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社会人2年目の転職は甘え?3割が辞める現実と成功の判断基準

「もう仕事を辞めたいけれど、まだ入社2年目。今辞めたら『甘え』だと思われるんじゃないか……」

毎日不安と葛藤している方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、社会人2年目での転職は、決して「甘え」ではありません。

むしろ、自分のキャリアを真剣に考えた結果の「戦略的な選択」であるケースも多いのです。しかし、勢いだけで辞めてしまうと、金銭的なリスクや再就職での苦戦を強いられることもまた事実です。

この記事では、厚生労働省のデータや労働法規、キャリア理論に基づき、2年目転職の実態と、後悔しないための判断基準を分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 「3年以内に3割が辞める」という客観的なデータと、2年目転職の市場価値
  • 一時の感情で辞めて後悔しないための、具体的な自己分析と判断チェックリスト
  • 退職前に知っておくべき、失業保険の「給付制限」やお金のリアルな知識

1.社会人2年目の転職は「甘え」?データで見る実態

「石の上にも三年」という言葉があるように、早期に退職することに対して罪悪感を持つ方は少なくありません。

しかし、現代の労働市場において、その感覚は少しずつ変化してきています。まずは客観的な事実を見てみましょう。

実は3人に1人が3年以内に辞めている

33.8%

新規大学卒就職者の就職後3年以内の離職率

33.8%

同期が10人いれば、そのうち約3人は3年以内に新しい道を選んでいます。

参考:厚生労働省|新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します

厚生労働省の調査によると、新規大学卒就職者の就職後3年以内の離職率は33.8%となっています。つまり、同期が10人いれば、そのうち3人は3年以内に新しい道を選んでいるというのが現実です。

特に社会人2年目は、仕事の全体像が見え始め、「この会社で働き続けて自分は成長できるのか?」「もっと自分に合った仕事があるのではないか?」という疑問が生まれやすい時期でもあります。

離職率のデータを見ても、入社2年目は離職のピークの一つとなっており、決して一人だけの特別な悩みではないのです。

参考:厚生労働省|新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します

なぜ2年目で転職を考えるのか?よくある退職理由

仕事内容のミスマッチ

労働条件への不満

人間関係のストレス

キャリアへの不安

多くの人が2年目で転職を決断する理由には、以下のようなものがあります。

  • 仕事内容のミスマッチ:配属された部署の仕事が、自分の適性ややりたいことと大きく異なっていた。
  • 労働条件への不満:残業が常態化している、休日出勤が多いなど、ワークライフバランスが保てない。
  • 人間関係のストレス:上司や先輩との関係が悪く、メンタルヘルスに不調をきたしそうになっている。
  • キャリアへの不安:会社の業績悪化や、ロールモデルとなる先輩がいないことで、将来が見えなくなった。

これらは単なる「わがまま」ではなく、自分の人生をより良くするための切実な動機と言えます。

大切なのは、これらの理由を「逃げ」のまま終わらせず、次のステップへの「原動力」に変えられるかどうかです。

2.2年目で転職する「メリット」と「デメリット(現実)」

2年目で転職する「メリット」と「デメリット(現実)」

2年目での転職には、大きなチャンスがある一方で、無視できないリスクも存在します。両面を正しく理解しておきましょう。

【メリット】「第二新卒」としての市場価値は高い(ポテンシャル採用

転職市場において、入社後3年未満の求職者は「第二新卒」と呼ばれ、非常に高いニーズがあります。

企業が第二新卒を歓迎する理由は主に2つあります。

  1. 基本的なビジネスマナーが身についている:名刺交換や電話応対など、新入社員研修で教えるコストをカットできます。
  2. 他社の色に染まりきっていない:前職のやり方に固執せず、新しい環境や文化に柔軟に適応できる「素直さ」を持っています。

つまり、スキルは未熟でも、「ポテンシャル(将来性)」を高く評価してもらえる貴重な時期なのです。

【メリット】未経験職種へのキャリアチェンジがしやすい

「やっぱり営業ではなく、ITエンジニアになりたい」「事務職からクリエイティブ職に挑戦したい」といった大幅なキャリアチェンジ(職種転換)を目指すなら、2年目は絶好のタイミングです。

30代に近づくほど、転職では「即戦力としての実務経験」が求められるようになります。「未経験でも意欲があれば採用したい」と企業が考えるのは、若さという武器がある今だからこそ得られるチャンスです。

【デメリット】「忍耐力がない」と判断されるリスク

一方で、短期間で離職した事実は履歴書に残ります。採用担当者の中には、「嫌なことがあるとすぐに辞めてしまうのではないか?」「忍耐力がないのではないか?」と懸念を持つ人もいます。

面接では、この懸念を払拭するために、「なぜ前職では続けられなかったのか(正当な理由)」と「次は長く働き続けたいという意思」を、論理的に説明する準備が不可欠です。

【デメリット】給与が下がる可能性と金銭的備え

未経験の職種に転職する場合、給与は新卒と同程度か、一時的に下がる可能性があります。

また、退職してから転職先が決まるまでの期間、収入が途絶えるリスクも考慮しなければなりません。

特に注意が必要なのが雇用保険の「基本手当」(いわゆる失業保険)です。

自己都合で退職した場合、ハローワークで手続きをしても、すぐに手当がもらえるわけではありません。

7日間の待期期間に加え、原則として2ヶ月間の「給付制限期間」があります(※5年間に2回まで)。その間は無収入となるため、生活費の確保は非常に切実な問題となります。

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3.転職すべきか留まるべきか?後悔しないための判断基準

「今の辛さから逃げたい」という感情だけで突っ走ると、転職先でも同じ壁にぶつかる可能性があります。

冷静に判断するための3つの視点を紹介します。

「逃げ」の転職になっていないか(Will-Can-Must)

Will

やりたいこと

Can

できること

Must

求められること

転職の動機が「今の会社が嫌だ」というネガティブな理由だけになっていませんか?

キャリアデザインのフレームワークであるWill(やりたいこと)・Can(できること)・Must(求められること)を使って、思考を整理してみましょう。

特に重要なのが「Will(やりたいこと)」です。学情の調査でも、第二新卒の転職理由は「やりがい」が最多となっています。

「今の会社を辞めて、自分はどうなりたいのか?」という未来の目的が明確であれば、それは「逃げ」ではなく、理想に近づくための「前向きな選択」になります。目的のない転職は、単なる「場所の移動」になりがちです。

今の会社で解決できる悩みではないか

「上司と合わない」なら部署異動を申し出る、「業務量が多すぎる」なら業務改善を提案するなど、転職以外の解決策はありませんか?

一度立ち止まって、「今の環境を変えるために、自分にできるアクションは全てやったか?」と自問してみてください。

もしやり切った上で状況が変わらないのであれば、堂々と転職を決断できますし、その「努力した事実」は面接での強力なアピール材料にもなります。

心身の健康が損なわれていないか(メンタルヘルス)

もし今、以下のようなサインが出ているなら、キャリア云々を考える前に、まずは自分の心と体を守ることを最優先にしてください。

□朝、会社に行こうとすると腹痛や吐き気がする
□夜眠れない、または朝早く目が覚めてしまう
□何を食べても美味しくない、食欲がない
□以前は楽しめていた趣味が楽しめない

これらは過度なストレスによる心身のSOSです。この状態で無理をして働き続けると、適応障害やうつ病などを発症し、長期的な休養が必要になることもあります。

産業カウンセリングの理論では、健康を損なってまで続けるべき仕事はありません。休職制度の利用や、早めの退職を検討してください。

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4.2年目の転職を成功させるための具体的戦略

2年目の転職を成功させるための具体的戦略

転職を決意したなら、成功率を高めるために戦略的に動きましょう。

ネガティブな退職理由を「ポジティブ」に変換する

面接で「残業が多くて嫌でした」と正直に伝えると、「うちも忙しい時期はあるけど大丈夫?」と不安がられてしまいます。

事実は変えずに、伝え方をポジティブに変換(リフレーミング)しましょう。

残業が多い

「限られた時間の中で効率的に成果を出し、自己研鑽の時間も確保できる環境で働きたいと考えました」

仕事がつまらない

「現職で学んだ〇〇の経験を活かしつつ、より専門性の高い△△の業務に挑戦し、貴社の事業に貢献したいです」

不満を「改善意欲」や「成長意欲」として伝えることで、面接官の印象は大きく変わります。

企業が2年目社員に求めていることを理解する

第二新卒の面接で企業が見ているのは、「素晴らしい実績」ではありません。

  • 素直さ・謙虚さ:新しいことを吸収しようとする姿勢があるか
  • 基礎的なビジネススキル:社会人としての基本ができているか
  • 意欲(熱意):なぜその会社に入りたいのか、長く働く気があるか

これらをアピールするために、失敗体験から学んだことや、入社後にどう成長したいかというビジョンを、自分の言葉で語れるように準備しましょう。

在職中に活動を始める(リスク管理)

2年目の転職で最も避けたいのは、「辞めたけれど次が決まらず、焦って条件の合わない企業に入社してしまう」ことです。

経済的な余裕を持つためにも、「会社に在籍しながら転職活動を行う」のが基本戦略です。

在職中であれば、「いい会社がなければ今の会社に残る」という選択肢も持てるため、精神的にも余裕を持って企業を選べます。

5.円満退職に向けた手続きとマナー

円満退職に向けた手続きとマナー

内定が出ても、今の会社を辞めるまでは気を抜けません。最後こそ、社会人としてのマナーが問われます。

退職を伝えるタイミングと切り出し方

法律(民法)上は、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば退職できると定められています。

しかし、円満退職を目指すなら、就業規則を確認し、退職希望日の1ヶ月〜3ヶ月前には直属の上司に伝えるのがマナーです。

伝える際は、「相談のお時間をいただけますでしょうか」とアポイントを取り、会議室など個室で話しましょう。

いきなり「退職届」を突きつけるのではなく、まずは口頭で意思を伝えるか、「退職願(合意による退職の申込)」という形で提出するのが一般的です。

引き止めにあった場合の対処法

2年目社員はこれからの戦力として期待されているため、強く引き止められることもあります。

「今辞めたら他のどこに行っても通用しない」「育ててやった恩を忘れるのか」といった言葉をかけられるかもしれません。

しかし、感情的に反論する必要はありません。「ご指導いただいたことには大変感謝しておりますが、自分のキャリアプランを考え抜いた上での決断です」と、感謝を伝えつつも毅然とした態度で意思を貫きましょう。

どうしても退職を認めてもらえない場合や、離職票がもらえないといったトラブルになりそうな場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーといった公的な窓口に相談することも可能です。

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6.2年目の転職は「甘え」ではなく「転機」。自分の軸で未来を選ぼう

社会人2年目での転職は、決して「甘え」や「逃げ」ではありません。それは、自分の人生の主導権を自分で握るための、勇気ある一歩です。

大切なのは、周りの目や世間体を気にするのではなく、「自分がどう働きたいか」「どう生きたいか」という自分の軸を持つことです。

  • 3年以内に3割は辞めている。自分だけではない。
  • 第二新卒の市場価値は高く、未経験への挑戦権がある。
  • 一時的な感情ではなく、将来の目的(Will)に向けた転職にする。
  • お金の不安を避けるため、できるだけ在職中に活動する。

これらのポイントを押さえ、準備を進めれば、きっと納得のいくキャリアチェンジができるはずです。本記事が、納得のいくキャリア選択の一助となれば幸いです。

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