パートの仕事を探す上で避けて通れない履歴書。
「ブランク期間はどう書けばいい?」「本人希望欄にはどこまで書くべき?」など、パートならではの疑問や不安をお持ちではありませんか?
この記事では、採用担当者の視点を踏まえ、自身の魅力がしっかりと伝わる履歴書の書き方を、見本を交えながら解説していきます。
- パートの履歴書作成に必要な準備から、各項目の基本的な書き方
- 採用担当者が特に注目する3つの重要アピールポイント
- ブランク期間や主婦(主夫)経験を「強み」に変える方法
1.まずはここから!パート用履歴書作成の基本と準備

履歴書を書き始める前に、基本的なルールと必要なものを確認しておきましょう。
第一印象で損をしないための大切なステップです。
履歴書はどこで手に入れる?(無料テンプレートも紹介)
履歴書は、コンビニエンスストア、スーパー、文房具店、100円ショップなどで購入できます。
また、パソコンで作成する場合は、インターネット上からテンプレートをダウンロードするのが便利です。
特にこだわりがなければ、厚生労働省が推奨・公開している様式の利用がおすすめです。JIS規格のものなど、様々な種類がありますが、パート応募では基本的にどの形式を使っても問題ありません。
出典:厚生労働省履歴書様式例
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手書き?パソコン作成?どちらが有利?
結論から言うと、どちらでも有利不利はほとんどありません。
手書きの場合は丁寧な字で書くことで、誠実さや温かみが伝わりやすくなります。
一方、パソコン作成は、読みやすく修正も簡単な点がメリットです。応募先から指定がない限りは、ご自身が作成しやすい方法を選びましょう。
ただし、事務職などパソコンスキルが求められる職種の場合は、パソコンで作成した方がスキルのアピールに繋がる場合があります。
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これだけは揃えたい!必要なものリスト(写真・筆記用具など)
履歴書作成をスムーズに進めるために、以下のものを事前に準備しておきましょう。
2.【項目別】パート履歴書の書き方見本と注意点

ここからは、各項目の具体的な書き方を見本とともに解説します。
一つひとつ丁寧に進めていきましょう。
①基本情報欄(日付・氏名・住所・連絡先)
日付は、提出日(郵送なら投函日、持参なら持参日)を記入します。氏名や住所は戸籍や住民票の通りに正確に、フリガナも忘れずに記入しましょう。
連絡先は、日中最も連絡がつきやすい電話番号とメールアドレスを記載します。
②証明写真(第一印象を良くするマナーとコツ)
写真はあなたの第一印象を左右する重要な要素です。
清潔感のある服装(できればジャケット着用)を心がけ、明るく自然な表情で撮影しましょう。
スピード写真でも問題ありませんが、写真館で撮影するとより質の高い写真を用意できます。
写真の裏には、はがれても誰のか分かるように氏名を記入しておくのがマナーです。
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証明写真を撮りに行く時間がない方は自宅で撮れるアプリもおすすめです。
③学歴・職歴欄(ブランク期間の上手な伝え方)
学歴は、義務教育は卒業年次のみ、高等学校以降は入学・卒業年次を両方書くのが一般的です。
職歴は、すべての入社・退社歴を時系列で書きます。
パートやアルバイト歴も立派な職歴ですので、応募先に活かせる経験であれば積極的に記入しましょう。職歴の最後に「現在に至る」と書き、その一行下に「以上」と右寄せで記入します。
④免許・資格欄(仕事に活かせるアピール方法)
免許・資格は、取得した順に正式名称で記入します。
応募する仕事に関連するものはもちろん、一見関係なさそうなものでも、あなたの学習意欲や人柄を伝える材料になります。特にアピールしたいものがなければ「特になし」と記入しても構いません。
⑤志望動機欄(熱意と貢献意欲を伝える例文)
「なぜこの職場で働きたいのか」を伝える重要な項目です。
「家が近いから」だけでなく、「お店の雰囲気が好き」「これまでの〇〇の経験を活かせると思った」など、その企業・店舗ならではの理由を具体的に伝えましょう。
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⑥本人希望記入欄(扶養内・時間など希望の伝え方)
勤務時間や曜日など、譲れない条件がある場合に記入します。
特に希望がなければ「貴社規定に従います。」と書くのが一般的です。
扶養内での勤務を希望する場合は、「扶養控除内での勤務を希望します。」と明確に記載しておくと、後のミスマッチを防げます。
3.採用担当者はここを見ている!パート応募の3大ポイント

数多くの応募書類の中から「この人に会ってみたい」と思わせるためには、特に以下の3つのポイントを意識することが大切です。
ポイント1:あなたらしさが伝わる「志望動機」
志望動機は、あなたのやる気と人柄を伝える絶好のチャンスです。
企業のホームページを見たり、実際にお店を利用したりして感じた魅力を盛り込み、「なぜ他ではなく、ここで働きたいのか」を自分の言葉で伝えましょう。
「子育てで培った段取り力を活かして、忙しい時間帯でも効率的に業務をこなせると考えております」のように、これまでの経験と仕事を結びつけると、より説得力が増します。
ポイント2:後のトラブルを防ぐ「本人希望欄」
本人希望欄は、労働条件に関する重要な意思表示の場です。
社会保険労務士の視点からお伝えすると、ここで記載した内容は、採用後の労働契約の前提となります。勤務日数や時間帯、扶養内希望など、譲れない条件は簡潔かつ明確に記載しましょう。
ただし、希望が多すぎると「条件が合わない」と判断される可能性もあるため、優先順位の高いものに絞ることが賢明です。
ポイント3:ブランクを強みに変える「職歴」のアピール
「専業主婦(主夫)の期間が長くて…」とブランクを不安に思う必要は全くありません。
キャリアコンサルタントとして断言しますが、その期間に培った経験は大きな強みになります。
例えば、「PTA活動で培った調整能力」「家計管理で身につけた数字への意識」なども、立派なアピールポイントです。
職歴欄の最後に自己PR欄を設けるなどして、仕事に活かせるスキルとして具体的に伝えましょう。
4.パート履歴書のよくある質問Q&A

最後に、パートの履歴書に関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 短期間で辞めたパート歴も書くべきですか?
A. 基本的には正直にすべて記入するのが望ましいです。
もし短期間での離職を懸念される場合は、志望動機などで「今後は長期的に貢献したい」という意欲を伝えることで、不安を払拭できます。
Q. アピールできる資格が何もありません…
A. 心配いりません。資格がないからといって、不利になることはほとんどありません。
資格欄は「特になし」と記入し、その分、志望動機や自己PRであなたの経験や仕事への熱意を具体的に伝えましょう。
Q. 履歴書を入れる封筒の書き方や提出マナーは?
A. 封筒の表面に赤字で「履歴書在中」と書き、裏面には自分の住所と氏名を記入します。
履歴書はクリアファイルに入れてから封筒に入れると、汚れや折れを防げます。
郵送の場合は〆切に余裕を持って投函し、持参する場合は受付の方に「〇〇の募集で応募いたしました、〇〇と申します。採用ご担当者様はいらっしゃいますでしょうか」と丁寧に挨拶をして手渡しましょう。
5.自信を持って、あなたらしい働き方への一歩を踏み出そう
履歴書作成は、あなた自身の経験や強みを再発見する良い機会です。
一見仕事とは関係ないと思える経験も、視点を変えれば必ず仕事に活かせる「強み」になります。
この記事でご紹介したポイントを参考に、あなたの魅力が伝わる履歴書を作成し、自信を持って希望の仕事への一歩を踏み出してください。応援しています。