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転職で保育園は退園になる?失敗しない転職タイミング完全ガイド

「育休が明けるこの機会に、キャリアアップしたい」
「子どもの成長に合わせて、もっと柔軟な働き方ができる会社に移りたい」

子育て中の保護者にとって、転職はキャリアを再構築する大きなチャンスです。

しかし、その一方で、「転職活動が原因で、せっかく決まった保育園の内定が取り消されたらどうしよう…」という懸念を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか?

たしかに、転職のタイミングを誤ると、保育園の在園資格に影響が出るのは事実です。しかし、自治体のルールを正しく理解し、計画的に行動すれば、キャリアと子育ての両立は十分に可能です。

この記事では、転職によって保育園の内定や在園資格を失わないための「知識」と、キャリアの可能性を広げるための「スケジュール」を具体的に解説します。

この記事を読んでわかること
  • 転職で仕事に空白期間ができた場合に生じる保育園の退園リスクについて
  • 退園リスクを回避するために確認すべき自治体ごとの「求職猶予期間」のルールについて
  • 保育園の在園資格を守りながら転職するための安全な活動スケジュールとタイミングについて

1.【結論】転職で保育園は退園になる?答えは「タイミングと自治体のルール次第」

【結論】転職で保育園は退園になる?答えは「タイミングと自治体のルール次第」

「転職したら、保育園は退園になりますか?」という問いに対する結論は、「退職から次の入社までの空白期間(離職期間)を作らないようにすれば、原則として退園にはならないが、最終的には自治体のルールによる」となります。

認可保育園は、保護者の就労などを理由に「家庭での保育が困難な状況」であることが入園の条件です。

そのため、転職によって一時的にでも無職の期間ができてしまうと、この条件から外れ、退園のリスクが生じます。

しかし、多くの自治体では、転職のための一定の「求職猶予期間」を設けています。この仕組みを正しく理解し、計画的に行動することが、保育園とキャリアの両方を守るための鍵となります。

2.転職成功の鍵を握る「就労証明書」と「求職猶予期間」とは

転職成功の鍵を握る「就労証明書」と「求職猶予期間」とは

参考:新宿区就労証明書

なぜ転職で退園リスクが生まれるのか?その仕組みを解説

保育園の在園資格は、自治体に提出する「就労証明書」によって証明されます。

転職するということは、古い会社の就労証明書が無効になり、新しい会社の就労証明書を提出し直す必要がある、ということです。

この書類の切り替えがスムーズに行われないと、自治体は「保護者が働いていない状態」と判断し、退園の検討に入ってしまう可能性があります。

特に、保育園の申し込み後や内定後、入園直後のタイミングでの転職は、慎重な行動が求められます。

【就労証明書】が切れるタイミングに注意

重要なのは、退職日をもって、前の会社の就労証明書は効力を失うという点です。一方で、新しい会社の就労証明書は、原則として入社日以降でなければ発行されません

つまり、退職日の翌日から次の会社の入社日まで1日でも空白があれば、その期間は「就労していない」状態になります。

この空白期間を作らない、あるいは自治体が許容する期間内に収めることが、保護者の転職活動において重要です。

自治体ごとに違う「求職猶予期間」の確認方法

「求職猶予期間」とは、保護者が離職した場合でも、すぐに退園とはならず、求職活動をするために在園を継続できる期間のことです。

この期間は自治体によって大きく異なり、一般的には1ヶ月から3ヶ月程度とされています。

しかし、自治体によっては独自のルールがあるため、必ず自身の住む市区町村のウェブサイトで確認するか、保育課の窓口に直接問い合わせましょう。

「〇〇市 保育園 求職期間」などのキーワードで検索すると、情報が見つかりやすいです。

3.【ケース別】保育園の内定・在園資格を守る転職のベストタイミング

【ケース別】保育園の内定・在園資格を守る転職のベストタイミング

ケース1:育休から復職せず、すぐに転職する場合

育休明けで現在の会社に復職せず、4月1日から新しい会社で働き始めるケースです。

この場合、保育園の入園申し込み時点では元の会社の名前で就労証明書を提出し、入園が決まった後、速やかに転職先の就労証明書を提出し直す必要があります。

入園前に転職活動が終わっている必要があるため、スケジュール管理が非常に重要です。

ケース2:一度復職し、慣らし保育が終わってから転職する場合(最も安全)

最もリスクが低いのがこの方法です。

一度現在の職場に復職し、子どもの慣らし保育も終えて生活が落ち着いてから転職活動を開始します。

この方法であれば、在職中に転職活動を行い、次の職場が決まってから退職するため、空白期間が生まれません

保育園の在園資格を心配することなく、落ち着いて転職活動に臨めます。

ケース3:子どもが在園中に転職する場合

子どもがすでに保育園に通っている途中で転職する場合も、基本的な考え方はケース2と同じです。

在職中に次の職場を決め、退職日の翌日が入社日になるように調整することで、退園リスクをほぼゼロにできます。

応募先の面接で、入社希望日として「現在勤務中の会社の退職後、空白期間なく勤務を開始したい」と伝えておくとスムーズです。

退職手続きについてはこちらの記事でくわしく紹介しています。

【退職手続きやることリスト】円満退職準備~退職後の手続きまで解説
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退職の法的権利から円満な進め方、業務引継ぎ、退職後の健康保険手続きまで解説。2週間前申し出の権利と実際の円満退職のコツ
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履歴書・職務経歴書作成についてはこちらの記事でくわしく紹介しています。

履歴書・職務経歴書の作成、もう悩まない!書き方を徹底解説
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この記事では、「キャリア設計」「心理的サポート」「法的な自己防衛」という3つの視点から解説していきます。
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4.保護者の転職活動【5つの注意点】

保護者の転職活動【5つの注意点】

1. まずは自治体の保育課にルールの確認を

ウェブサイトを確認するだけでなく、匿名で電話して「転職を検討しているが、在園資格を維持するためにはどのような手続きが必要か」を具体的に確認しましょう。

2. 転職先に「入社前」に就労証明書をもらえるか確認する

事情を説明し、内定が出た段階で、入社予定日記入済みの就労証明書を早めに発行してもらえるか確認しましょう。これがあれば、自治体への手続きがスムーズに進みます。

3. 空白期間(離職期間)をなるべく作らないスケジュールを組む

有給休暇の消化などをうまく活用し、退職日と入社日を調整しましょう。

やむを得ず空白期間ができてしまう場合は、自治体の「求職猶予期間」内に必ず再就職できるよう、計画的に活動を進める必要があります。

4. 夫婦どちらかの転職が「点数」に与える影響を理解する

保育園の選考における「点数」は、夫婦の就労状況で決まります。

例えば、正社員からパートタイムに変わる場合など、働き方の変更が点数に影響し、次の年度の継続利用や、下の子の入園選考で不利になる可能性も理解しておきましょう。

5. 認可外保育園や一時保育も選択肢に入れる

万が一、空白期間が長引きそうな場合や、手続きがうまくいかなかった場合に備え、地域の認可外保育園や一時保育、ベビーシッターなどの情報を事前に集めておくと、精神的な安心材料になります。

5.正しい知識で、キャリアも子育ても諦めない

子育て中の転職活動は、独身の時とは異なり、保育園という制約が伴います。

しかし、退園リスクは決して「運」ではなく、「知識」と「計画」で乗り越えられる壁です。

本記事で解説した「就労証明書」と「求職猶予期間」の仕組みを正しく理解し、自身のキャリアプランと子どもの生活を両立させる、最適な転職タイミングを見つけてください。

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