履歴書の「性格」欄に何を書こうか悩んでいませんか?
「自分の性格がよく分からない」「どう書けばマイナス印象にならないか不安だ」といった悩みは、多くの求職者が抱える共通のものです。
しかし、採用担当者の視点を理解すれば、この欄は職務経歴書の「経験」を裏付け、面接での対話を促すための重要なアピール材料に変わります。
この記事では、キャリアコンサルティングの理論や人事労務管理の実務に基づき、企業が性格欄で何を見ているのか、そして具体的な経験と結びつけて説得力を持たせる書き方を、豊富な例文と共に解説します。
- 企業が履歴書で性格を質問する意図
- 職務経験と性格を一貫させる書き方3ステップ
- 長所・短所のタイプ別例文30選と自己分析の方法
1.そもそも、なぜ企業は履歴書で「性格」を質問するのか?

採用担当者が履歴書の限られたスペースで「性格」を知りたがるのには、明確な3つの理由があります。
それは、単に「明るい人」や「真面目な人」を探しているわけではありません。

① 自己分析ができているか(客観性)
まず見られているのは、自分自身を客観的に理解しているかどうかです。
自分の長所(強み)と短所(弱み)を冷静に把握している人は、仕事においても課題に直面した際に、自分の特性を踏まえて適切に対処できると期待されます。
② 社風やチームと合うか(適合性)
どれほど優秀なスキルを持っていても、企業の文化や既存のチームメンバーと価値観が合わなければ、早期離職に繋がってしまう可能性があります。
企業は、入社後にスムーズに組織に馴染み、長く活躍してくれる人材かどうかを性格欄から見極めようとしています。
③ 経験を裏付ける人柄か(一貫性)
これが最も重要なポイントです。
職務経歴書に「プロジェクトリーダーとしてチームをまとめた」という「経験」が書かれていた場合、性格欄に「協調性」や「責任感」といった人柄が書かれていれば、その経験の信憑性が高まります。
逆に、経験と性格に一貫性がないと、どちらの記述も疑わしく見えてしまいます。
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履歴書の「性格」欄の書き方を学ぶ前に、まずは履歴書全体の正しい書き方をおさらいしませんか?こちらの記事では学歴・職歴欄はもちろん、免許・資格欄や本人希望欄まで、全項目の見本と注意点を網羅的に解説しています。
2.採用担当者の本音:「経験」と「性格」どちらを重視している?

「結局、スキルや経験が豊富なら、性格はあまり関係ないのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、採用プロセスにおける「書類選考」と「面接」では、重視されるポイントが異なります。
書類選考は「経験」、面接は「人柄」
多くの採用担当者は、まず書類選考の段階で「募集要件に必要な経験やスキルを満たしているか」を判断します。
ここで最低ラインをクリアしなければ、面接には進めません。
しかし、そのラインをクリアした候補者が複数いる場合、次の面接段階では「人柄や価値観が自社に合うか」という点が合否を分ける重要な要素となります。
性格欄は「経験」を補強し「面接」に繋げるための重要欄
履歴書の性格欄は、書類選考段階では「経験」を補強する証拠として機能します。
面接段階では「ぜひこの人柄について詳しく聞いてみたい」と思わせるための「予告編」としての役割を担っているのです。
職務経歴書と性格欄が一貫したストーリーになっていれば、「この経験は、この人柄だからこそ成し得たのだろう」と採用担当者を納得させることができます。
3.失敗しない!履歴書の性格欄 書き方3ステップ
説得力のある性格欄を作成するには、以下の3つのステップを踏むのが効果的です。
履歴書の性格欄 書き方3ステップ
結論(自分の性格)を述べる
具体的なエピソードを添える
(STARメソッドの活用)
入社後にどう活かせるかで締める
これは、ビジネスシーンで用いられる「PREP法(結論→理由→具体例→結論)」を応用したものです。

ステップ1:結論(自分の性格)を述べる
まず、自分の性格(長所または短所)を一言で簡潔に述べます。
「私の長所は、目標達成に向けた計画性です」や「私の短所は、時に慎重になりすぎることです」のように、明確に提示します。
ステップ2:具体的なエピソードを添える(STARメソッドの活用)
次に、その性格を裏付ける具体的なエピソードを加えます。このエピソードこそが、他の応募者との差別化を図る最も重要な部分です。
エピソードを説明する際は、以下の「STARメソッド」を意識すると、状況が伝わりやすくなります。

【例文】
前職の営業事務では、月間100件の請求書発行という課題(Target)に対し、ミスをゼロにするため独自のチェックリストを作成し(Action)、ダブルチェックを徹底した結果(Result)、半年間のミスゼロを達成しました
ステップ3:入社後にどう活かせるかで締める
最後に、その性格(特に長所の場合)を、入社後にどう活かして貢献できるかを述べます。
「この計画性を活かし、応募先企業の業務においても正確かつ効率的なタスク遂行に貢献したいと考えております」といった形で、前向きな意欲を示して締めくくります。
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「性格」欄と内容が重複しがちなのが「自己PR」欄です。性格欄で書いた「強み」を、自己PR欄ではどのように「企業への貢献」に繋げてアピールすれば良いのでしょうか。こちらの記事では説得力のある自己PRの作り方を例文付きで解説します。
4.【長所編】性格タイプ別・例文15選

ここでは、代表的な長所を5つのタイプに分け、それぞれ3つの例文をご紹介します。
ステップ2の「エピソード」部分は、ご自身の経験に置き換えて作成してみてください。
1. 協調性・柔軟性
【例文1】協調性

私の長所は協調性です。
前職のプロジェクトでは、営業部門と開発部門の間に立ち、双方の意見を調整する役割を担いました。
定期的なミーティングを設定し、課題を共有することで、最終的に納期通りのリリースに貢献できました。
【例文2】柔軟性

状況に応じた柔軟な対応が強みです。
飲食店のホールスタッフとして、急な団体客の来店時も、他のスタッフと連携して優先順位を組み替え、お客様を待たせることなく対応いたしました。
【例文3】傾聴力

人の意見に耳を傾け、意図を汲み取ることが得意です。
コールセンター業務では、お客様の言葉の背景にある本当のニーズを引き出すことを心がけ、満足度の向上に繋げました。
2. 責任感・誠実さ
【例文4】責任感

任された業務を最後までやり遂げる責任感があります。
在庫管理担当として、小さな数値のズレも見逃さず原因を追究し、月次の棚卸差異をゼロにすることを継続できました。
【例文5】誠実さ

何事にも誠実に取り組むことを信条としています。
小さなミスであっても隠さず迅速に報告・相談することで、大きな問題になる前に対処し、チームからの信頼を得てきました。
【例文6】粘り強さ

目標達成のために粘り強く努力できます。
新規顧客開拓において、当初は成果が出ませんでしたが、アプローチ方法を分析・改善し続けた結果、3ヶ月後には目標の120%を達成しました。
3. 積極性・主体性
【例文7】積極性

新しい知識の習得に積極的です。
前職では、業務効率化のためにRPAツールを自主的に学び、定型業務の自動化を提案・実現しました。
【例文8】主体性

指示を待つのではなく、主体的に課題を見つけて行動できます。
店舗の売上データから客足の鈍い時間帯を特定し、その時間帯限定のセットメニューを店長に提案・実行しました。
【例文9】行動力

課題解決のための行動力があります。
社内の情報共有が不足していると感じ、簡易的な社内報の作成・配信を自ら買って出て、部門間の連携をスムーズにしました。
4. 慎重さ・計画性
【例文10】慎重さ

ミスを防ぐ慎重な確認作業が得意です。
経理として、二重三重のチェック体制を構築し、ヒューマンエラーの削減に貢献しました。
【例文11】計画性

物事を計画的に進めることができます。
複数のタスクが同時進行する際も、優先順位と期限を明確にし、遅延なく業務を完了させてきました。
【例文12】分析力

現状を分析し、改善点を見つけるのが得意です。
Webサイトのアクセス解析を担当し、離脱率の高いページを特定、導線を改善することでコンバージョン率の向上に繋げました。
5. 好奇心・学習意欲
【例文13】好奇心旺盛

常に新しい情報への好奇心を持っています。
業界の最新動向を常にチェックし、得た情報をチーム内で共有することで、サービスの質向上に役立てました。
【例文14】学習意欲

スキルアップのための学習を怠りません。
業務に関連する資格取得に自主的に取り組み、専門知識を深めてきました。
【例文15】吸引力

新しい業務やツールを素早く吸収することが得意です。
未経験だった会計ソフトの操作も、マニュアルと研修を通じて短期間で習得し、即戦力として業務に貢献しました。
5.【短所編】好印象に変える「言い換え一覧」&例文15選

短所を伝える際は、「短所を自覚していること」と「それを改善するために努力していること」をセットで伝えることが重要です。
短所は、裏を返せば長所にもなります。
短所を伝える際の重要ポイント(改善努力をセットで)
短所を伝える際は、単に「心配性です」と述べるだけでは、ネガティブな印象を与えてしまいます。

私の短所は心配性な点ですが、(改善努力)それを補うために、タスクを細分化し、事前にスケジュールを立てて確認作業の時間を必ず確保するようにしています。
このように、改善・対処している具体的な行動を必ず添えましょう。
短所の言い換え一覧表(例:心配性→慎重、頑固→意志が強い)
自分の短所がネガティブすぎると感じる場合は、以下のようにポジティブな側面を持つ言葉に言い換えることができます。
| 短所(ネガティブな側面) | 長所(ポジティブな言い換え) |
|---|---|
| 心配性 | 慎重、リスク管理ができる、準備を怠らない |
| 頑固 | 意志が強い、信念がある、一貫性がある |
| 優柔不断 | 思慮深い、多角的に検討できる、協調性がある |
| マイペース | 周りに流されない、冷静、着実 |
| せっかち | 行動が早い、決断力がある、効率を重視する |
| 負けず嫌い | 向上心が高い、責任感が強い |
| おせっかい | 面倒見が良い、サポート精神がある |
| 飽きっぽい | 好奇心旺盛、新しいことへの挑戦意欲が高い |
| 緊張しやすい | 真面目、誠実、丁寧に物事を進める |
| 神経質 | 細かい点に気がつく、正確性を追求する |
言い換えを使った短所の例文15選
※タイプ分けは長所と同様です。
1. 協調性・柔軟性(の裏返し)
【例文1】優柔不断

私の短所は、時に思慮深くなりすぎ(優柔不断)、決断に時間がかかる点です。
改善のため、選択肢のメリット・デメリットを書き出し、判断軸を明確にしてから上司に相談するなど、迅速な意思決定を心がけています。
【例文2】流されやすい

周囲の意見を尊重するあまり(協調性)、自分の意見を強く主張するのが苦手な側面があります。
現在は、まず相手の意見を受け止めた上で、「私は〇〇とも考えます」と、自分の考えも伝えるよう意識しています。
【例文3】おせっかい

人のサポートをしたい(面倒見が良い)という思いが強く、時に過度に手伝ってしまうことがあります。
最近は、相手が本当に助けを必要としているかを見極め、見守ることも重要だと考えて行動しています。
2. 責任感・誠実さ(の裏返し)
【例文4】頑固

一度決めたことは最後までやり通したい(意志が強い)反面、頑固と見られることがあります。
そのため、タスクの早い段階で周囲の意見を聞き、多角的な視点を取り入れるよう努めています。
【例文5】抱え込みすぎる

責任感が強いあまり、一人で仕事を抱え込んでしまう傾向がありました。
現在は、業務の進捗をこまめにチーム共有し、必要に応じて早めにサポートを依頼することで、全体の効率化を図っています。
【例文6】負けず嫌い

向上心が高い(負けず嫌い)ため、他者と自分を比較しすぎることが短所です。
今は、他者との比較ではなく、過去の自分と比較して成長を実感することに意識を向けるようにしています。
3. 積極性・主体性(の裏返し)
【例文7】せっかち

効率を重視し(行動が早い)、物事を早く進めたいという思いが強く、せっかちになることがあります。
そのため、タスクに着手する前に相手の希望納期を必ず確認し、丁寧さとのバランスを取るよう意識しています。
【例文8】飽きっぽい

好奇心旺盛(飽きっぽい)で、次々と新しいことに関心が移る傾向があります。
この特性を自覚し、一つの業務に集中するためにタスク管理ツールを活用し、完了するまで取り組む仕組みを作っています。
【例文9】猪突猛進

行動力がある反面、時に確認不足のまま進んでしまう(猪突猛進)ことがありました。
現在は、行動を起こす前に「目的は何か」「リスクはないか」を一度立ち止まって考える習慣をつけています。
4. 慎重さ・計画性(の裏返し)
【例文10】心配性

私の短所は心配性な点(慎重)です。
それを補うため、タスクを細分化し、事前にスケジュールを立てて確認作業の時間を必ず確保するようにしています
【例文11】神経質

細かい点に気がつく(神経質)反面、物事の全体像を見失うことがありました。
今は、まず「木を見て森も見る」ように、業務の全体的な目的を常に意識しながら細部を確認するよう努めています。
【例文12】決断が遅い

リスクを多角的に検討する(思慮深い)ため、決断が遅くなることが短所です。
現在は、情報を集める期限を決め、その範囲で最善の判断を下す訓練をしています。
5. 好奇心・学習意欲(の裏返し)
【例文13】一つのことを極めるのが苦手

好奇心旺盛で幅広く知識を吸収する反面、一つのことを深く極めるのが苦手でした。
現在は、まず中核となる専門分野を定め、そこに関連する知識を広げていくよう意識しています。
【例文14】緊張しやすい

真面目に取り組む(緊張しやすい)あまり、プレゼンなどで過度に緊張することがあります。
対策として、入念な準備とリハーサルを重ねることで自信をつけ、本番に臨むようにしています。
【例文15】マイペース

自分のペースで着実に進める(マイペース)ことを好みますが、チームの速度と合わないことがありました。現在は、こまめに周囲の進捗を確認し、全体のスケジュール感を常に意識するよう努めています。
6.これだけは避けよう!性格欄のNG例

良かれと思って書いた内容が、かえってマイナス評価に繋がるケースもあります。以下の3点には特に注意してください。
NG例1:仕事と無関係(例:明るいが、エピソードが私生活のみ)

私の長所は明るいことです。休日は友人とアクティブに過ごしています
このような内容は、人柄は伝わりますが、「仕事でどう活かせるか」が全く見えません。
エピソードは必ず職務に関連したものを選びましょう。
NG例2:抽象的すぎる(例:「コミュニケーション能力が高い」だけ)
「コミュニケーション能力」や「リーダーシップ」は、抽象的な言葉です。
これを書くだけでは、採用担当者は何も判断できません。
ステップ2で解説したような具体的なエピソードを添え、その能力をどう発揮したのかを証明する必要があります。
NG例3:致命的な短所(例:時間を守れない、協調性がない)
社会人としての基本動作に関わる短所(「時間にルーズ」「約束を守れない」「協調性がない」など)や、改善の意欲が見えない短所を書くのは避けるべきです。
短所は、あくまで「改善可能」であり、「長所の裏返し」であるものを選びましょう。
7.書くことがない…自分の性格・強みが見つからない時の自己分析法
「自分にはアピールできるような性格や強みがない」と感じる場合、それは「ない」のではなく、「まだ言語化できていない」だけかもしれません。
以下の方法で、キャリアの棚卸しを試してみてはいかがでしょうか。

① 日常業務を棚卸しする(キャリアの棚卸し)
特別なプロジェクト経験は必要ありません。
日々のルーティン業務の中で、「自分が当たり前にやっていること」「苦もなくこなせること」を書き出してみてください。
「メールの返信が早い(迅速性)」「データの入力ミスがない(正確性)」「頼まれごとを断らない(協調性)」など、それこそが強みの原石です。
② 友人や家族に聞いてみる(ジョハリの窓)
ジョハリの窓 (Johari Window)
自己理解と他者との関係性を促進するために、自己を4つの領域(窓)に分類するモデルです。
① 開放の窓 (Open Self)
自分も他人も知っている側面
② 盲点の窓 (Blind Self)
自分は知らないが、他人は知っている側面
④ 未知の窓 (Unknown Self)
自分も他人もまだ知らない側面
自分では当たり前すぎて気づかない強みを、他人は客観的に見てくれていることがあります。
「ジョハリの窓」自己分析のフレームワークの一つのように、自分では気づかない「盲点の窓」を開く良い機会になります。

家族や友人に「私の長所や短所はどこだと思う?」と尋ねてみるのもいいですね。
③ モチベーショングラフで価値観を探る
これまでの人生で、仕事や学業で「やる気が出た時」と「落ち込んだ時」をグラフにしてみてください。
やる気が上がった時に「なぜ頑張れたのか?」を深掘りすると、大切にしている価値観(=性格の核)が見えてきます。
④ 公的ツールを活用する(厚生労働省 jobtagなど)
客観的な診断ツールを使ってみるのも有効です。
厚生労働省が提供する「jobtag(職業情報提供サイト)」などには、無料で利用できる価値観診断や職業興味検査があります。
これらは、自分の特性を客観的な言葉で知る手助けになります。
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履歴書の性格欄で「人柄」と「経験」の一貫性を示す重要性をご理解いただけたでしょうか。次は、その「経験」を具体的にアピールするための「職務経歴書」を作成しましょう。こちらの記事では職種別の見本と、採用担当者に伝わる書き方を徹底ガイドします。
8.経験と結びつけ、説得力のあるアピールを
履歴書の「性格」欄は、単なるおまけの項目ではありません。
職務経歴書の「経験」と、これから会う「自分自身(人柄)」とを繋ぐ、重要な「一貫性の証明」の場です。
なぜ企業がその質問をするのかという意図を理解し、具体的なエピソードを用いて「経験」と「性格」を結びつけることで、採用担当者に「この人に会ってみたい」と思わせる、説得力のあるアピールが可能になります。
自分自身の経験を丁寧に振り返り、自信を持って性格欄を記述することは、選考を通過するための一助となるはずです。