職場の飲み会に気乗りがしないものの「角が立つことを懸念して断りづらい」と感じることはないでしょうか。
この記事では、人間関係を壊さずに、誠実に自分の状況を伝えるための断り方の基本原則と、相手や状況に合わせた具体的な例文を詳しく解説します。
- 7割以上の人が「飲み会に行きたくない」と感じている事実
- 人間関係を壊さない、断り方の3つの基本原則
- 相手や状況別にそのまま使える、断り方の具体的な例文集
1.「飲み会に行きたくない…」7割以上が感じる“断りづらさ”の正体

「職場の飲み会」と聞いて、心から楽しみに思える人もいれば、正直少し気が重いと感じる人もいるでしょう。
実は、そう感じるのは決して少数派ではありません。
ある調査では、実に73.6%もの人が「職場の飲み会に行きたくない」と感じているというデータもあります。
多くの人が、業務時間外まで気を遣うことや、プライベートな時間を大切にしたいと考えています。
しかし、同時に「断ったら人間関係が悪くなるかもしれない」「付き合いが悪いと思われたくない」という不安、いわゆる“断りづらさ”を感じているのも事実です。
大切なのは、飲み会を断ること自体に罪悪感を覚える必要はない、と理解することです。
その上で、相手への配慮を忘れず、誠実なコミュニケーションを心がけることが、良好な人間関係を維持する鍵となります。
出典:【職場の飲み会に行きたくない理由ランキング】社会人500人アンケート調査|PR TIMES
2.【最重要】人間関係を壊さない!断り方の3つの基本原則

上手な断り方の本質は、巧妙な嘘をつくことではありません。
「誘いを拒絶する」のではなく、「今回は参加できないが、良好な関係は続けたい」というメッセージを伝えることにあります。
そのために、以下の3つの原則を意識しましょう。
原則1:誘ってくれたことへの「感謝」をまず伝える
断りの言葉を伝える前に、まずは「お誘いいただき、ありがとうございます」と、声をかけてくれたことへの感謝を伝えましょう。
この一言があるだけで、相手は「自分のことを無視されたわけではない」と感じ、心理的な壁を作らずに話を聞いてくれます。
原則2:「残念な気持ち」や「参加したい意思」を示す
次に、「残念ですが」「今回は見送らせていただきます」「ぜひ参加したかったのですが」といった、クッション言葉を使いましょう。
参加できないことへの残念な気持ちや、本来は参加したいという意思を示すことで、誘いを軽んじているわけではないという姿勢が伝わります。
原則3:今後の関係性につながる「代替案」を添える
断りっぱなしで終わらせず、「また次の機会にぜひ誘ってください」「ランチならご一緒できますので、また声をかけてください」のように、今後の関係につながる一言を添えると、より丁寧な印象になります。
必須ではありませんが、特に今後も良好な関係を築きたい相手には効果的です。
3.【相手・状況別】そのまま使える!飲み会の断り方 例文集
ここからは、具体的なシーンでそのまま使える断り方の例文を、理由別・相手別・状況別にご紹介します。
【理由別】基本の断り方(家庭の用事・先約・体調不良など)
家庭の用事を理由にする場合
「お誘いありがとうございます。大変申し訳ないのですが、その日は子どものお迎えがあり、参加が難しいです。またの機会にぜひお願いします」
先約を理由にする場合
「ありがとうございます。あいにくその日は以前からの約束がありまして…。残念ですが、今回は見送らせていただきます」
体調不良を理由にする場合
「お誘いいただき嬉しいのですが、少し風邪気味でして、皆さんにうつしてしまうと申し訳ないので、今回は辞退させていただきます」
【相手別】上司や先輩から誘われた場合の断り方
上司や先輩から誘われた場合は、より丁寧な対応を心がけましょう。
基本原則は同じですが、「大変恐縮ですが」といった、より丁寧なクッション言葉を挟むのがポイントです。
「〇〇部長、お誘いいただきありがとうございます。
大変恐縮なのですが、その日はかねてより約束があり、参加することができません。またぜひ、次の機会にお声がけいただけますと幸いです」
【状況別】当日に急遽断らなければならない場合
やむを得ず当日に断る場合は、まず「直前の連絡で大変申し訳ありません」と、謝罪の言葉を最初に伝えましょう。理由を正直に、かつ簡潔に伝えることが大切です。
「本日の飲み会の件、直前の連絡となり大変申し訳ありません。急な家庭の事情ができてしまい、どうしても参加することができなくなってしまいました。
皆様にもよろしくお伝えいただけますでしょうか」
【ツール別】メールやチャットで伝える際のポイント
メールやチャットで断る場合も、基本の3原則は変わりません。
対面よりも少し丁寧な言葉遣いを意識し、感謝と残念な気持ちが伝わるようにしましょう。
件名:〇月〇日の飲み会の件(自分の氏名)
本文:
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
この度は飲み会にお誘いいただき、誠にありがとうございます。
ぜひ参加したかったのですが、あいにく先約があり、今回は参加が難しい状況です。
大変申し訳ございません。
また次の機会がございましたら、ぜひお声がけいただけますと幸いです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
これは避けたい!評価を下げかねないNGな断り方

良かれと思って取った行動が、かえって相手に不誠実な印象を与えてしまうこともあります。以下のような断り方は避けましょう。
曖昧な返事で回答を先延ばしにする
「行けたら行きます」といった曖昧な返事は、幹事の人数調整を困らせてしまいます。
参加の可否は、できるだけ早く明確に伝えましょう。
誘いを無視したり、無返答だったりする
断りづらいからといって、返信をしないのは最も失礼な対応です。社会人としてのマナーを疑われてしまう可能性もあります。
すぐにバレるような嘘をつく
その場しのぎの嘘は、後で発覚した際に信頼を大きく損なう原因になります。
SNSなどで自身の行動が意図せず伝わってしまう可能性も考慮しましょう。
正直に「所用のため」「家庭の事情で」など、詳細はぼかしつつも嘘ではない理由を伝える方が、長期的な信頼関係のためには賢明です。
4.飲み会不参加で評価が下がる?知っておきたい職場のルール

そもそも、業務時間外に行われる飲み会への参加は、法的には完全に任意であり、強制されるものではありません。
不参加を理由に人事評価が下がることは、原則としてあってはなりません。
人事評価はあくまで業務上の成果や貢献度に基づいて行われるべきであり、業務時間外の活動への参加・不参加が直接評価に影響することは、評価の公平性の観点から問題となる可能性があるためです。
しかし、飲み会が重要なコミュニケーションの場として機能している職場も依然として存在します。
大切なのは、飲み会に参加しなくても、普段の業務でしっかりとコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくことです。
真摯な仕事ぶりと丁寧なコミュニケーションがあれば、飲み会に数回参加しなかったからといって、評価が著しく下がることは考えにくいでしょう。
5.上手な断り方は、自分と相手を大切にするコミュニケーションスキル
飲み会を断ることは、決して悪いことではありません。大切なのは、相手への感謝と配慮を忘れずに、誠実な態度で伝えることです。
今回ご紹介した3つの基本原則と具体的な例文が、自分自身の状況や気持ちを大切にしながら、相手とも良好な関係を築くための一助となれば幸いです。