スマートフォンで履歴書を作成することは、もはや「間に合わせ」の手段ではありません。
適切なツールと正しい知識、そして少しの工夫があれば、PCに劣らないどころか、あなたの魅力を最大限に伝える強力な「武器」になります。
本記事では、スマホだけで完結できる無料の履歴書作成ツールやテンプレートの紹介に加え、採用担当者に評価される書き方のコツ、職種別のアピール方法まで、わかりやすく解説します。
- スマホだけで作れる、自分にあった無料履歴書ツールやテンプレートが見つかる
- 採用担当者に評価される、正しい履歴書の書き方がマスターできる
- 職種別のアピール方法や応用技で、他の応募者と差がつく
1.スマホで作れる無料履歴書作成ツール&アプリ
Webブラウザですぐに使えるサービスと、高機能なスマホアプリを比較し、それぞれの特長をまとめました。あなたにぴったりのツールを見つけてください。
【Webツール編】ブラウザで今すぐ使えるおすすめサービス
会員登録不要ですぐに使い始められる手軽さが魅力のWebツールです。PCとスマホで併用したい方にもおすすめです。
Yagish(ヤギッシュ)

画像:「Yagish(ヤギッシュ)」
豊富なテンプレートが魅力で、PC・スマホ両方で利用したいユーザーに適しています。コンビニでの印刷にも対応しており、非常に便利です。
おすすめポイント
- PC・スマホ両対応で、場所を選ばず編集できる
- JIS規格や厚生労働省推奨様式など、豊富なテンプレートから選べる
- コンビニのネットワークプリントに対応しており、すぐに印刷できる
ワンポチ

画像:「ワンポチ」
「介護士向け」や「薬剤師向け」といった職種別のテンプレートが豊富で、特定の仕事に特化した履歴書や職務経歴書を作成したい場合に強力な味方となります。会員登録が不要なのも嬉しいポイントです。
おすすめポイント
- 会員登録が不要で、すぐに作成できる
- 営業職、事務職、アパレルなど、職種に特化したテンプレートが豊富
- 入力内容はブラウザに自動保存されるため、中断しても安心
ミライトーチ

画像:「ミライトーチ」
新卒からパートまで幅広い層に対応しています。スマホでの証明写真作成機能もあり、PCとスマホの連携を重視するユーザーにおすすめです。
おすすめポイント
- 新卒、転職、パート・アルバイト用など、多様なフォーマットが用意されている
- スマホで撮影した写真をアプリ内で証明写真用に加工できる
- PCとスマホでデータを連携させられる、ためじっくり作成できる
【アプリ編】高機能で便利な人気アプリ
スマホだけで履歴書作成の全工程を完結させたいなら、専用アプリがおすすめです。証明写真の撮影やコンビニ印刷など、かゆいところに手が届く機能が満載です。
履歴書作成(インディード)

画像:「履歴書作成(インディード)」
豊富な例文を参照しながら作成でき、証明写真の撮影からコンビニ印刷まで、これ一つで完結します。アルバイトから転職まで、幅広いシーンで活躍するオールインワンアプリです。
おすすめポイント
- 入力した内容が自動でバックアップされるため、データ紛失の心配がない
- アプリ内で証明写真の撮影ができ、そのまま履歴書に貼り付けられる
- アルバイトや転職など、様々なシーンで使える豊富な例文を参照しながら書ける
スマホで完結!主要履歴書作成ツール比較
今回ご紹介した4つのツールの特徴を、比較しやすいように表にまとめました。ぜひツール選びの参考にしてください。
対応 | 主な機能 | 印刷方法 | 会員登録 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
履歴書作成(インディード) | アプリ | 自動バックアップ、証明写真撮影、豊富な例文、コンビニ印刷 | コンビニOK | 不要 | アルバイトから転職まで幅広く対応。オールインワンで完結させたいユーザー向け |
Yagish(ヤギッシュ) | WEB | 豊富なテンプレート、PDFダウンロード、コンビニ印刷対応 | コンビニOK | コンビニ印刷時のみ必要 | PC・スマホ両方で利用したいユーザー。多様なフォーマットから選びたい方向け |
ワンポチ | WEB | 職種別テンプレートが非常に豊富、ブラウザ自動保存機能 | 自宅印刷、メール送付 | 不要 | 特定の職種に特化した履歴書・職務経歴書を作成したいユーザー向け |
ミライトーチ | WEB | 多様なテンプレート、スマホでの証明写真作成、会員限定機能 | PDFダウンロード | 一部機能で必要 | 新卒からパートまで幅広い層に対応。PCとスマホの連携を重視するユーザー向け |
▼あわせて読みたい
スマホのアプリやサイトを利用して履歴書を作成したい方は、以下の記事もおすすめです。おすすめの無料アプリやWebサービス、スマホならではの注意点やコンビニ印刷の方法など、初心者向けにわかりやすく解説しています。
2.厚生労働省様式|Word・Excelの無料履歴書テンプレート

「やっぱり使い慣れたWordやExcelで作りたい」という方のために、ダウンロードしてすぐに使える【厚生労働省様式のテンプレート】をご用意しました。WordやExcelのテンプレートをスマホで編集する方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なぜ今「厚生労働省様式」が推奨されるのか?
これまでは「JIS規格」が履歴書のスタンダードとでしたが、社会の変化にあわせ、以下のように変更された「厚生労働省履歴書様式」が、多くの企業で推奨されるようになりました。
【変更点】
- 性別欄が任意記載になった
- 通勤時間や扶養家族数といったプライバシーに関わる項目が削除された

現代の公正な採用選考の考え方を反映した、事実上の新しい標準と言えます。
「どのテンプレートを使えば失礼にならないか」と迷ったら、この様式を選べば間違いありません。
用途別・厚生労働省様式準拠 履歴書テンプレートガイド
「職歴が多くて書ききれない」「経歴は浅いけど意欲を伝えたい」など、アピールしたいことは人それぞれです。ここでは、厚生労働省の標準様式をベースに、あなたの強みを最大限に引き出す「用途別テンプレート」をダウンロードできるサイトを一覧にしました。
■厚労省 標準様式
【こんな方におすすめ】どのテンプレートを使うか迷っている方、初めて履歴書を書く方
ダウンロード:ハローワーク/Excel版、PDF版がダウンロードできます。
■学歴・職歴欄が多い様式
【こんな方におすすめ】転職回数が多い、または経歴を詳細に記載したい方
ダウンロード:マイナビ転職/「学歴・職歴欄が多い履歴書テンプレート」からダウンロードできます。
■自己PR・志望動機欄が広い様式
【こんな方におすすめ】経歴は浅いが、意欲やポテンシャルを強くアピールしたい方(第二新卒など)
ダウンロード:リクナビNEXT/「志望動機欄・自己PR欄ありの履歴書テンプレート」のテンプレートが該当します。
■資格・スキルを強調できる様式
【こんな方におすすめ】専門職や技術職で、保有スキルを前面に出したい方
ダウンロード:type/「免許・資格欄が多い履歴書テンプレート」をご利用ください。
自分の経歴や、応募する企業に最もアピールしたい点に合わせて、最適なテンプレートを選びましょう。
無料|Word/Excelテンプレートをスマホで編集する方法
WordやExcelのテンプレートは、無料の公式アプリを使えばスマホからでも簡単に操作できます。以下で手順をみていきましょう。
- STEP1:編集用の無料アプリを入手する
- 編集に必要となる公式アプリ(無料)をインストールします。
・word:「Microsoft Word」または「Googleドキュメント」
・Excel: 「Microsoft Excel」または「Googleスプレッドシート」
- STEP2:テンプレートをダウンロードする
- 「用途別・厚生労働省様式準拠 履歴書テンプレートガイド」から、お好きなテンプレートをダウンロードします。通常、スマホの「ファイル」アプリ内にある「ダウンロード」フォルダに保存されます。
- STEP3:アプリでファイルを開いて編集する
- STEP1でインストールしたアプリを開き、「ファイルを開く」などのメニューから、先ほどダウンロードした履歴書テンプレートを選択します。
- STEP4:完成したらPDFで保存する
- 編集が完了したら、PDF形式で保存しましょう。アプリの「共有」「エクスポート」「印刷」などのメニューからPDFとして保存できます。
3.採用担当者に評価される履歴書の正しい書き方

ここでは、厚生労働省などの公的機関が示すガイドラインに基づき、信頼性の高い履歴書の書き方を項目別に徹底解説します。
POINT1|基本情報(日付・氏名・住所・連絡先・写真)の書き方
履歴書に記載する基本情報には、いくつか押さえておきたいルールがあります。誤った書き方をしてしまうと、相手に好ましくない印象を与える可能性もあるでしょう。以下でポイントを確認していきましょう。
- 日付は作成日ではなく、提出日(郵送なら投函日)を記入する
- 氏名や住所は都道府県から正確に記載する
- 写真は3ヶ月〜半年以内に撮影したものを使用する
POINT2|学歴・職歴の正しい記載方法
学歴は高校卒業から、職歴はすべての入退社歴を時系列で書きましょう。学校名や会社名は「〇〇株式会社」のように、必ず正式名称で記載してください。自己都合での退職理由は「一身上の都合により退職」と簡潔に書くのがマナーです。
POINT3|免許・資格欄で効果的にアピールするコツ
免許や資格については、取得年月日順に正式名称で記載するのが基本です。ただし、応募する仕事と関連が高く、特にアピールしたい資格がある場合は、それを一番上に書くという戦略も有効です。
■例えば…
普通自動車免許と高度なIT資格を持っている人が、ITエンジニア職に応募する場合
【時系列順】
令和2年 3月 普通自動車第一種運転免許 取得
令和6年 4月 応用情報技術者試験 合格
→時系列としては正しいですが、アピール度は低くなります
【関連性が高い順】
令和6年 4月 応用情報技術者試験 合格
令和2年 3月 普通自動車第一種運転免許 取得
→応募職種に直結する資格が最初に目に入るため、即戦力として期待されやすくなります
採用担当者は多くの履歴書に目を通すため、最初に最も重要な情報が目に入るように工夫することで、あなたの価値が伝わりやすくなるでしょう。
POINT4|志望動機・自己PR・本人希望欄の基本
志望動機では「なぜその会社でなければならないのか」「自分のスキルをどう活かせるか」を具体的に伝えることが重要です。企業の事業内容や最近のニュースなどを研究し、あなただけの接点を見つけ出すと説得力が増すでしょう。
本人希望記入欄は、給与や待遇などについて特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と書くのが一般的です。ただし、募集職種が複数ある場合など、伝えるべき絶対条件があれば、この欄で具体的に記載してください。
▼あわせて読みたい
履歴書の作成方法に悩んでいる方は、以下の記事も参考にしてください。自己分析の進め方から実績のアピール方法、提出時のマナーまで、履歴書作成を成功させるポイントを網羅しています。
4.【職種別】採用担当者に響く!アピール項目の書き方事例

ここでは、職種ごとにどのような点をアピールすれば採用担当者の目に留まりやすいか、具体的な方法を交えて解説します。
ITエンジニア:スキルのPRとポートフォリオ
ITエンジニアの書類で重要なのは、どんな技術をどのレベルで使えるかを明確にすることです。資格だけでなく、保有スキルも記載しましょう。
【具体的には】
言語:Java, Python, JavaScript(ES6+)
フレームワーク:Spring Boot, Django, React
データベース:MySQL, PostgreSQL
インフラ:AWS (EC2, S3, RDS) の基本的な設計・構築経験など
また、自身のスキルを証明するために、GitHubアカウントやポートフォリオサイトのURLを記載し、実際のコードや制作物を見てもらうチャンスを作りましょう。

履歴書にスキル欄がない場合は、「自己PR欄」または「特記事項欄」に記載します。
営業職:実績を見せて貢献度を示す
営業職のアピールで最も大切なのは、実績を具体的な数字で示すことです。
▼NG例
「新規顧客の開拓で売上に貢献しました」
▼OK例
「テレアポと訪問を組み合わせた新規開拓手法により、担当エリアの売上を前年比115%達成し、半期で50社の新規顧客を獲得しました」
このように数字を用いることで、あなたの貢献度が客観的に伝わり、説得力が格段に増すのです。
事務職:正確性とPCスキルをアピール
事務職では、業務の正確性や効率化への貢献意欲をアピールします。特にPCスキルは具体的に記述しましょう。
▼NG例
「Excel、Wordが使えます」
▼OK例
「Excel(VLOOKUP関数、ピボットテーブルを用いたデータ集計・分析が可能)、Word(差込印刷機能を利用した宛名ラベル作成等が可能)」
また、MOSなどの資格があれば、客観的なスキルの証明になります。
販売・サービス職:顧客志向とコミュニケーション能力をアピール
販売・サービス職では、お客様への想いや具体的なエピソードを交えることが有効です。
【具体的には】
「お客様一人ひとりのお話を丁寧に伺うことを心がけ、潜在的なニーズを引き出すことで、店の顧客満足度アンケートで名指しの感謝コメントを月平均5件いただくことができました。この経験を活かし、貴社の〇〇(ブランド名)のファンを一人でも多く増やしていきたいです。」など

具体的なエピソードは、あなたの人柄や仕事への姿勢を生き生きと伝えます。
5.【上級編】これで差がつく!ワンランク上の履歴書作成テクニック

基本的な書き方をマスターしたら、次はライバルと差をつけるための応用テクニックをみていきましょう。
スマホ作成特有の悩み|誤字・レイアウト・写真・印刷など
スマホでの作成には特有の注意点があります。以下で詳しくみていきましょう。
- 入力ミスや誤字脱字がおきやすい
≪対策≫一度メモアプリなどで下書きし、コピー&ペーストする方法がおすすめです。 - レイアウトが確認しにくい
≪対策≫送信前には必ずPCなどの大画面でプレビューし、レイアウト崩れがないか最終確認しましょう。 - 紙で提出といわれた
≪対策≫印刷が必要な場合は、コンビニのネットワークプリントサービスを活用するのが手軽です。
▼あわせて読みたい
スマホで作った履歴書を紙で印刷する方法については、以下の記事を参考にしてください。コンビニ別の印刷手順やサイズ・用紙選び、プリント時の注意点やよくある質問などを詳しく解説しています。
AIを賢く使う!バレずに質を高める履歴書作成術
AIは自己PRや志望動機のたたき台作成に非常に有効です。しかし、生成された文章をそのまま使うのは避けましょう。個性がなく、採用担当者に見抜かれるリスクがあります。AIはあくまで思考を補助する「副操縦士」と捉えましょう。
自身の具体的な経験やスキルを詳細な情報としてAIに入力し、生成された文章に必ず自分の言葉で、具体的なエピソードを交えて書き直してください。
書類選考の合格率を上げる!ATS(応募者追跡システム)最適化入門
大企業では、応募者追跡システム(ATS)というロボットが最初の書類選考を行っているケースも少なくありません。
■応募者追跡システム(ATS)とは
採用活動を効率化するための管理システム。何百人と応募がくるような大企業では、最初の書類選考をシステムによるフィルタリングでおこなうケースも多い。
このシステムを通過するためには、求人情報に記載されている役職名やスキルなどのキーワードを、履歴書内に自然に盛り込むことが重要です。
また、特殊なフォントや、表・段組みといった複雑なレイアウトはATSが正しく読み取れない可能性があるため、シンプルで標準的な書式を心がけましょう。

例えば、企業が求人に「必須スキル:Photoshop」と明記している場合、「PCで画像加工が得意です」と書くだけではNGです。「Photoshop」というキーワードが含まれていないと、システムで除外されてしまう可能性があります。
6.スマホだけで完結!魅力が伝わる履歴書作成
この記事では、スマホだけで完結できる無料の履歴書作成ツールから、採用担当者に伝わる書き方のポイント、そして職種に応じたアピール方法まで、幅広く解説してきました。
履歴書は、あなたの人柄や強みを限られたスペースで伝えるための、いわば「自己表現の場」です。ただ情報を並べるのではなく、応募先企業に「会ってみたい」と思わせる工夫が求められるでしょう。
今回ご紹介したツールやテクニックを活用し、ぜひ自分らしさが伝わる一枚を、自信を持って仕上げてください。