保育士の履歴書の書き方は、採用選考を突破するための最初の関門です。
資格欄の正式名称の書き方、新卒・転職・ブランク・パートといった立場別の志望動機例文、手書きとパソコンどちらが良いかなど、迷うポイントは少なくありません。
本記事では、保育士の履歴書の書き方について、基本ルールから項目別の記入例、提出マナーまで解説します。
- 資格・免許欄の正式名称や学歴・職歴など、履歴書項目別の書き方
- 運営母体に応じた敬称の使い分けと、属性別(新卒・転職・ブランク・パート)の志望動機・自己PR例文
- 本人希望欄の書き方と、提出前のチェックリスト・封筒や添え状のマナー
1.保育士の履歴書の書き方|基本ルールと準備

ここでは、履歴書を書き始める前に知っておきたい基本ルールとして、手書き・パソコンどちらで作成すべきか、筆記具や用紙、証明写真のマナーについて解説します。
選考結果に直結する部分ではありませんが、第一印象を左右するポイントでもあるため、書き始める前に確認しておきましょう。
履歴書は手書きとパソコン、どちらが良い?
保育業界では、手書き・パソコン作成のどちらも基本的には問題ありません。
- 手書き:「丁寧さや人柄が伝わる」「文字の読みやすさを重視する」園に好まれる傾向があります。
- パソコン:「PCスキルをアピールできる」「修正や複数園への応募がスムーズ」というメリットがあります。
指定がない場合はどちらでも問題ありませんが、丁寧で読みやすい文字を心がけることが大切です。
履歴書の筆記具・用紙・写真のマナー
手書き・パソコンいずれの場合も、使用する筆記具や用紙、証明写真には守っておきたい基本マナーがあります。
細かな点ですが、選考担当者への印象に関わる部分でもあるため、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 筆記具:黒の油性・水性ボールペンまたは万年筆(0.5mm〜0.7mm)。消えるボールペンや鉛筆、修正テープの使用は避けましょう。書き間違えた場合は新しく書き直します。
- 用紙サイズ:A4サイズ(見開きA3)またはB5サイズ(見開きB4)。情報量をしっかり盛り込めるA4サイズが推奨されます。
- 証明写真:撮影時期は3ヶ月以内、サイズは縦40mm×横30mm、スーツまたは落ち着いた色のジャケット着用、背景は白・青・グレーの無地。髪をまとめて清潔感を出し、自然な笑顔で撮影します。万が一の剥がれに備えて、写真の裏面に氏名と撮影日を油性ペンで記入して貼付しましょう。
2.保育士の履歴書の書き方|項目別の記入例

ここからは、日付・氏名といった基本情報から学歴・職歴、資格・免許欄まで、履歴書の各項目を実際にどう書けばよいか具体的に解説します。
書き方に迷いやすいポイントを中心に、記入例とあわせて確認していきましょう。
履歴書の基本情報(日付・氏名・住所)の書き方
日付や住所などの基本情報は、記載ルールを守るだけで簡単に整えられる項目です。
些細なミスでも印象を損ねかねないため、以下のポイントを確認しながら記入しましょう。
- 日付:郵送の場合は「投函日」、面接に持参する場合は「面接当日」の日付を記入します。
- 年号(和暦・西暦):履歴書全体で「令和・平成(和暦)」または「20XX年(西暦)」のいずれかに表記を統一します。
- 住所・ふりがな:都道府県からマンション名・部屋番号まで省略せずに記載します。ふりがな欄が「ふりがな」ならひらがな、「フリガナ」ならカタカナで統一します。
学歴・職歴欄の書き方と記入例
学歴・職歴欄は、記載する範囲や表現次第で採用担当者に伝わる印象が変わる項目です。
ここでは、学歴・職歴それぞれの書き方のポイントと、中途・転職者向けの記入例を紹介します。
履歴書の学歴欄の書き方ポイント
- 高等学校卒業から記載するのが一般的です。
- 学校名や学部・学科・コース名は「私立〇〇高等学校 普通科 卒業」のように正式名称で書きます。
履歴書の職歴欄の書き方ポイント
- 「〇〇保育園 入職」「〇〇保育園 一身上の都合により退職」と正確に記入します。
- 実務内容をアピールするため、担当したクラスの対象年齢(0〜5歳児)や雇用形態(正社員・パート・派遣)を付記すると効果的です。
- 新卒の場合は、学歴欄の最終学歴の直下に保育実習歴(園名・期間・担当学年)を記入することで、実務経験としてアピールできます。
履歴書の職歴記入例(中途・転職)
平成30年 4月 社会福祉法人〇〇会 〇〇保育園 入職(正社員)
(0・1歳児クラス担任、フリー保育士として従事)
令和 5年 3月 一身上の都合により退職
保育士資格・免許欄の正しい書き方【正式名称ルール】
資格欄で最も多い間違いが「略称」の記載です。「保育士免許」「保育士証」は誤記にあたるため、必ず正式名称で記入しましょう。
保育士登録・保育士証交付の詳細は厚生労働省の情報も参考になります。
| 資格・免許の種類 | 正式表記のルール・記入例 |
|---|---|
| 保育士資格 | 〇〇年〇月 保育士資格 取得(※「保育士免許」「保育士証」は誤記) |
| 新卒・資格取得予定者 | 〇〇年〇月 保育士資格 取得見込み |
| 旧保母資格からの切り替え | 〇〇年〇月 保育士資格(旧:保母資格)取得 |
| 幼稚園教諭免許 | 〇〇年〇月 幼稚園教諭一種免許状 取得(二種・専修も明記) |
| 運転免許 | 〇〇年〇月 普通自動車第一種運転免許(AT限定)取得 |
資格・免許欄の記載順序のルール
- 自動車運転免許を最上段に記載する。
- その他の資格・免許を取得年月の古い順(時系列)に記載する。
3.保育士の履歴書における敬称の使い分け
志望動機や本人希望欄で応募先を指す場合、法人格に応じた正しい敬称(書き言葉)を使用する必要があります。
| 応募先の運営母体 | 書面上の敬称(書き言葉) | 面接時の敬称(話し言葉) |
|---|---|---|
| 一般的な私立保育園 | 貴園 | 御園 |
| 株式会社・合同会社等 | 貴社 | 御社 |
| 社会福祉法人・学校法人・NPO法人 | 貴法人 | 御法人 |
| 病院(院内保育所等) | 貴院 | 御院 |
| 公立保育園・自治体 | 貴庁・貴市(自治体名) | 御庁・御市 |
運営母体によって組織文化や定着率は異なるため、志望動機の中でその運営母体ならではの魅力への理解を示すことが、他の応募者との差別化につながります。
4.【保育士】属性別の志望動機・自己PR例文

こども家庭庁の資料によると、保育士の有効求人倍率は3.88倍(全職種平均1.27倍)と高水準が続く売り手市場です。求人が多い一方で、保育士の離職率は9.3%にのぼり、退職者の約6割を経験年数6年未満の若手層が占めるというデータもあります。
だからこそ園側は「長く定着してくれる人材かどうか」を志望動機から見極めようとする傾向があるため、丁寧な言葉選びと説得力のある構成が重要になります。
志望動機と自己PRは以下の3ステップ構成で作成すると、論理的で魅力的な文章になります。
- 結論(結論・志望理由):なぜこの園で働きたいのか
- エピソード(経験・根拠):これまでの経験や自身の強み
- 抱負(貢献意欲):入園後にどのように貢献したいか
自己PRを作成する場合も同じ3ステップが使えます。「①自身の強み→②その根拠となる経験・エピソード→③保育現場でどう活かせるか」の順で組み立てると、説得力のある文章になります。
① 新卒・未経験者向けの志望動機・自己PR例文
実習での具体的な学びや、子どもに対する熱意を軸に構成します。
【志望動機例文】
保育実習でお世話になった際、貴園の「子ども一人ひとりの自主性を尊重する」という保育方針に深く感銘を受け、志望いたしました。
実習では2歳児クラスを担当し、子どもの言葉に耳を傾けることで安心感を持ってもらえる経験を学びました。
貴園に入職後は、明るい笑顔と丁寧な観察力を活かし、子どもたちが伸び伸びと成長できる環境づくりに貢献したいと考えております。
② 経験者・転職者向けの志望動機・自己PR例文
これまでの現場経験、得意な保育スキル(行事運営、保護者対応等)と即戦力性をアピールします。
【志望動機例文】
貴園が推進されている食育活動や地域密着型の保育スタイルに強く共感し、これまでの経験を活かしたいと考え志望いたしました。
これまで認可保育園で5年間、主に0〜2歳児の乳児保育を担当してまいりました。前職では乳児リーダーとして保護者とのコミュニケーションや個別指導計画の作成を主導してまいりました。
貴園でも即戦力として、安心・安全で質の高い保育の実践に寄与してまいります。
③ ブランクあり・復職向けの志望動機・自己PR例文
子育て経験やブランク期間中に培った視点をポジティブな強みに変換します。
【志望動機例文】
貴園の温かく家庭的な保育環境で、再び保育士として子どもたちの成長を支えたいと考えております。
出産・育児のため7年間のブランクがありますが、自身の立場が「保護者」となったことで、保護者が抱く不安や期待に寄り添った保育の重要性を改めて実感いたしました。
自身の育児経験と前職での保育経験を掛け合わせ、保護者からも信頼される保育士を目指します。
④ パート・非常勤希望向けの志望動機・自己PR例文
勤務条件の希望(時間・扶養内など)と、限られた時間内での貢献意欲を示します。
【志望動機例文】
子育てと両立しながら大好きな保育現場に携わりたく、短時間勤務の受け入れ体制が整っている貴園に応募いたしました。
これまで培った保育実務経験を活かし、早朝・夕方の延長保育やフリー保育士としての勤務にも対応してまいりました。
正社員の先生方がスムーズに業務を進められるよう、柔軟にサポートしてまいります。
▼あわせて読みたい
志望動機は「保育観」をどう言語化するかによっても印象が大きく変わります。
「保育士の志望動機の書き方|担当者に響く「保育観」の伝え方」の記事では、保育観の伝え方をさらに詳しく解説します。
5.保育士の履歴書|本人希望欄の書き方
本人希望欄は、原則として「貴園の規定に従います」と記載するのが基本マナーです。
給与や待遇面での個人的な要望を詳細に書くのは避けましょう。
ただし、パート勤務やどうしても譲れない勤務条件がある場合は、理由を添えて簡潔に記載します。
- 扶養内勤務を希望する場合:「家庭の事情により、扶養範囲内(週〇時間以内)での勤務を希望いたします。」
- 勤務時間・休日に制限がある場合:「子どもの送迎のため、平日9:00〜16:00での勤務を希望いたします。」
6.保育士の履歴書|提出時のマナーとチェックリスト
履歴書が完成したら、提出方法に応じた正しいマナーを確認しましょう。
履歴書に添える添え状(送付状)の同封
郵送で提出する場合は、必ず「添え状(送付状)」を一番上に同封します。
添え状には、投函日、宛先、差出人情報、送付件名、挨拶文、同封書類の一覧を記載します。
履歴書を送る封筒の書き方と梱包手順

封筒は宛名の書き方や「履歴書在中」の表記など、細かなルールがあります。
誤りがあると受け取る側に雑な印象を与えかねないため、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 封筒のサイズ:履歴書を2つ折り(A4サイズ)でそのまま入れられる角形2号(角2)の白色封筒を使用します。
- 表面の記載:右側に住所、中央に宛名(例:「〇〇保育園 採用ご担当者様」)を丁寧に書きます。左下に赤字で「履歴書在中」(または「応募書類在中」)と記入し、定規で赤の四角枠を囲みます。
- 裏面の記載:裏面左下に自分の郵便番号・住所・氏名を記載します。
- 梱包:書類が折れたり濡れたりするのを防ぐため、すべての応募書類(添え状、履歴書、職務経歴書等)を透明のクリアファイルに挟んでから封筒に入れます。
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送付状や封筒の書き方には、ここで紹介した以外にも押さえておきたいマナーがあります。
「履歴書に添える送付状の書き方・マナーを解説【テンプレートあり】」の記事では、テンプレートや例文を交えて詳しく解説しています。
履歴書提出前のセルフチェックリスト
提出後に誤りに気づいても修正はできません。
投函・持参の前に、以下の項目を一つずつ確認しておくと安心です。
- 誤字・脱字、記入漏れはないか
- 資格名称は「保育士資格 取得」と正式名称で書かれているか
- 年号(和暦・西暦)は履歴書全体で統一されているか
- 証明写真の裏面に氏名を記入し、真っ直ぐ貼られているか
- 敬称(貴園・貴社など)は正しく使い分けられているか
- 郵送の場合、角2封筒に赤字で「履歴書在中」と記入したか
- 書類一式はクリアファイルに挟まれているか
7.保育士の履歴書に関するよくある質問

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保育士資格の「資格認定機関(都道府県名)」は履歴書に書く必要がありますか?
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一般的には、資格欄に認定機関名まで記載する必要はありません。
「〇〇年〇月 保育士資格 取得」という表記のみで問題ないとされています。
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保育士資格の取得年月が分からない場合、どのように確認すればよいですか?
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保育士資格証(旧:保母資格証)に記載されている交付年月日、または卒業した養成校の卒業証書・成績証明書に記載の取得年月を確認する方法が一般的です。
不明な場合は、出身の養成校や保育士登録の担当窓口に確認しておくと安心です。
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幼稚園教諭免許と保育士資格、履歴書にはどちらを先に書けばよいですか?
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明確な統一ルールはありませんが、一般的には取得した順番(時系列)で記載するケースが多く見られます。
迷う場合は、取得日の古い順に統一すると分かりやすい記載になります。
8.保育士の履歴書は「正式名称」「敬称」「立場別の伝え方」がカギ
保育士の履歴書は、正確な基本マナーを守りつつ、自身の強みや保育への想いを熱意を持って伝えることが大切です。
特に押さえておきたいポイントは、以下の3点です。
- ①資格欄は正式名称で記載する
- ②応募先の運営母体に応じて敬称を使い分ける
- ③自分の立場に合った志望動機と提出マナーを整える
本記事の解説や例文、チェックリストを活用して、好印象を与える完成度の高い履歴書を作成し、選考通過・転職成功を目指しましょう!