会社で働いていると、「人間関係がつらい」「給料が上がらない」「仕事にやりがいを感じない」など、何かしらの不満を感じることは誰にでもあるものです。
その不満、一人で抱え込んでいませんか？実は、そのモヤモヤとした感情は、自身の「理想の働き方」や「本当に大切にしたいこと」を教えてくれる貴重なサインかもしれません。
この記事では、よくある会社の不満をランキング形式でご紹介するとともに、その根本原因を分析し、今日からできる具体的な解決策を3つのステップで解説します。
- よくある不満の種類と内容
- 不満の根本的な原因と分析方法
- 今すぐ取り組める具体的な解決策
1．その不満、自分だけ？まずはよくある会社の不満ランキングを確認
多くの人がどのようなことに不満を感じているのかを知ることで、自身の状況を客観的に見つめ直すことができます。
ここでは、よく挙げられる代表的な不満をご紹介します。
1位.人間関係の悩み
上司との相性、同僚とのコミュニケーション、あるいは部下の指導など、職場の人間関係は多くの方が悩むポイントです。
意見の対立や価値観の違いから、職場で孤立感を感じてしまうことも少なくありません。
2位.給与・評価への不満
「仕事量や成果に見合った給料をもらえていない」「評価の基準が曖昧で、正当に評価されているか分からない」といった声も多く聞かれます。
自身の貢献が認められていないと感じることは、仕事へのモチベーションを大きく低下させる原因となります。
3位.仕事内容とやりがい
「毎日同じことの繰り返しで成長を感じられない」「もっと社会の役に立つ仕事がしたい」など、仕事内容そのものにやりがいを見いだせないという悩みです。
自身の興味や強みと、実際の業務内容が合っていない場合に感じやすくなります。
4位.労働時間と職場環境
「残業が多いのに残業代がきちんと支払われない」「休日が少なく、プライベートの時間が確保できない」といった、働き方に関する不満です。
心身の健康に直結するため、非常に深刻な問題と言えるでしょう。
2．なぜ不満を感じるのか？キャリアの専門家と考える3つの根本原因
不満という感情の表面だけを見るのではなく、その根本にある原因を探ることが、本質的な解決への第一歩です。
キャリアコンサルティングの理論に基づくと、不満の背景には主に3つの原因が考えられます。
原因1：価値観との不一致（Will-Can-Mustのズレ）
キャリアを考える上で、「やりたいこと（Will）」「できること（Can）」「会社から求められること（Must）」の3つの円が重なる部分で働くことが理想的だとされています。
不満は、この3つのバランスが崩れているサインです。
例えば、会社からの要求（Must）に応えるために、本当にやりたいこと（Will）を我慢し続けていると、次第にやりがいを感じられなくなってしまいます。
原因2：期待値とのギャップ（入社前後の情報不足）
入社前に抱いていたイメージと、入社後の現実との間に大きなギャップがあると、「こんなはずではなかった」という不満に繋がります。
これは、企業の働き方や文化について、お互いの理解が不十分なまま入社してしまった場合に起こりやすい問題です。
原因3：心身の疲弊（ストレスとバーンアウト）
過度なストレスや長期間の過重労働は、心と身体を疲弊させます。
意欲が低下し、何事にも興味が持てなくなる「バーンアウト（燃え尽き症候群）」に陥ってしまうと、これまで楽しめていた仕事さえも不満の対象に感じられるようになります。
これは個人の気力だけの問題ではなく、休息が必要だという心身からのSOSです。
3．【状況別】不満を解決するための具体的な3ステップ・アクション
感じている不満の原因が見えてきたら、次に行動計画を立てましょう。ここでは、状況に応じた3つのステップを提案します。
ステップ1：まず現職で「変えられること」を試す
すぐに転職を考える前に、今の職場で改善できることがないか試してみる価値はあります。
思考と行動を変える（セルフケア、スキルアップ）
人間関係や評価など、他者が関わることを直接変えるのは難しいものです。しかし、自分の捉え方や行動は今日からでも変えられます。
例えば、仕事のストレスを感じたら、意識的に休憩を取る、仕事終わりには趣味の時間を作るなど、セルフケアを心がけましょう。
また、「スキルが足りない」と感じるなら、関連書籍を読んだり、資格取得の勉強を始めたりすることで、状況を好転させられる可能性があります。
上司や同僚へ相談・交渉する際の伝え方
不満を感情的にぶつけるのではなく、改善のための「提案」として伝えることが重要です。
「給料が低い」と不満を言うのではなく、「現在の業務量と成果を踏まえ、給与についてご相談させていただけますでしょうか」と、客観的な事実とセットで冷静に伝えることを心がけましょう。
事前に話す内容を整理し、あくまで前向きな相談として持ちかけるのがポイントです。
ステップ2：環境を変える「転職」という選択肢を検討する
現職での改善が難しいと判断した場合、環境そのものを変える転職が有効な解決策となります。
転職を考えるべき不満のサインとは
会社の文化や経営方針、事業内容といった、個人の努力では変えることが難しい構造的な問題に不満の原因がある場合は、転職を考え始めるサインかもしれません。
また、心身に不調をきたしている場合も、自身の健康を最優先に考え、その環境から離れることを検討すべきです。
不満を繰り返さないための企業選びの軸の見つけ方
次の職場で同じ不満を繰り返さないためには、今回の不満の原因を自己分析に活かすことが不可欠です。
それが、次の企業を選ぶ上でのブレない「軸」になります。
▼合わせて読みたい
こちらの記事では自己分析を5ステップで行うことができます。
退職をする方はこちらの記事がおすすめです。準備から手続きまで丁寧に解説しています。
転職をする方はこちらの記事がおすすめです。履歴書・職務経歴書の書き方を解説しています。
ステップ3：「個人の問題」ではない場合の公的な相談窓口
抱えている不満が、個人の感情や人間関係の問題ではなく、法律に関わる問題である可能性もあります。その場合は、一人で悩まずに専門機関に相談してください。
労働条件に関する相談（労働基準監督署など）
「残業代が支払われない」「不当な解雇を言い渡された」など、労働基準法に違反する疑いがある場合は、全国の労働局や労働基準監督署内にある「総合労働相談コーナー」に相談できます。
専門の相談員が無料で対応してくれます。
心の健康に関する相談（こころの耳など）
職場のストレスやハラスメントによって精神的に追い詰められている場合は、厚生労働省が運営するポータルサイト「こころの耳」などを活用できます。
電話やSNSでの相談窓口が紹介されており、専門家からのサポートを受けることができます。
参考：厚生労働省「こころの耳」
4．会社の不満は、より良いキャリアを築くための重要なサイン
会社への不満は、決してネガティブなだけの感情ではありません。
それは、今の働き方が本来の自分に合っていないことを知らせる警報であり、本当に望むキャリアを見つめ直すための絶好の機会です。
まずは自身の不満と向き合い、その原因を冷静に分析することから始めてみてください。そして、今回ご紹介した3つのステップを参考に、自分に合ったアクションプランを立ててみてはいかがでしょうか。
その一歩が、より納得感のあるキャリアへと繋がっていくはずです。
