書用(40mm×30mm)」など、用途に合わせたサイズテンプレートが用意されています。
- 背景加工機能:背景を自動で認識し、白や青といった証明写真用の色に変更できます。
- 肌補正機能:明るさの調整や、軽微な肌トラブルの補正が可能です。
これらの機能を活用することで、規定に合った写真データを簡単に作成できます。
▼合わせて読みたい
こちらの記事では履歴書写真が撮れるおすすめアプリを5つ紹介していますので参考にしてください。
アプリを使ったサイズ調整とデータ保存の手順
一般的なアプリでは、以下の手順でデータを作成します。
- 撮影した写真、またはアルバム内の写真をアプリに読み込む。
- 「履歴書用」など、サイズを指定する。
- 顔の位置がガイド線に収まるように、写真のサイズや位置を調整する。
- 必要に応じて明るさなどを微調整し、データを保存する。
これで、印刷用やWeb用の写真データが完成します。
4.作成した写真データの使い方【印刷・Web】
コンビニのマルチコピー機で印刷する具体的な手順

作成したデータを印刷する際は、コンビニのマルチコピー機が非常に便利です。
普通紙に印刷すると写真の質が著しく落ちるため、必ず写真用の用紙を選びましょう。
セブン-イレブンでの印刷手順
- スマホに「かんたんnetprint」等のアプリを入れ、印刷したい写真(L判レイアウト済みのもの)をアップロードし、「プリント予約番号」またはQRコードを取得します。
- マルチコピー機のメニューで「プリント」→「ネットプリント」を選択します。
- 予約番号を入力するか、QRコードをかざします。
- プレビューを確認し、料金を投入して「プリントスタート」を押します。
ファミリーマート・ローソンでの印刷手順
- スマホに「PrintSmash」等のアプリを入れるか、ネットワークプリントサービスに写真を登録し、10桁の「ユーザー番号」を取得します。
- マルチコピー機のメニューで「プリントサービス」→「ネットワークプリント」を選択します。
- ユーザー番号を入力します。
- ファイルを選び、用紙を「写真用紙」→「L判」に設定。料金を投入してプリントします。
WordやExcelで作成した履歴書にデータを貼り付ける方法
パソコンで作成した履歴書ファイルには、以下の手順でデータを貼り付けます。
- メニューから「挿入」→「画像」を選択し、作成した写真データを選ぶ。
- 写真の上で右クリックし、「文字列の折り返し」を「前面」に設定する。
- 写真のサイズを、指定された枠内に収まるように調整する。
転職サイトなどのWeb履歴書に登録する方法

多くの転職サイトでは、マイページやプロフィール編集画面に写真アップロード機能があります。
「写真を選択」や「アップロード」といったボタンを押し、保存した写真データを選べば登録が完了します。
5.履歴書の写真に関するQ&A

サイズを間違えた場合はどうすればいい?
写真が枠より大きい場合は、枠に合わせてきれいにカットすれば問題ありません。
小さい場合は不格好に見えるため、撮り直すか、正しいサイズで印刷し直すことを強く推奨します。
写真の裏には名前を書くべき?
万が一写真が剥がれてしまった場合に備え、写真の裏には氏名を記入しておくのが丁寧なマナーです。油性の細いペンで記入しましょう。データで提出する場合は不要です。
アルバイト・パートの履歴書でも同じルール?
基本的には同じルールです。どのような雇用形態であっても、丁寧な書類作成を心がけることで、仕事に対する真摯な姿勢を示すことができます。
6.まとめ
履歴書の写真をスマホで作成することは、特別なことではありません。
重要なのは、証明写真機を使うかどうかではなく、応募先の企業や採用担当者への配慮を忘れず、一つ一つの手順を丁寧に行うことです。
服装や背景、表情といったマナーを守り、正しいサイズでデータを作成・印刷すれば、スマホで作成した写真でも、十分にあなたの魅力を伝えることができます。
この記事を参考に、自信を持って応募書類を準備してください。