第二新卒で志望動機の書き方に悩む求職者は多いです。
「すぐに辞めてしまった自分を採用してくれる企業なんてあるのだろうか」
「また同じ失敗を繰り返したらどうしよう」と不安を感じていませんか?
しかし、実は今、多くの企業が第二新卒の採用に積極的です。
大切なのは、早期離職という事実を隠すのではなく、それを「次のキャリアへの前向きなステップ」として論理的に説明できるかどうかです。
この記事では、キャリア理論や労働法規の観点を取り入れ、採用担当者が納得する志望動機の作り方を徹底解説します。
使える例文も豊富に用意しましたので、ぜひ参考にしてください。
- 短期離職のネガティブな理由を「前向きな志望動機」に変換する技術
- 【事務・営業・IT等】そのまま使える状況別・職種別の具体的な例文
- ブラック企業を回避するためにチェックすべき求人票の重要項目
1.第二新卒とは? なぜ今、市場価値が高いのか

まずは、「第二新卒」という言葉の定義と、現在の転職市場における立ち位置を正しく理解しましょう。
これを知ることで、過度な不安を取り除き、自信を持って活動できるようになります。
新卒・既卒との違い
一般的に「第二新卒」とは、学校を卒業して就職した後、数年以内(主に1〜3年程度)に離職し、転職活動を行う人のことを指します。
一方、「既卒」は卒業後に就職経験がない人のことです。第二新卒の最大の特徴は、短期間であっても「社会人としての基礎的な経験(ビジネスマナーなど)」を持っている点にあります。
企業にとっては、教育コストを抑えられるという大きなメリットがあるのです。
データで見る「3年以内の離職」と企業の採用意欲
新規学卒就職者の3年以内離職率
令和4年 厚生労働省調査
「3年以内に辞めるのは根性がない」というのは過去の話です。
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和4年)」によると、新規高卒就職者の37.9%、新規大卒就職者の33.8%が3年以内に離職しています。したがって、3年以内の離職は決して珍しいことではありません。
また、多くの企業が第二新卒を「ポテンシャル層」として歓迎しています。特定の企業文化に染まりきっておらず、柔軟性があり、新しい環境に適応しやすいと評価されているからです。
自信を持って挑戦していきましょう。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
2.第二新卒の志望動機が「書けない」を解決する3つのステップ

志望動機が書けない主な原因は、文章力の問題ではなく、「情報の整理」ができていないことにあります。
以下の3つのステップで思考を整理すれば、誰でも説得力のある志望動機が作れます。
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自己分析の基本から具体的な手法まで、やりたい仕事を見つけるための5ステップを詳しく解説しています。志望動機作成の土台となる自己理解を深めたい方はこちらもご覧ください。
STEP1 自己分析:辞めたい理由を「叶えたい未来」に変換する
退職理由はネガティブなものになりがちですが、それをそのまま伝えてはいけません。
「ネガティブ・ポジティブ変換」を行いましょう。
- 残業が多くて辛かった
→ 「効率的に業務を行い、自己研鑽の時間も確保することで、より高いパフォーマンスを発揮したい」 - 希望と違う部署だった
→ 「〇〇の業務を通じて、より専門的なスキルを身につけ、御社の事業に貢献したい」
このように、不満(過去)を希望(未来)に変換することで、退職理由を一貫性のある「挑戦」の姿勢として示すことができます。
STEP2 企業研究:その会社でなければならない理由を見つける
の軸 (Will)
特徴・強み
「なぜうちの会社なの?」という質問に答えるためには、企業研究が不可欠です。
しかし、すべての情報を網羅する必要はありません。自己分析で見つけた「仕事選びの軸(Will)」と、企業の「特徴や強み」が重なる部分を探しましょう。
例えば、「若手から裁量権を持って働きたい」という軸があるなら、その企業の「若手抜擢の事例」や「フラットな組織風土」に注目し、それを志望動機に結びつけます。
STEP3 棚卸し:短期間でも身についた「ポータブルスキル」を探す
経験が浅くても、必ず身についたスキルはあります。それを、どの会社でも通用する「ポータブルスキル」として言語化しましょう。
- 接客経験
→ 「相手のニーズを汲み取る傾聴力」「臨機応変な対応力」 - 事務経験
→ 「正確な事務処理能力」「業務効率化への工夫」
専門的な実績だけでなく、こうした「仕事への取り組み方(スタンス)」も立派なアピール材料になります。
3.採用担当者が納得する第二新卒の志望動機の構成フレームワーク

採用担当者の心を掴む志望動機には、共通する「型」があります。このフレームワークに当てはめて作成することで、論理的で分かりやすい文章になります。
説得力を高める構成「過去・未来・現在」の3層構造
説得力のある志望動機は、以下の3つの要素が一貫したストーリーとして繋がっています。
- 過去(転職のきっかけ):前職で何を感じ、なぜ転職を決意したのか。
- 未来(志望理由):その課題や目標は、なぜこの会社なら実現できるのか。
- 現在(貢献可能性):自分の経験やスキルを活かして、どう会社に貢献するのか。
この3つが一本の線で繋がっていると、採用担当者は「この人は自社に定着し、活躍してくれそうだ」と納得感(一貫性)を感じます。
説得力が増す「PREP法」の活用
まずは最も伝えたい「結論」や「主張」を簡潔に述べます。
なぜその結論に至ったのか、「理由」や「根拠」を説明します。
理由を裏付ける「具体的な事例」や「データ」を提示し、説得力を高めます。
最後にもう一度「結論」を伝え、全体を締めくくります。
文章を書く際は、PREP法(Point:結論 → Reason:理由 → Example:具体例 → Point:結論)を意識しましょう。
まず「私が貴社を志望する理由は〇〇です」と結論から伝え、その後に理由と具体的なエピソードを続けることで、聞き手の理解度が格段に上がります。
4.そのまま使える!状況別・職種別テンプレート【例文集】
志望動機のパターンは、大きく分けて「経験を活かす(キャリアアップ)」か「未経験に挑戦する(キャリアチェンジ)」かの2つです。ご自身の目指す方向性に合ったテンプレートを活用してください。
パターン1:【同職種・同業界】経験を活かしてステップアップする場合
ポイント
即戦力であることをアピールしつつ、なぜ今の会社ではダメで、その会社でなければならないのか(前職の課題と志望先の魅力の合致)を明確にします。
例文:営業職から営業職へ(より広範な提案がしたい)
「私は、顧客の課題解決に深くコミットできる提案営業を行いたいと考え、貴社を志望いたしました。
前職では不動産営業に従事しておりましたが、取り扱い商材が限定的で、顧客の幅広いニーズに応えきれないことに課題を感じておりました。
多様なソリューションを持ち、顧客伴走型の営業スタイルを徹底されている貴社であれば、私の強みである『傾聴力』を活かし、顧客の真の課題解決に貢献できると確信しております。
前職で培った新規開拓の経験を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。」
パターン2:【未経験・異業種】ポータブルスキルで挑戦する場合
ポイント
未経験であることは素直に認めつつ、過去の経験から活かせる「ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)」と、「現在進行形の学習意欲」をセットで伝えます。
例文1:販売職から事務職へ
「正確かつスピーディーに業務を遂行し、チームを支える仕事に就きたいと考え、貴社を志望いたしました。
前職のアパレル販売では、在庫管理や売上集計などのバックヤード業務も担当しておりました。
その中で、業務フローの改善を行い、作業時間を20%短縮した経験から、サポート業務を通じて組織の効率化に貢献することにやりがいを感じるようになりました。
現在はPCスキルの習得に向けMOS資格の勉強も進めております。
販売職で培った『相手の意図を汲み取るコミュニケーション力』を活かし、円滑なオフィス環境づくりに貢献したいと考えております。」
例文2:物流管理からITエンジニアへ
「IT技術を用いて社会課題を解決するという貴社の理念に共感し、志望いたしました。
前職の物流管理業務において、アナログな管理手法による非効率さを痛感し、独学でVBAを学びツールを作成して業務時間を削減しました。
この経験から、技術の力で仕組みを変えるエンジニアという職に強い関心を持ちました。
現在はオンラインスクールでJavaを学習しており、〇〇というアプリを試作しました。
未経験ではありますが、持ち前の『課題解決に向けた行動力』を活かし、一日も早く貴社の開発チームの一員として貢献できるよう努めます。」
例文3:接客業から法人営業へ
「単発の接客ではなく、顧客と長期的な信頼関係を築き、事業成長を支援できる法人営業職に挑戦したいと考え、志望いたしました。
前職の飲食店店長としての経験では、お客様のニーズを先読みする『観察力』と、店舗の売上目標を達成するための『数値管理能力』を磨いてまいりました。
しかし、接客の場だけでは解決できない顧客の経営課題にも向き合いたいという思いが強くなりました。
貴社のソリューション営業であれば、私の強みである相手の懐に入るコミュニケーション力を活かし、顧客のパートナーとして貢献できると考えております。」
例文4:営業職からマーケティング職へ
「『売れる仕組み』そのものを創り出し、より多くの顧客に価値を届けたいと考え、貴社を志望いたしました。
前職の営業職では、顧客の生の声を直接聞けることにやりがいを感じておりましたが、1対1のアプローチだけでは限界があることも痛感しました。
そこで、Webマーケティングのスクールに通い、データに基づいた施策立案の重要性を学びました。
営業で培った『顧客心理を深く理解する力』と、現在習得中のデータ分析スキルを掛け合わせ、貴社のWebマーケティング事業の成長に貢献したいと考えております。」
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志望動機だけでなく、自己PRの書き方も重要です。採用担当者の視点に立った戦略的な自己PR作成方法を、4つのステップで詳しく解説しています。
5.書類と面接での伝え方の違いとNG例

志望動機の中身が決まっても、それを全ての場面で同じように使い回すのは危険です。書類は「要約」、面接は「対話」と役割が異なるからです。
ここでは、選考フェーズごとの適切な伝え分けと、評価を下げるNG行動について解説します。
履歴書と職務経歴書で書くべき分量
採用担当者は、履歴書で「全体像」を、職務経歴書で「詳細なアピール」を確認しようとします。
それぞれの役割に合わせて、以下の文字量を目安に書き分けましょう。
- 履歴書
志望動機欄の枠に合わせて簡潔に(200〜300文字程度)。「事実」と「結論」を中心に書きます。 - 職務経歴書
自己PRと合わせて詳細に(300〜400文字程度)。具体的なエピソードや数字を交えて、あなたの「価値」を伝えます。
やってはいけない!3つのNG志望動機
採用担当者にマイナス印象を与える3つのNG姿勢
意欲や姿勢を疑われる原因となります
他責思考
待遇・条件面ばかり
「勉強させてほしい」姿勢
以下の3つは、採用担当者にマイナスの印象を与える可能性が高いため注意が必要です。
- 他責思考
「上司が悪かった」「会社がブラックだった」など、不満ばかりを並べるのはNGです。
たとえ事実でも、それをどう乗り越えようとしたかという前向きな姿勢に変換しましょう。 - 待遇・条件面ばかり
「給料が良いから」「残業が少なそうだから」という理由は、仕事への意欲を疑われます。
「長く働ける環境で、腰を据えて業務に取り組みたい」といった表現に留めましょう。 - 「勉強させてほしい」姿勢
会社は学校ではありません。
「教えてもらう」という受動的な姿勢ではなく、「自ら学び、貢献する」という能動的な姿勢を示しましょう。
6.ブラック企業を避け、長く働ける会社を見極めるコツ

せっかく転職するなら、次は安心して長く働ける会社を選びたいものです。
法務・労務の専門的な視点から、求人票でチェックすべきポイントをお伝えします。
「固定残業代」と「年間休日」をチェック
求人票は、単なる条件リストではありません。その会社の「働きやすさ」や「コンプライアンス意識」を見極めるための重要な証拠書類です。
特にトラブルになりやすい以下の2点は、入社後の生活を守るために必ず確認しておきましょう。
「固定残業代(月45時間分を含む)」等の記載がある場合、その時間分の残業が常態化している可能性があります。
労働基準法の最低ラインは約105日ですが、ワークライフバランスを保つには「120日以上」が一般的な目安とされています。
- 固定残業代(みなし残業代)
求人票に「固定残業代(月45時間分を含む)」などの記載がある場合、その時間分の残業が常態化している可能性があります。
月45時間は労働基準法上の時間外労働の上限(原則)と同等の水準であり、相応の残業発生が想定されている可能性があるため確認が必要です。 - 年間休日数
労働基準法では原則として週1日(または4週4日)の休日が義務付けられていますが、一般的には「年間休日120日以上」がワークライフバランスを保ちやすい目安とされています。
また、面接の逆質問で「活躍している社員の1日のスケジュール」を聞くことで、実際の残業状況や働き方を間接的に探ることも有効なテクニックです。
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円満退職から退職後の手続きまで、やるべきことを時系列で整理したチェックリストです。次の転職に向けて、前職との関係を良好に保つための具体的な手順を解説しています。
7.過去を糧に、自信を持って次のステージへ
第二新卒の転職活動は、過去の失敗を取り戻す場ではなく、より自分らしく働くための「前向きな挑戦」の場です。
退職理由を未来への意欲に変換し、論理的な構成で伝えることができれば、短期離職は決してハンデにはなりません。
今回ご紹介したフレームワークと例文を武器に、自信を持って新たなキャリアへの一歩を踏み出してください。