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履歴書・職務経歴書の作成、もう悩まない!書き方を徹底解説

就職・転職活動を始めようとするとき、多くの人が最初に直面するのが「履歴書」と「職務経歴書」の作成ではないでしょうか。「何から書けばいいの?」「自分の経歴でアピールできることなんてあるだろうか…」そんな不安を感じてしまう方も少なくないはずです。

でも、安心してください。応募書類は、単なる「転職のための作業」ではありません。それは、あなたのキャリアを深く見つめ直す「自己分析ツール」であり、「戦略的な設計図」でもあります。そして、採用担当者にあなたの価値を公正に伝え、不当な評価から身を守るための「公式な証明書」でもあります。

この記事では、「キャリア設計」「心理的サポート」「法的な自己防衛」という3つの視点から解説していきます。

この記事を読んでわかること
  • 履歴書と職務経歴書の役割の明確な違い
  • 採用担当者に響く、具体的な実績の伝え方(STARメソッド)
  • 「書くことがない」などケース別の悩みの解決策
目次

1.そもそも履歴書と職務経歴書って何が違うの?【キャリアの基礎知識】

そもそも履歴書と職務経歴書って何が違うの?【キャリアの基礎知識】

応募書類の準備を始める前に、まずは「履歴書」と「職務経歴書」の役割の違いをしっかり理解しておきましょう。この二つは似ているようで、実は全く異なる目的を持っています。

履歴書は「公的なプロフィール」、職務経歴書は「価値を伝えるプレゼン資料」

履歴書は、あなたの学歴や職歴、資格といった基本情報を証明するための「公的な性格を持つ書類です。採用担当者は、まず履歴書を見て、応募者が募集の必須条件を満たしているかを確認します。間違いのないように、正確に事実を記入することが大切です。

一方、職務経歴書は、これまでの仕事でどんな経験を積み、どんな実績を上げてきたかをアピールするための「自己PRのためのマーケティング資料と言えます。決まった形式はなく、あなたのスキルや経験が、応募先の企業でいかに貢献できるかを自由に表現できる場なのです。

採用担当者はどこを見ている?【キャリア・法務の視点】

採用担当者は毎日多くの応募書類に目を通しています。そのため、短時間で効率的に情報を読み取ろうとします

最初の30秒ほどの「初期スクリーニング」では、誤字脱字がないか、募集の必須条件を満たしているかといった基本的な点を確認します。ここで「雑な仕事をする人かもしれない」という印象を与えないよう、丁寧な作成を心がけましょう。

その後、「詳細評価」の段階では、あなたの経歴から「企業への熱意」「具体的な実績」「論理的な思考力」そして「経歴全体の一貫性」などを読み取ろうとします。

特に、実績は「頑張りました」といった曖昧な言葉ではなく、具体的な数字で示すことが、あなたの価値を客観的に伝える上で非常に重要になります。

2.応募書類作成の前に!あなたの「強み」を見つける自己分析【キャリア×心理の視点】

「さあ書こう!」と思っても、いきなりパソコンに向かうのは少し待ってください。魅力的な応募書類を作るための最も重要なステップは、あなた自身のことを深く理解する「自己分析」です。

「Will-Can-Must」で考える、あなただけの仕事選びの軸

Will-Can-Must

自己分析のフレームワークとして有名なのが「Will-Can-Must」です。3つの円が重なる部分に、理想的なキャリアのヒントが隠されています。

この3つを書き出して整理することで、どんな企業に応募すべきか、そして職務経歴書で何をアピールすべきかが明確になります。

経験を価値に変える「ポータブルスキル」の見つけ方

「特別なスキルなんてない」と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。どんな仕事にも、業種や職種が変わっても通用する「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」が必ず存在します。

例えば、「後輩の指導をしていた」経験は「指導力」や「育成力」というスキルに、「複数の業務を同時に進めていた」経験は「段取り力」や「マルチタスク能力」としてアピールできます。日々の当たり前の業務の中に、あなたの強みは眠っているのです。

参考:厚生労働省 ポータブルスキル見える化ツール

「書くことがない」と悩んでしまった時の心理的アプローチ

「書くことがない」と感じるのは、能力がないからではなく、自分の経験を「強みとして言語化できていない」だけの場合がほとんどです。また、「完璧な実績でなければ価値がない」という「白黒思考」に陥っているのかもしれません。

もしそう感じたら、一度深呼吸をしてみてください。不採用はあなたの人格否定ではなく、単に企業との「ミスマッチ」だったというだけです。結果ではなく、「応募書類を一つ作成した」というあなたの行動そのものを認め、褒めてあげましょう。

3.採用担当者に伝わる職務経歴書の書き方:5つのステップ

採用担当者に伝わる職務経歴書の書き方:5つのステップ

自己分析で自分の武器が見えてきたら、いよいよ職務経歴書を作成していきましょう。以下の5つのステップで進めると、論理的で分かりやすい書類が作成できます。

Step1:まずはキャリアの棚卸しをしよう

これまでの仕事内容、役職、実績などを時系列で全て書き出してみましょう。どんな小さなことでも構いません。「キャリアの棚卸し」を行うことで、自分でも忘れていた経験やスキルの発見につながります。

今ではAIを使って気軽にキャリアの棚卸しができるので、試してみるのも有りかもしれません。

参考:BUSINESS INSIDER 次の仕事を考え始めたら、ChatGPTで「キャリアの棚卸し」をしてみよう。転職迷子になる前に

Step2:応募先に合わせて構成(フォーマット)を選ぶ

職務経歴書にはいくつかの形式があります。自分のキャリアパスに最も適したものを選びましょう。

Step2:応募先に合わせて構成(フォーマット)を選ぶ

Step3:読み手を惹きつける「職務要約」の作り方

冒頭に書く3〜5行程度の「職務要約」は、採用担当者が最初に目にする最重要項目です。ここで興味を引けなければ、続きを読むことなく書類を閉じられてしまう可能性もあります。

これまでのキャリア、スキル、最もアピールしたい実績を簡潔にまとめ、あなたが「何者」であるかを明確に伝えましょう。

Step4:実績は「STARメソッド」と「数字」で具体的に語る

実績を伝える際は、「STARメソッド」というフレームワークを使うと、非常に分かりやすく説得力のあるストーリーになります。

STARメソッドとは

  • S (Situation):どのような状況で?
  • T (Task):どのような課題や目標があり?
  • A (Action):それに対して、あなたがどう行動し?
  • R (Result):その結果、どんな成果が出たのか?

そして、成果 (Result) は「売上を前年比15%向上させた」のように、必ず具体的な「数字」を用いて定量化しましょう。曖昧な表現を避け、客観的な事実を示すことで、アピールの信頼性が格段に高まります。

Step5:自己PRは「経験の再現性」と「企業への貢献意欲」で締めくくる

自己PR欄では、これまでの経験で得た強みを、応募先企業でどのように活かし、貢献できるかを具体的に述べます。自分の強みが、企業の課題解決や目標達成にどう繋がるのかを論理的に説明することで、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思わせることがゴールです。

採用担当者に響く職務経歴書の自己PRの書き方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

職務経歴書の自己PRは「調査」が9割!採用担当者に響く例文とコツ
職務経歴書の自己PRは「調査」が9割!採用担当者に響く例文も
本記事では、採用担当者の視点や各種調査データに基づき、職務経歴書の自己PRを「戦略的プレゼンテーション」として捉え、論理的に作成していくための具体的な方法を解説します。
https://riretsuku.jp/media/contents/resume-self-promotion/

4.【ケース別】職務経歴書の悩み解決【キャリア×心理の視点】

【ケース別】職務経歴書の悩み解決Q&A【キャリア×心理の視点】

ここでは、多くの方が抱えがちな個別の悩みについて、具体的な解決策を提案します。

悩み1:職歴が浅い・アピールできる実績がない場合は?

実績の大きさを気にする必要はありません。大切なのは、仕事に対してどのような姿勢で取り組み、何を学んだかです。

具体的な業務内容や、仕事のプロセスで工夫した点を詳細に書き出しましょう。学習意欲や今後のポテンシャルをアピールすることが鍵となります。

悩み2:キャリアにブランク(空白期間)がある場合は?

ブランク期間がある場合、その理由を正直かつ前向きに説明するようにしましょう。

例えば、資格取得の勉強をしていた、育児や介護に専念していたなど、その期間に何を得たのかを伝えられれば、マイナスの印象にはなりません。職務内容ごとにまとめる「キャリア式」のフォーマットを選ぶのも有効な方法です 。

悩み3:役職経験がない場合はどうアピールすればいい?

役職経験がなくても、リーダーシップを発揮した経験はアピールできます

「後輩の指導を担当した」「プロジェクトで率先して情報共有を行った」など、チームにどのように貢献したかを具体的に書きましょう。役職名ではなく、あなたの「行動」そのものが評価されます。

5.履歴書の書き方で押さえるべき重要ポイント

履歴書の書き方で押さえるべき重要ポイント

履歴書は公的な書類としての性格が強いため、いくつか法的な観点からも注意すべき点があります。

学歴・職歴は正直に。経歴詐称のリスクとは?

当然のことですが、学歴や職歴を偽る「経歴詐称」は絶対にしてはいけません。もし入社後に発覚した場合、就業規則によっては懲戒解雇の理由となる可能性もあります。事実を正確に記載しましょう。

参考:労働問題弁護士ガイド 経歴詐称はバレる!詐称が発覚するリスクと解雇を回避する方法

「本人希望記入欄」は何を書くのが正解?

給与や待遇面で絶対に譲れない条件がある場合を除き、基本的には「貴社の規定に従います。」と記入するのが最も無難です。

ここで多くの条件を書いてしまうと、「柔軟性がない」という印象を与えかねません。具体的な希望は、面接が進んでから話し合うのが一般的です。

「本人希望記入欄」記入が必要なケースと記入例

勤務地に関する絶対条件の例

複数の支社や事業所がある企業で、特定の勤務地でしか働けない場合。

書き方の例: 「家族の介護のため、勤務地は〇〇支店を希望いたします。」

勤務時間や日数に関する絶対条件の例

育児や介護、あるいは大学院での修学など、物理的に勤務時間が限られる場合。

書き方の例: 「子供の保育園送迎のため、17時までの勤務を希望いたします。」

書き方の例: 「家庭の事情により、週4日(月・火・水・木)の勤務を希望いたします。」

職種に関する絶対条件の例

「営業職または企画職」のように複数の職種で募集がかかっており、自身の希望が明確に一方である場合。

書き方の例: 「希望職種は企画職です。」

厚生労働省が推奨する様式とは?

ハローワークなどでは、公正な採用選考のために、性別欄が任意記載であったり、通勤時間や扶養家族数の記入欄がなかったりする「厚生労働省履歴書様式例」の利用を推奨しています。どの様式を使うか迷った場合は、こちらを参考にすると良いでしょう。

参考:厚生労働省 厚生労働省が新たに作成した「履歴書様式例」を掲載しました。ハローワーク 履歴書・職務経歴書の書き方

6.書類が完成したら…提出前に知っておきたいマナーと注意点

書類が完成したら…提出前に知っておきたいマナーと注意点

素晴らしい書類が完成しても、最後の提出で印象を悪くしては元も子もありません。基本的なマナーをしっかり押さえておきましょう。

メールで送る場合のマナー

件名は「【氏名】〇〇職応募の件」のように、誰からの何のメールか一目で分かるようにします。本文では、簡潔な挨拶と応募の経緯を述べ、添付ファイル名を明記しましょう。ファイルはパスワードをかけずに送るのが一般的です。

郵送する場合の封筒の書き方

白いA4サイズの封筒を使用し、宛名は正確に記載します。左下に赤字で「応募書類在中」と書き、四角で囲むのを忘れずに。

書類はクリアファイルに入れてから封筒に入れると、雨に濡れたり折れ曲がったりするのを防げます。

法律で禁止されている「不適切な質問」への心構え【法務の視点】

万が一、面接の場で本籍地や家族構成、支持政党など、応募者の適性や能力とは関係のない不適切な質問をされた場合、答える義務はありません

こうした知識を「心の鎧」として持っておくことで、あなたは「評価される弱い立場」ではなく「企業を評価する対等なパートナー」として、堂々と面接に臨むことができます。

7.履歴書・職務経歴書作成で成功する転職活動を

履歴書・職務経歴書の作成は、単なる転職のための作業ではなく、キャリアを見つめ直す重要な自己分析ツールです。履歴書は基本情報を証明する公的書類、職務経歴書はスキルや実績をアピールするマーケティング資料という役割の違いを理解することが第一歩。

「Will-Can-Must」のフレームワークで自己分析を行い、ポータブルスキルを発見し、STARメソッドを使って実績を具体的な数字で表現することが効果的です。経歴詐称は避け、正直に記載し、本人希望記入欄は必要最小限にとどめることが大切です。

記事を書いた人
mitadera
三田寺真由子

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