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【飲食・正社員】志望動機の書き方・例文5選|タイプ別に解説

飲食業界で正社員としてキャリアを築きたい。

そう決意して求人を探し始めたものの、いざ志望動機を書こうとすると…

アルバイトの時と、何を変えればいいのだろう。

このように手がとまってしまうことありませんか?

この記事では、採用担当者の視点を踏まえた志望動機の作り方を3つのステップで解説します。

経験者・未経験者別の豊富な例文も参考にすれば、自身のキャリアプランと熱意が伝わる、説得力のある志望動機が完成します。

この記事を読んでわかること
  • 正社員とアルバイトで決定的に違う、志望動機で伝えるべき視点
  • あなたの強みを「事業への貢献」に繋げるための、具体的な3ステップ
  • 未経験・経験者・店長候補など、状況別にそのまま使える豊富な例文
目次

1.なぜ飲食店の「正社員」の志望動機は、より深く問われるのか

なぜ飲食店の「正社員」の志望動機は、より深く問われるのか

正社員の採用は、企業にとって長期的な投資です。

だからこそ、採用担当者派の応募者の「未来へのポテンシャル」を厳しく見ています。

アルバイトの応募と同じ感覚で志望動機を考えると、その期待に応えることは難しいでしょう。

アルバイトとの役割の違いとは?求められる「経営視点」

アルバイトスタッフに主に求められるのが、指示された業務を正確にこなす「実行力」であるのに対し、正社員には「どうすればもっとお店が良くなるか」を考え、行動する「経営視点」が求められます。

売上や利益への意識、後輩スタッフの育成、新たなサービスの提案など、お店の成長に当事者として関わる姿勢が不可欠です。

採用担当者は「キャリアプラン」と「覚悟」を見ている

採用担当者は、あなたの志望動機から「この会社で、どのように成長し、貢献し続けてくれるのか」という具体的なキャリアプランを読み取ろうとしています。

そして、飲食業界の厳しさも理解した上で、腰を据えて長く働いてくれる「覚悟」があるかどうかも見極めています。

その覚悟を示すためにも、なぜこの店でなければならないのか、という強い想いを伝えることが重要です。

2.飲食業界の将来性と正社員としてのキャリアパス

「飲食業界はこれからどうなるのだろう?」正社員として長期的なキャリアを考える上で、業界の将来性に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、飲食業界は今、大きな変化の渦中にあり、そこには新しいチャンスが生まれています公的なデータをもとに、その将来性と、正社員だからこそ描けるキャリアパスについて見ていきましょう。

市場は回復基調へ。変化に対応できる人材が求められる

一時期は厳しい状況に直面した飲食業界ですが、公的なデータはその回復を示しています。

例えば、一般社団法人日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査」によれば、外食産業全体の売上は回復傾向にあります

また、経済産業省の「飲食関連産業の動向」を見ても、デリバリーやテイクアウトといった新たなサービス形態が消費者に定着し、市場構造そのものが変化・拡大していることがわかります。

これは、単にコロナ禍以前に戻るのではなく、デジタル技術を活用した新しいサービス(モバイルオーダー、予約管理システムなど)や、多様化する顧客ニーズに応える力が不可欠になっていることを意味します。

このような変化の時代だからこそ、主体的に学び、新しいスキルを身につけようとする人材の価値は、これまで以上に高まっているのです。

参考
一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」
経済産業省「飲食関連産業の動向(フード・ビジネス・インデックス:FBI)」

店長がゴールではない!多様なキャリアステップ

正社員として入社した後、どのようなキャリアを歩めるのでしょうか。

店長を目指すのは代表的な道ですが、それは決してゴールではありません。企業規模にもよりますが、現場での経験を活かした多様なキャリアパスが広がっています。

キャリアパスの一例

  • 店舗マネジメント職:一般社員 → 副店長 → 店長 → エリアマネージャー → 統括部長
  • 本部専門職:商品開発、マーケティング、広報、人事・採用、店舗開発、DX推進担当
  • 独立・開業:自身の店舗を持つという夢を実現する道

例えば、現場での経験を活かして、全店舗の売上を管理・分析するマーケティング職に就いたり、スタッフの採用や育成を担う人事職に進んだりすることも可能です。

大切なのは、日々の業務の中で自分の強みや興味を見極め、「将来的には〇〇の分野で会社の成長に貢献したい」というビジョンを持つことです。

変化の激しい業界だからこそ、あなた自身のキャリアプランを描き、主体的に行動することが、未来を切り拓く鍵となるのです。

3.飲食店の正社員に!採用担当者に響く志望動機作成の3ステップ

あなたの志望動機を「キャリア戦略を示す事業計画書」へと変えるための、3つのステップをご紹介します。

Will-Can-Mustというフレームワークに沿って思考を整理していきましょう。

Will-Can-Must

提案文例

  • Will(自分の意志):なぜこの仕事がしたいのか?という情熱の源泉
  • Can(できること):どんなスキルや経験で貢献できるのか?
  • Must(企業からの期待):会社は何を求めているのか?

ステップ1:あなたの「食」への情熱の原点を探る(Will)

まず、あなたが「成し遂げたいこと(Will)」、つまり「なぜ飲食の仕事で、正社員としてキャリアを築きたいのか」という情熱の源泉を掘り下げます。

たとえば、過去の体験で、誰かの「おいしい」という笑顔に救われた経験、食を通じて人を幸せにしたいと強く感じた瞬間などを思い出し、あなたの仕事における「軸」を明確にしましょう。

ステップ2:スキルを棚卸しする(Can)- 経験者・未経験者別に解説

次に、あなたが「できること(Can)」、つまりお店に貢献できるスキルを客観的に洗い出します。

経験者の場合

調理技術や接客スキルはもちろん、「新人教育を任され、離職率を改善した」「売上データを分析し、新メニュー開発を提案した」など、具体的な実績を数値で示せると非常に強力です。

未経験者の場合

前職で培ったスキルを飲食業にどう活かせるかを考えます。

例えば、「営業職で培ったコミュニケーション能力」は接客に、「事務職で身につけた正確な計数管理能力」は在庫管理や売上分析に活かせるはずです。

これを業種や職種が変わっても持ち運びができるスキル、という意味で「ポータブルスキル」と呼びます。

前職のスキルがどう活かせるか分からない場合は、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」で、飲食関連の職種(調理師、ウェイターなど)に求められるスキルを確認してみるのも有効です。

こちらの記事では志望動機が作成できるツールを紹介しています。

AIを活用し、たたき台を作ることで効率的に志望動機が作成できますよ。

志望動機作成ツール比較10選|AIで人事に響く文章を作る戦略
志望動機作成ツール比較10選|AIで人事に響く文章を作る戦略
この記事では、単なるツール紹介に終わらず、AIを自己分析を深める「思考のパートナー」として戦略的に活用する方法を解説します。
https://riretsuku.jp/media/contents/choice-motive-making-tool/

ステップ3:企業の理念と自分の未来を繋げる(Must)

最後に、企業があなたに「求めること(Must)」と、あなたのWillとCanを繋げます。企業のウェブサイトを読み込み、経営理念や事業戦略を深く理解しましょう。

そして、「貴社の〇〇という理念に共感した。私の△△というスキルを活かせば、貴社の□□という課題解決に貢献し、将来的には××というキャリアを実現したい」というように、あなたを採用することが、企業とあなたの双方にとってメリットのある未来に繋がることを論理的に示します。

4.【経験・状況別】飲食店の正社員を目指す志望動機 例文5選

履歴書を書く

ここからは、上記の3ステップを踏まえた具体的な志望動機の例文を、応募者の状況別にご紹介します。

【未経験者向け】異業種で培ったポータブルスキルをアピールする例文

私が貴社を志望する理由は、徹底した顧客目線で「食の感動体験」を追求する姿勢に深く共感し、自身の営業経験を活かしてその価値向上に貢献したいと考えたからです。

前職のIT業界では、常にお客様の潜在的なニーズを先読みし、期待を超えるソリューションを提案することで、3年間連続で目標達成率150%を維持してまいりました。

この「課題発見力」と「提案力」は、お客様一人ひとりに合わせた最適なサービスを提供する上で必ず活かせると確信しております。

未経験の分野ではございますが、一日も早く調理や店舗運営の知識を吸収し、将来的にはお客様の声を分析してサービス改善やメニュー開発を牽引できる人材になりたいです。

【経験者向け】即戦力としての実績と貢献意欲を示す例文

5年間のレストラン勤務で培ったホールマネジメントの経験を活かし、より高いレベルの店舗運営に挑戦したいと考え、人材育成に特に力を入れておられる貴社を志望いたしました。

前職では、アルバイトスタッフの教育担当として、接客マニュアルの改訂や1on1ミーティングの導入に尽力し、担当店舗の離職率を20%改善した実績がございます。

貴社の充実した研修制度の下で自身のマネジメントスキルをさらに磨き、スタッフ一人ひとりが誇りを持って働ける店舗づくりに貢献したいです。

そして、将来的にはエリアマネージャーとして、貴社のさらなる事業拡大の一翼を担うことが私の目標です。

【店長候補向け】マネジメント視点を盛り込んだ例文

私は、店長として店舗の売上と人材育成の両面に責任を持ち、地域で最も愛される店を創り上げたいという強い想いから、貴社の店長候補ポジションを志望いたしました。

現職の居酒屋では副店長として、売上管理、FLコスト管理、販促企画の立案・実行まで幅広く担当し、昨年は前年比115%の売上増を達成いたしました。

特に、近隣のオフィスワーカー向けに企画したランチセットが成功し、夜間の集客にも繋がった経験は、私の大きな自信となっております。

これまでの経験で培った数値管理能力と課題解決能力を活かし、貴店の店長として、早期の黒字化と持続的な成長を実現することをお約束いたします。

【第二新卒向け】ポテンシャルと学習意欲をアピールする例文

私が貴社を志望する理由は、「食」という普遍的な価値を通じて、人々の生活に直接的な喜びと彩りを提供できる仕事に、腰を据えて長く挑戦したいと考えたからです。

前職は1年間と短い期間でしたが、社会人としての基本的なビジネスマナーと、目標達成に向けた強い責任感を学びました。

学生時代のカフェでのアルバイト経験で培った、お客様の笑顔をやりがいと感じるホスピタリティ精神には自信があります。

貴社の体系的な研修制度の下で、一から専門知識とスキルを貪欲に吸収し、将来的には店舗運営の中核を担う人材へと成長することで、貴社に貢献していきたいです。

【アルバイトから正社員を目指す場合】

ホールスタッフとして3年間、アルバイトとして勤務させていただく中で、お客様の「美味しかったよ、また来るね」という言葉に何度も励まされ、このお店の価値をさらに高めていく一員になりたいと強く思うようになりました。

正社員として、これまで以上に責任ある立場で店舗運営に関わりたいです。

特に、新人スタッフの教育に力を入れ、チーム全体の接客レベルを底上げすることで、リピート率の向上に貢献したいと考えております。

〇〇店長のような、常にお客様とスタッフ双方に気を配れるリーダーになることが目標です。

5.これは避けたい!飲食・正社員の志望動機におけるNG例

これはNG!避けるべき志望動機と注意点

熱意が空回りし、評価を下げてしまう可能性のある志望動機もあります。特に以下の3点には注意しましょう。

将来性のない「お客様目線」だけの志望動機

「貴店のお料理が大好きだから」「お店の雰囲気が気に入っているから」という理由は、お客様としての感想に過ぎません。

その素晴らしい料理や雰囲気を、今度は自分が「提供する側」として、どのように守り、発展させ、事業の利益に繋げていけるのかという視点がなければ、正社員としての資質を疑われてしまいます。

待遇や労働条件を前面に出しすぎる

「安定した正社員になりたい」「福利厚生が充実しているから」といった条件面が志望動機の中心になると、「うちの会社でなくても良いのでは?」と思われてしまいます。

もちろん生活の安定は重要ですが、それはあくまで結果です。

まずは、その会社で何を成し遂げたいのかという貢献意欲を先に示しましょう。

どのお店にも当てはまる抽象的な内容

「飲食業で人を笑顔にしたい」「コミュニケーション能力を活かしたい」といった言葉は、具体性に欠けます。

なぜ同業他社ではなく、「この会社」の理念や事業に惹かれたのか、あなたのスキルを「この会社」でどのように活かせるのかを、あなた自身の言葉で具体的に語ることが不可欠です。

6.どうしても志望動機が書けない…そんな時の思考のヒント

もし筆が止まってしまったら、それは自己分析が足りていないサインかもしれません。

そんなときは一人で考え込まず、転職エージェントのキャリアアドバイザーなど、第三者に相談してみることをお勧めします。

客観的な視点であなたの経験を棚卸ししてもらうことで、自分では気づかなかった強みや、企業との思わぬ接点が見つかることがあります。

あなたのキャリア戦略を明確にし、自信を持って次の一歩を踏み出してください。

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