「経験がないから…」と、新しい仕事への挑戦をためらっていませんか。
今の仕事に不満や不安を感じながらも、次の一歩をどう踏み出せばいいか分からず、立ち止まってしまうことは少なくありません。
しかし、未経験からの転職は、決して特別なことではありません。正しい知識と準備があれば、誰にでも可能性があります。
この記事では、未経験からでも挑戦しやすい具体的な仕事を紹介するとともに、自身の強みを見つける自己分析の方法、有利になる資格、そして自信を持って選考に臨むための応募書類作成や面接のコツまで、転職活動の全手順を具体的に解説します。
漠然とした不安を解消し、自信を持って新しいキャリアを歩み始めるための手助けとなれば幸いです。
- データで見る未経験転職の現状と、企業が未経験者を採用する理由
- 未経験からでも挑戦しやすい具体的な仕事の種類とそれぞれの特徴
- 転職を成功させるための自己分析から面接対策までの具体的な5ステップ
1.未経験からの転職、本当に大丈夫?データで見るリアルな現状

「未経験で転職するなんて、無謀だろうか」と感じるかもしれませんが、公的なデータや大手調査機関のデータは、未経験からの挑戦がごく一般的であることを示しています。
まずは客観的な事実を知っていきましょう。
転職は活発化。約半数が「異業種」へ挑戦している
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」によると、2023年の1年間だけで約850万人もの人々が新たな職に就いており、労働市場が非常に流動的であることがわかります。
そして、この活発な市場の中で、多くの人が新しい分野へ挑戦しています。
大手人材サービス会社マイナビの「転職動向調査2023年版」では、実に転職者の47.1%がこれまでの経験とは異なる業種へ転職しているという結果が出ています。
さらに、Indeedの調査でも転職経験者の54.3%が「未経験の職種・業種への転職」を経験していると回答しており、複数の調査が「未経験からの転職は今や当たり前」という事実を裏付けているのです。
参考:
厚生労働省|令和5年雇用動向調査結果
株式会社マイナビ|転職動向調査 2023年版(2022年実績)
Indeed|「未経験転職に関する調査」を実施
企業が未経験者を採用する3つの理由
なぜ多くの企業が未経験者を受け入れているのでしょうか。その背景には、企業側の明確な意図があります。主に以下の3つの理由が挙げられます。
人手不足とポテンシャルの重視
多くの業界、特に成長分野や人手不足が深刻な業界では、経験者だけでは必要な人材を確保できません。そのため、経験よりも人柄や学習意欲、将来性といった「ポテンシャル」を重視する採用が増えています。
新しい視点と柔軟性への期待
経験がないことは、裏を返せば「業界の常識」に染まっていないということです。企業は、未経験者ならではの新しい視点や柔軟な発想が、組織に新しい風を吹き込み、活性化させることを期待しています。
充実した研修制度
多くの企業では、未経験者がスムーズに業務を覚えられるよう、研修制度やサポート体制を整えています。入社後に育てることを前提としているため、現時点でのスキル不足を過度に心配する必要はありません。
2.未経験でもできる仕事おすすめ一覧

ここからは、具体的にどのような仕事が未経験から挑戦しやすいのかを見ていきましょう。
まずは一覧で全体像を掴み、その後に特に注目の職種を詳しく解説します。
未経験でも挑戦しやすい仕事のサマリー表
以下に、未経験者歓迎の求人が多い代表的な仕事をまとめました。
それぞれの仕事に求められる基本的な適性も記載しているので、自分に合いそうな仕事を見つける参考にしてください。
| カテゴリ | 職種名 | 主な仕事内容 | 求められる適性 |
|---|---|---|---|
| 事務・オフィスワーク系 | 一般事務 | データ入力、書類作成、電話・来客応対 | PC基本操作、正確性、丁寧さ |
| 営業事務 | 受発注管理、請求書作成、営業サポート | コミュニケーション能力、調整力 | |
| 経理事務 | 伝票処理、経費精算、月次・年次決算補助 | 数字の正確性、簿記の知識(あれば尚可) | |
| コールセンター | 顧客からの電話応対、問い合わせ対応 | 傾聴力、丁寧な言葉遣い、PC入力スキル | |
| IT・Web系 | ITエンジニア | システム開発、プログラミング、インフラ構築 | 論理的思考力、学習意欲、粘り強さ |
| Webライター | Webサイトの記事作成、コンテンツ制作 | 文章力、情報収集力、構成力 | |
| Webデザイナー | Webサイトのデザイン、コーディング | デザインスキル、創造性、ユーザー視点 | |
| 営業・販売・サービス系 | 営業職 | 自社商品・サービスの提案、顧客フォロー | コミュニケーション能力、目標達成意欲 |
| 販売スタッフ | 接客、商品陳列、レジ業務、在庫管理 | 接客スキル、コミュニケーション能力 | |
| ホテル・宿泊業 | フロント業務、予約管理、コンシェルジュ | 語学力(あれば尚可)、ホスピタリティ | |
| 医療・福祉・介護系 | 介護職 | 高齢者や障がい者の身体介護、生活支援 | 体力、思いやり、コミュニケーション能力 |
| 医療事務 | 受付、会計、レセプト(診療報酬明細書)作成 | 正確性、PCスキル、コミュニケーション能力 | |
| 保育補助 | 保育士のサポート、園児の身の回りのお世話 | 子どもが好き、体力、忍耐力 | |
| 運輸・建設・製造系 | 配送ドライバー | 荷物の集荷・配達、ルート配送 | 運転技術、体力、責任感 |
| 施工管理 | 工事現場の監督、安全・品質・工程管理 | リーダーシップ、調整力、責任感 |
【特に注目】需要が高く、将来性も見込めるおすすめ職種7選
数ある仕事の中でも、特に人手不足で需要が高く、未経験からでもキャリアを築きやすい7つの職種をピックアップして詳しく解説します。
事務職
パソコンの基本操作ができれば、特別なスキルがなくても始めやすいのが事務職の魅力です。
データ入力や書類作成、電話応対などが主な業務で、どんな業界の企業にも必要とされるため求人数も安定しています。MOSなどの資格を取得すると、スキルの証明になり有利に働くことがあります。
ただし、有効求人倍率は0.3倍台(2025年8月時点)と低めのため、競争は比較的激しい職種です。
参考:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和7年8月分)について
ITエンジニア・Web関連職
IT業界は深刻な人手不足が続いており、未経験者を積極的に採用・育成する企業が非常に多い分野です。
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.58倍(2025年8月時点)と高く、売り手市場が続いています。手に職をつけたい、将来性のある分野で働きたいという方に向いています。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」
営業職
企業の売上に直結する重要なポジションですが、学歴や職歴よりもコミュニケーション能力や人柄が重視される傾向があるため、未経験からでも挑戦しやすい仕事です。
営業の有効求人倍率は2.25倍(2025年8月時点)と非常に高く、多くの企業で人材が求められています。
成果がインセンティブとして給与に反映されやすく、高い収入を目指せる可能性もあります。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」
販売・サービス職
アパレル、雑貨、飲食など、人と接することが好きな方に向いている仕事です。
商品販売の有効求人倍率は1.89倍(2025年8月時点)と高く、未経験者向けの求人が常に多くあります。アルバイトから正社員登用を目指せるケースも少なくありません。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」
介護職
高齢化社会の進展に伴い、介護職の需要はますます高まっています。
介護サービスの有効求人倍率は3.49倍(2025年8月時点)と、全職種の中でも特に高い水準です。無資格・未経験から始められる求人が多く、キャリアアップも可能です。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」
施工管理
建設現場全体をまとめる監督役の仕事です。人手不足が深刻なため、未経験者を一から育てる企業が増えています。
建築・土木技術者等の有効求人倍率は6.67倍(2025年8月時点)と極めて高く、強い需要があります。
大規模なプロジェクトを動かすやりがいのある仕事です。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」
配送ドライバー
ECサイトの普及などにより、物流業界は常に人手を必要としています。輸送・機械運転の有効求人倍率は2.07倍(2025年8月時点)と高く、安定した需要が見込めます。
普通運転免許があれば始められる仕事が多く、一人で黙々と作業するのが好きな方に向いています。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」
3.未経験からの転職を成功に導く5つのステップ

やみくもに行動しても、転職活動はうまくいきません。
ここでは、未経験からの転職を成功させるための具体的な5つのステップを解説します。
ステップ1:まずは「未経験」の本当の意味を知る
一口に「未経験」と言っても、実は3つのパターンがあります。そして、どのパターンも決して珍しいことではありません。
マイナビの調査によれば、転職者のうち「異業種へ転職した人」は47.1%、「異職種へ転職した人」は35.6%にのぼります。
- 職種未経験(業界は同じ):同じ業界内で、違う職種に転職する(例:食品メーカーの営業職→経理職)
- 業界未経験(職種は同じ):同じ職種で、違う業界に転職する(例:IT業界の営業職→不動産業界の営業職)
- 職種・業界ともに未経験:全く新しい分野に挑戦する(例:アパレル販売員→ITエンジニア)
自分がどのパターンに当てはまるのかを理解することで、アピールすべき点や、企業が何を見ているのかが明確になります。
参考:株式会社マイナビ|転職動向調査 2023年版(2022年実績)
ステップ2:自己分析で「できること」と「やりたいこと」を明確にする
(できること)
(やりたいこと)
転職活動の土台となるのが自己分析です。これまでの経験を振り返り、「自分に何ができるか(Can)」と「何をやりたいか(Will)」を明らかにしましょう。
特に重要なのが、どんな業界・職種でも通用する「ポータブルスキル」を見つけ出すことです。
例えば、「後輩に仕事を教えていた」経験は「指導力」に、「複数の業務を並行して進めていた」経験は「タスク管理能力」に言い換えられます。
こうしたスキルを言語化することで、未経験の分野でも貢献できることを示せます。
ステップ3:転職に有利な資格を取得する(MOS、簿記など)
必須ではありませんが、希望する職種に関連する資格は、学習意欲の高さを示す有効なアピール材料になります。
- 事務職を目指すなら:MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)、日商簿記2級
- 介護職を目指すなら:介護職員初任者研修
- IT業界を目指すなら:ITパスポート、基本情報技術者試験
国が費用の一部を補助してくれる「教育訓練給付制度」などを活用すれば、負担を抑えてスキルアップが可能です。
ステップ4:経験を価値に変える応募書類の書き方
職務経歴書は、これまでの経験を羅列するだけでなく、その経験を通じて得たスキルや実績をアピールする場です。
ポイントは、実績を具体的な数字で示す「定量化」です。
例えば、「業務効率化に貢献した」ではなく、「〇〇を導入し、月間の残業時間を10時間削減した」と書くことで、説得力が格段に増します。
また、自己分析で見つけたポータブルスキルが、応募先企業でどう活かせるかを具体的に記述することが重要です。
ステップ5:自信を持って伝える面接対策
面接は、応募書類だけでは伝わらない人柄や意欲を伝える場です。特に未経験者の場合、スキルよりも「なぜこの仕事に挑戦したいのか」という熱意や、今後の成長可能性が重視されます。
「前職が嫌だったから」といったネガティブな転職理由ではなく、「〇〇というスキルを身につけ、専門性を高めたい」のように、前向きな理由を語れるように準備しましょう。
また、面接の最後に必ず設けられる「逆質問」の時間は、入社意欲を示す絶好の機会です。「特にありません」と答えるのは避け、仕事内容や組織について踏み込んだ質問を用意しておきましょう。
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未経験転職では、これまでの経験をいかに魅力的にアピールするかが鍵となります。こちらの記事では、採用担当者の視点を踏まえた自己PR作成のコツと、実際に使える例文を詳しく解説しています。
また、未経験転職の面接では何を聞かれるのか不安な方へ。こちらの記事では、転職面接でよく聞かれる50の質問と、採用担当者の意図を踏まえた回答例を紹介。事前準備で自信を持って面接に臨めます。
4.注意!「未経験者歓迎」求人に潜むリスクと見極め方

多くの「未経験者歓迎」求人は、ポテンシャルを重視する優良なものですが、中には注意が必要なケースも存在します。
安心して新しいキャリアをスタートさせるために、求人情報を見極めるポイントを知っておきましょう。
こんな求人には要注意!3つのチェックポイント
不安を解消する「逆質問」の活用法
面接は、こちらが企業を見極める場でもあります。面接の最後にある逆質問の時間を活用し、職場の実態について確認しましょう。
- 「未経験で入社された方は、どのような研修を経て一人前になっていますか?」
- 「チームはどのような雰囲気で、メンバーは何人くらいいらっしゃいますか?」
- 「もし入社させていただけた場合、最初に担当する業務はどのようなものになりますか?」
こうした質問を通じて、入社後の働き方を具体的にイメージできるか、教育体制が整っているかなどを判断することができます。
5.未経験転職の不安を解消!よくある質問(FAQ)

最後に、未経験からの転職に関して多くの方が抱く疑問にお答えします。
-
30代・40代からでも未経験で転職できますか?
-
はい、可能です。30代や40代の場合、20代とは異なり、これまでの社会人経験で培ったビジネスマナーや課題解決能力といったポータブルスキルが高く評価されます。
年齢をハンデと捉えず、これまでの経験をどう活かせるかをアピールすることが重要です。
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スキルや資格がなくても本当に大丈夫ですか?
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はい、問題ありません。多くの企業は、入社後の成長を期待してポテンシャル採用を行っています。ただし、希望する職種への学習意欲を示すことは大切です。
資格がなくても、「現在、〇〇の資格取得に向けて勉強中です」と伝えるだけでも、熱意のアピールになります。
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「未経験者歓迎」が多すぎる求人は怪しいですか?
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必ずしも怪しいわけではありません。IT業界や介護業界のように、業界全体が人手不足で、未経験者を育てていこうという優良企業は数多くあります。
ただし、この記事で解説したように「仕事内容が曖昧」「給与が不自然に高い」といった求人には注意が必要です。企業の研修制度やキャリアパスについて、面接などでしっかり確認することが大切です。
-
今の仕事を辞める前に準備すべきことはありますか?
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在職中に転職活動を進めるのが理想的です。まずは自己分析や情報収集から始め、応募書類の準備を進めましょう。
また、退職の意思は、法律上は2週間前までに伝えればよいとされていますが、円満な引継ぎのためには1~3ヶ月前に直属の上司に伝えるのが一般的です。失業保険などの手続きも念頭に置き、計画的に進めることが大切です。
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転職を決めたら、円満退職のための手続きも重要です。こちらの記事では、退職の申し出から引継ぎ、退職後の保険手続きまで、やるべきことをチェックリスト形式で分かりやすくまとめています。
6.不安を自信に。計画的な準備で未経験転職を成功させよう
未経験からの転職は、不安が伴う一方で、新しい自分に出会える大きなチャンスでもあります。重要なのは、やみくもに行動するのではなく、正しい知識を持って計画的に進めることです。
本記事で紹介したように、未経験者を採用したい企業は数多く存在します。まずは自己分析を通じて自分の強みと向き合い、興味のある分野の情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
一つひとつのステップを着実に進めることが、納得のいく転職への一番の近道です。