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【転職と子作り】最適なタイミングは?|法的権利と判断基準

「キャリアアップのために転職したい、でも、そろそろ子どもも欲しい…」

キャリアとライフプランが交差するこの時期、「転職」と「子作り」のタイミングについて悩みませんか?

その不安の多くは、不正確な情報と、「会社に迷惑をかけてしまうかもしれない」という心理的な負担から生じています。

この記事でお伝えしたいのは、まず「法律で守られている権利」と「職場への配慮」を分けて考えるということです。

本記事では、そのための具体的な判断材料と知識を、キャリアと労務の視点からお伝えします。

この記事を読んでわかること
  • 産休・育休や給付金の正しい知識について
  • 転職と子育てのケース別メリット・デメリット・体験談
  • 子育てしやすい会社のチェックリスト

1.【結論】転職と子作り、どちらを優先すべき?

【結論】転職と子作り、どちらを優先すべき?

転職と子作り、どちらを優先すべきか。この問いに「正解」はありません。

現職の福利厚生、年齢、キャリアプランなど、個々の状況によって最適な選択は異なります。

大切なのは、それぞれの選択肢が持つ意味を正しく理解し、ご自身が納得できる判断軸を持つことです。

そのために、まずはキャリアとライフプランを支える「お金と休み」に関する法的なルールから確認していきましょう。

2.まず知っておきたい妊娠・育児に関する「お金と休み」の法的知識

まず知っておきたい妊娠・育児に関する「お金と休み」の法的知識

「産休」と「育休」は全くの別物です

混同されがちですが、「産休(産前産後休業)」と「育休(育児休業)」は、根拠となる法律も取得できる条件も異なります。

産休(産前産後休業)

労働基準法に基づく制度で、出産予定日の6週間前から出産後8週間まで取得できる休業です。

これは働く女性の母体を保護するための制度であり、勤続年数や雇用形態に関わらず、すべての女性労働者が取得できる権利です。転職直後であっても問題なく取得できます。

育休(育児休業)

育児・介護休業法に基づく制度で、原則として子どもが1歳になるまで取得できる休業です。

しかし、こちらには注意点があります。会社と労働者の間で労使協定が結ばれている場合、「入社1年未満の従業員」を育休の対象外とすることが認められています。

多くの企業でこの協定が導入されているため、転職後すぐに妊娠した場合、育休が取得できない可能性があるのです。

「育児休業給付金」がもらえないケースに注意

育休中の生活を支える重要な制度が「育児休業給付金」です。これは雇用保険から支給されますが、受給には条件があります。

それは、「育児休業を開始する前の2年間に、11日以上働いた月が12か月以上あること」です。

転職してすぐに育休に入ろうとした場合や、退職から再就職までに長い空白期間があると、この条件を満たせず、給付金が受け取れない可能性があります。

妊娠を理由とする不利益な扱いは法律で禁止されています

男女雇用機会均等法では、妊娠・出産などを理由とした解雇や降格といった不利益な取り扱いを禁止しています。

これは、働く女性が安心して母性を尊重され、能力を発揮できる環境を守るための重要なルールです。正しい知識を持つことが、自身の権利を守る第一歩となります。

3.【ケース別】メリット・デメリット・体験談から考える最適なタイミング

ケース1:「転職」を優先する場合

キャリアを中断することなく、新しい環境でスキルアップや実績作りに集中できます。子育てが始まる前に職場でしっかりと信頼関係を築いておくことで、復職後の働きやすさにも繋がります。

希望するタイミングでの妊活開始が、1〜2年程度先になる可能性があります。また、新しい環境に慣れるまでのストレスも考慮する必要があります。

体験談

女性

前職は残業が多く、子育てとの両立は難しいと感じていました。

そこで、子育て支援に力を入れている会社に転職することを決意。

面接の段階で『将来的に子どもを持ちたいと考えている』と正直に伝え、女性社員の育休取得率などを確認しました。

入社後1年間は仕事に集中し、成果を出すことで周囲の信頼を得られたので、妊娠の報告も温かく受け入れてもらえました。

会社の規定通り、育休や時短勤務の制度もしっかり利用でき、安心して出産・育児に臨むことができています。

ケース2:「子作り(妊活)」を優先する場合

現職の福利厚生や人間関係の中で、安心して産休・育休を取得できます。特に育休取得や給付金の条件を確実に満たせる点は大きな安心材料です。

育児が落ち着いてから転職活動を再開する場合、ブランク期間が選考に影響する可能性や、子育てと転職活動の両立が大変になる可能性があります。

体験談

女性

子どもが1歳になるタイミングで元の職場に復帰しました。産休・育休は今の会社でしっかり取得し、育児休業給付金も満額受給できたので、経済的な不安なく育児に専念できたのは本当に良かったです。

ただ、復帰してみると、時短勤務でも対応が難しい業務量や、急な発熱などでの早退に理解が得られにくい環境であることがわかりました。

そこで、子どもが保育園に慣れたタイミングを見計らって転職活動を開始

面接では『子育てと両立するため、時間管理能力には自信があります』とポジティブに伝え、残業が少なく、リモートワークも可能な会社に転職できました。結果的に、以前より心に余裕を持って、仕事と育児を両立できています。

退職手続きについてはこちらの記事でくわしく紹介しています。

【退職手続きやることリスト】円満退職準備~退職後の手続きまで解説
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退職の法的権利から円満な進め方、業務引継ぎ、退職後の健康保険手続きまで解説。2週間前申し出の権利と実際の円満退職のコツ
https://riretsuku.jp/media/contents/resignation-to-do-list/

履歴書・職務経歴書作成についてはこちらの記事でくわしく紹介しています。

履歴書・職務経歴書の作成、もう悩まない!書き方を徹底解説
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この記事では、「キャリア設計」「心理的サポート」「法的な自己防衛」という3つの視点から解説していきます。
https://riretsuku.jp/media/contents/making-of-a-resume-the-curriculum-vitae/

4.転職後に妊娠を考えるなら、タイミングは「入社1年後」が一つの目安

法的な権利と職場への配慮の両面から考えると、転職後に子作りを始めるタイミングは「入社から1年後」が一つの合理的な目安と言えるでしょう。

多くの企業で設けられている「勤続1年以上」という育休取得の条件を満たすことができます。

入社後1年間、業務に集中して成果を出すことで、周囲からの信頼や理解を得やすくなります。

その結果、産休・育休からのスムーズな復帰や、その後のキャリア形成にも良い影響が期待できます。

5.子育てしやすい会社を見つけるためのチェックポイント

これから転職するなら、制度が整っているだけでなく、子育てに理解のある文化が根付いている企業を選びたいものです。以下の点をチェックしてみましょう。

チェックポイント

  • 産休・育休の取得実績:制度があるだけでなく、実際にどれくらいの社員が利用しているかを確認しましょう。特に男性の育休取得率は、企業の子育てへの理解度を測る一つの指標になります。
  • 時短勤務などの柔軟な働き方:子育て中の社員が、どのような働き方をしているか。面接の逆質問などで「子育てと両立しながら活躍されている方はいらっしゃいますか?」と尋ねてみるのも良いでしょう。
  • 平均勤続年数や女性管理職の割合:女性が長期的にキャリアを築きやすい環境かどうかの参考になります。

6.正しい知識を武器に、後悔しない選択を

「転職」と「子作り」のタイミングに、万人共通の正解はありません。

最も大切なのは、ご自身が持つ権利を正しく理解し、様々な可能性を比較検討した上で、納得して決断することです。

この記事で得た知識が、ご自身のキャリアプランとライフプランを両立させるための、心強い「お守り」となれば幸いです。

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