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履歴書の賞罰はどこまで書くべき?基準と書き方を徹底解説

履歴書の「賞罰」欄を書く際、「この経歴は賞に当たるのか?」「昔の交通違反は罰として書くべきか?」と悩むことはありませんか?

特に「罰」については、どこまで申告すべきか、書かなかった場合に「経歴詐称」になるのではないか、と判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、法的な定義や実務上の観点から、賞罰の法的な定義、企業がなぜ賞罰を知りたいのか、そして「どこまで書くべきか」という具体的な基準を、例文と共に詳しく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 履歴書の「賞罰」が指す具体的な定義(賞と罰の範囲)
  • 「罰」として記載すべき刑事罰と、記載不要な交通違反(行政罰)との明確な違い
  • 賞罰を偽った場合の「経歴詐称」リスクと、賞罰欄の正しい書き方

1.履歴書の「賞罰」とは?なぜ申告が必要か

そもそも「賞罰」とは、どのような意味で履歴書に書くものなのでしょうか。

まずは「賞」と「罰」の定義を整理し、企業がそれを求める背景を理解しておきましょう。

「賞」は受賞歴、「罰」は有罪判決が確定した犯罪歴

まず、「賞」と「罰」の言葉の定義から見ていきましょう。

「賞」と「罰」

「賞」:一般的に、公的な機関や権威ある団体から授与された表彰や受賞歴を指します。
「罰」:一般的に、有罪判決が確定した「刑事罰」(犯罪の経歴)を指します。

参考:コトバンク  

履歴書において問題となるのは、主に「罰」の解釈です。

どこまでの範囲を記載すべきか、法的な観点も踏まえて後ほど詳しく解説します。

なぜ賞罰の申告が必要?:企業との信頼関係と「告知義務」

企業が賞罰欄を設ける最大の理由は、「応募者の信頼性や適格性を確認するため」です。

企業は、従業員と「労働契約」を結びます。この契約は、お互いの信頼関係(信義則)に基づいて成立します。

もし、採用の判断に重大な影響を与える可能性のある「罰」(特に犯罪歴)を意図的に隠していた場合、この信頼関係の基盤が揺らぎます。

法的な観点では、応募者には「真実を告知する義務(告知義務)」があると解釈されるケースがあり、賞罰欄は、この告知義務を果たすための項目でもあるのです。

2.【賞】の基準:アピールになるもの・書かないほうがよいもの

「賞」については、「罰」ほど厳密なルールはありませんが、応募先企業へのアピールになるかどうか、という視点で判断します。

記載すべき「賞」の目安(全国規模・公的な表彰など)

記載すべき「賞」の目安(全国規模・公的な表彰など)

記載が推奨されるのは、客観的な評価や専門性を示せるものです。

  • 国際大会、全国大会での受賞(例:〇〇コンテスト 全国大会 優勝)
  • 国や都道府県からの表彰(例:〇〇県知事表彰)
  • 業界団体や学会からの表彰(例:〇〇学会 論文賞)
  • 人命救助などによる警察・消防からの感謝状

これらは、専門性、技術力、あるいは社会貢献性を示す客観的なアピール材料となります。

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記載しない「賞」の例(社内表彰・小規模な大会など)

一方で、以下の「賞」は、一般的・客観的な評価とは見なされにくいため、賞罰欄への記載は避けるのが無難です。

記載しない「賞」

  • 社内表彰(社長賞、皆勤賞、営業成績1位など)
  • 部活動での地域大会の入賞
  • 趣味の範囲での小規模なコンテストの受賞

※社内表彰などは、賞罰欄ではなく「職務経歴書」の中で、実績や評価を示すエピソードとして具体的に記載するほうが効果的です。

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3.【罰】の基準:どこまで書く義務があるか?

ここが最も重要なポイントです。「罰」として記載すべき範囲はどこまででしょうか。

結論:記載義務があるのは「刑事罰」のみ

履歴書に記載すべき「罰」とは、原則として「刑事罰」(刑法などの犯罪行為により科された罰)のみです。

具体的には、懲役、禁錮、罰金、科料などの刑罰が該当します。

「刑事罰」と「行政罰」の明確な違いとは?

多くの方が迷われるのが、「交通違反」の扱いです。

ここで、「刑事罰」と「行政罰」の違いを理解する必要があります。

「刑事罰」と「行政罰」の違い

刑事罰

犯罪行為(刑法など)に対して科される罰。裁判を経て確定します。

例:

  • 飲酒運転による罰金刑
  • 傷害罪による懲役刑 など

行政罰

行政上の義務違反に対して科される罰。

例:

  • 駐車違反や速度超過の「反則金」
  • 公道での喫煙禁止条例違反による「過料」 など

重要なのは、行政罰は「罰」に含まれないという点です。

したがって、スピード違反や駐車違反などで「反則金」を支払っただけの経歴は、刑事罰ではないため賞罰欄に記載する必要はありません。

記載する必要がある「罰」の具体例(懲役・禁錮・罰金など)

以下の「刑事罰」を受けた場合は、記載する義務があります。

記載する「罰」

懲役刑、禁錮刑、罰金刑、科料(執行猶予期間中も含む)

例:道路交通法違反(酒気帯び運転)により罰金刑

例:傷害罪により懲役〇年 執行猶予〇年

※刑の執行が終わってから一定期間(罰金の場合は5年、執行猶予の場合は猶予期間満了時)が経過し、「刑の言渡しが効力を失った」場合(刑法第34条の2)は、法的には記載義務はなくなると解釈されています。
しかし、この判断は難しいため、不安な場合は専門家にご相談ください。

参考:e-GOV 刑法第三十四条の二

記載する必要がないものの具体例(軽微な交通違反・不起訴など)

以下のケースは「刑事罰」には該当しないため、記載する必要はありません。

記載しない「罰」

  • 行政罰(軽微な交通違反の反則金、過料など)
  • 不起訴処分(捜査はされたが、起訴されなかった=有罪判決ではないため)
  • 裁判中の事件(判決が「確定」していないため)
  • 自己破産(行政上の手続きであり、刑事罰ではありません)

4.「罰」を隠して記載しないとどうなる?

前のセクションで「刑事罰は記載義務がある」と解説しましたが、「もし書かなかったらどうなるのか」と不安に思う方もいるかもしれません。

軽い気持ちで「バレなければ大丈夫」と考え、事実を隠して入社してしまうと、後で発覚した際に「経歴詐称」という重大な問題になる可能性があります。入社後の信頼関係にも関わる、このリスクについて詳しく見ていきましょう。

「経歴詐称」として懲戒解雇のリスクがある

もし、記載すべき「刑事罰」があるにもかかわらず、意図的に「なし」と記載して入社した場合、それは経歴詐称にあたります。

入社後にこの事実が発覚した場合、企業は「重大な経歴詐称により、信頼関係が破壊された」として、懲戒解雇の理由とすることが法的に認められる可能性があります。

「バレなければ大丈夫」と考えるのは、リスクを伴う行為です。

労働契約における告知義務違反とは

労働契約は信頼関係が基礎です。

採用選考において、応募者の適格性を判断するために重要な事項(この場合は刑事罰の有無)について嘘をつくことは、告知義務違反にあたります。

「罰」があること自体が即不採用になるわけではありません。企業は、その事実と、現在の反省の度合いや再発の可能性などを総合的に見て判断します。

過去の事実を誠実に申告することが、結果として信頼につながります。

5.履歴書の賞罰欄の具体的な書き方【例文】

賞罰欄を正しく記載することは、誠実さを示す第一歩です 。ここでは「賞がある場合」「罰がある場合」、そして「何もない場合」の3パターンについて、具体的な書き方を例文で解説します 。

賞がある場合の書き方

時系列に沿って、正式名称で記載します。

例文
2020年 10月 〇〇ビジネスプランコンテスト 優勝
2022年 4月 人命救助により警視庁より感謝状

罰がある場合の書き方

事実を簡潔に記載します。

例文
2021年 5月 道路交通法違反(酒気帯び運転)により罰金刑(同年6月 納付済み)

賞も罰もない場合(「なし」と記載)

賞罰欄に何も書かない(空欄)のは避けてください。「書き忘れ」と誤解される可能性があります。

必ず「なし」と記載しましょう。

例文
賞罰なし

6.賞罰欄がない履歴書(JIS規格など)の場合は?

厚生労働省が推奨するJIS規格の履歴書など、近年は「賞罰」欄が設けられていないフォーマットも増えています。

もし賞罰欄がない履歴書を使用する場合、原則として、賞も罰もあえて記載する必要はありません。

ただし、「罰」について告知義務がある(採用の判断に影響する)と自身で考える場合は、面接などで適切なタイミングで申告するか、「本人希望欄」などに簡潔に記載することも誠実な対応と言えます。

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7.誠実な申告で信頼を得よう

履歴書の賞罰欄は、単なる経歴の確認項目ではなく、応募者の「誠実性」や「遵法意識」を企業に伝えるための重要な項目です。

特に「罰」については、記載すべき範囲は「刑事罰のみ」であり、軽微な交通違反(行政罰)は含まれないことを正しく理解してください。

隠すことによる「経歴詐称」のリスクは予想以上に大きいものです。不安な点も含めて事実を誠実に申告することが、企業との信頼関係を築く第一歩となります。

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