履歴書の証明写真、「写真館に行く時間もお金もない…でも、スマホで撮った写真で本当に大丈夫?」と悩んでいませんか。結論、スマホ撮影でも全く問題ありません。
この記事では、採用担当者に好印象を与える撮影のコツから、おすすめのアプリ、コンビニでの印刷手順まで、専門家の視点で網羅的に解説します。
お金をかけずに、自信を持って提出できる一枚を準備する方法がすべてわかります。
- スマホでの証明写真撮影からコンビニ印刷までの具体的な全手順
- 採用担当者が写真から読み取る「清潔感」などの評価ポイント
- AIスーツ合成アプリなど、証明写真に関する最新技術と今後の動向
1.はじめに:履歴書の写真はスマホで撮影しても問題ない

結論からお伝えすると、スマートフォンのアプリなどで撮影した証明写真を履歴書に使用することは、基本的に問題ありません。
実際に、多くの転職サイトや就職支援サービスでも、スマホを使った撮影方法が紹介されています。
ただし、「どんな写真でも良い」というわけではない点に注意が必要です。
ある調査によると、採用担当者の約7割が「履歴書の写真が選考に影響する」と回答しており、写真から最も感じ取る印象は「清潔感」であると示されています。
つまり、スマホで撮影すること自体が問題なのではなく、その「品質」が問われるのです。
この記事では、採用担当者に好印象を与える、高品質な証明写真をスマホで作成するための全手順を、具体的なステップに沿って解説していきます。
2.スマホで証明写真を撮るための「7つのステップ」

ここからは、実際にスマホで証明写真を撮影し、印刷するまでの流れを7つのステップで具体的に見ていきましょう。
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証明写真の準備と並行して、履歴書全体の正しい書き方も確認しておきましょう。学歴・職歴欄はもちろん、自己PRや志望動機で採用担当者に好印象を与えるためのポイントは様々です。以下の記事で全体像を掴み、万全の態勢で書類選考に臨みましょう。
ステップ1:準備編
まず、撮影を始める前に、服装や背景、機材などの準備を整えます。
服装は、応募先の業界や職種に合わせ、清潔感のあるものを選びます。
基本的にはスーツが無難ですが、私服可の企業であれば、ビジネスカジュアル(ジャケットに襟付きのシャツなど)でも良いでしょう。
髪型は顔がはっきりと見えるように整え、過度なメイクは避けます。


背景は、無地の白か、それに近い明るい色の壁を選びましょう。
もし適切な壁がない場合は、白い模造紙やシーツを壁に貼って代用することも可能です。
顔に影ができないよう、照明は非常に重要です。最もおすすめなのは、日中の自然光です。窓際で、顔に均等に光が当たる場所を探しましょう。
暗い場合は、白い紙やアルミホイルを貼った板などを膝の上に置き、「レフ板」代わりにすると、顔色を明るく見せる効果があります。
手で持って撮影すると、顔が歪んだり、角度が不自然になったりしがちです。
スマートフォン用の三脚やスタンドを使い、カメラを固定して撮影しましょう。セルフタイマー機能やリモートシャッターを使えば、腕が写り込む心配もありません。
ステップ2:撮影編
準備が整ったら、いよいよ撮影です。姿勢や表情のポイントを押さえましょう。
姿勢と角度

背筋をまっすぐに伸ばし、肩の高さを水平に保ちます。カメラは自分の目線と同じ高さか、少しだけ上になるように設置します。顎を軽く引き、カメラをまっすぐに見据えましょう。
表情

歯が見えない程度に、口角を少しだけ上げて微笑むのが基本です。真顔だと硬い印象に、笑いすぎると不真面目な印象を与えてしまう可能性があります。鏡を見ながら、自然で明るい表情を練習してみましょう。
納得がいくまで何度でも撮り直せるのが、スマホ撮影の最大のメリットです。様々な表情や角度を試してみてください。
ステップ3:アプリ活用編
撮影した写真は、証明写真用のアプリを使って適切なサイズに加工します。多くのアプリがありますが、特に「履歴書カメラ」などが有名で、多くの記事で推奨されています。
これらのアプリには、サイズ調整(一般的な履歴書サイズは縦40mm×横30mm)や、肌をきれいに見せる補正機能などが備わっています。
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スマホでの撮影に役立つのが、証明写真作成に特化したアプリです。こちらの記事では数あるアプリの中から、本当に無料で使えて高機能なものを厳選して5つご紹介します。それぞれのアプリの特徴や、撮影時に失敗しないための具体的なコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ステップ4:編集編
多くのアプリには、肌の補正やクマを消すといった編集機能があります。多少の補正は問題ありませんが、実物と大きくかけ離れた過度な加工は絶対に避けましょう。
採用担当者は、写真と実物のギャップに違和感を覚える可能性があります。あくまで「清潔感を出す」ための、自然な範囲に留めることが重要です。
ステップ5:印刷編
編集が完了した写真は、コンビニエンスストアのマルチコピー機で手軽に印刷できます。多くの証明写真アプリには、コンビニのプリントサービスと連携する機能がついています。
アプリの指示に従って予約番号を発行し、店頭のマルチコピー機に入力するだけで、簡単に証明写真用の光沢紙に印刷することが可能です。
ステップ6:データ化編
Webエントリーシートなどで写真データの提出を求められることも増えています。多くの証明写真アプリでは、作成した写真を画像データ(JPEG形式など)としてスマートフォン本体に保存できます。
ファイルサイズや形式を指定される場合もあるため、応募先の要件をよく確認しましょう。
ステップ7:最終チェック編
最後に、提出前に以下の点を確認しましょう。
これらのチェックをクリアすれば、自信を持って提出できる証明写真の完成です。
3.【採用担当者の本音】写真から何を見ているのか?
そもそも、なぜ履歴書に写真が必要なのでしょうか。
キャリアコンサルティングの視点から見ると、写真は単なる本人確認だけでなく、「自己管理能力」や「TPOへの意識」を見るための材料として解釈されることがあります。
心理学には「初頭効果」という言葉があり、これは最初に与えられた情報が、その後の印象に強く影響を与えるというものです。
履歴書において、写真はこの初頭効果を担う重要な要素です。雑に撮られた写真からは、「仕事も雑なのではないか」という印象を持たれかねません。
調査データが示す通り、採用担当者が最も重視するのは「清潔感」です。丁寧に準備された高品質な写真は、それだけで「この人は入社後も、きちんと準備をして仕事に臨んでくれるだろう」というポジティブなメッセージを伝えることができるのです。
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4.【新時代】AI技術の進化と履歴書写真の未来
最近では、AI技術を活用した証明写真アプリも登場しています。
私服で撮影した写真に、後から自然なスーツを合成してくれるアプリ や、AIが自動で最適な表情や背景を提案してくれるサービスもあります。
これらの技術は非常に便利ですが、編集と同様に、倫理的な使用と、やり過ぎないことが重要です。
AIによる補正は、あくまで自分の魅力を引き出すための補助ツールとして、賢く活用していく姿勢が求められます。
参考:CANVA 無料の証明写真アプリおすすめ11選!スマホで履歴書の写真を作成する方法や注意点を紹介
5.コラム:なぜ履歴書から「写真」が消える日が来るのか?
ここまで写真の重要性について解説してきましたが、一方で、履歴書から写真欄をなくす動きも世界的に広がっています。
これは、外見で人を判断する「ルッキズム(外見至上主義)」が、無意識の偏見を生み、公正な採用選考を妨げるという考え方に基づいています。
大手企業ユニリーバが、採用応募書類から顔写真や名前、性別などの個人情報をなくす「ブラインド採用」を導入したことは、大きな話題となりました。
参考:LIFULL 自分は「偏見」を持っていない、なんてない。
現在の日本では、まだ履歴書に写真を貼付するのが一般的ですが、将来的には、個人の能力や経験そのものに、より焦点が当てられる採用スタイルが主流になっていくかもしれません。
6.まとめ
スマホでの証明写真撮影は、もはや当たり前の選択肢です。
重要なのは、写真館で撮るかスマホで撮るかではなく、提出する写真が「清潔感」と「丁寧さ」を伝えられる品質であるかどうかです。
この記事で紹介した具体的なステップを実践すれば、コストを抑えつつ、採用担当者に好印象を与える証明写真を準備できます。
写真一枚にも心を配るその丁寧な姿勢が、きっと選考での良い結果に繋がるはずです。