面接の「自己紹介」、何をどう話せばいいか分からず不安に感じている方も多いかもしれません。「自己PRと何が違うの?」「マナーはこれで合ってる?」と、心配事が次々に出てくるかもしれませんね。
面接官は、高校生が完璧に、すらすらと話すことを期待しているわけではありません。それよりも、一生懸命に自分を伝えようとする姿勢や、誠実さを見ています。
この記事では、まず「就職・アルバイト」と「大学受験」という目的の違いを明確にし、それぞれの自己紹介の構成や例文、当日のマナーまで解説します。
- 「自己紹介」と「自己PR」の決定的な違い
- 「就職・アルバイト」と「大学受験」目的別の自己紹介の構成と例文
- 面接当日の入室から退室までの基本的なマナー
1.まず確認!「就職・アルバイト面接」と「大学受験の面接」どちらの準備でしょうか?
高校生の面接
就職・アルバイトの面接
卒業後に働く会社や、
アルバイト先の面接
大学受験の面接
総合型選抜や学校推薦型選抜など、
進学先の面接
「高校生の面接」とひとくちに言っても、その目的は大きく分けて2つあります。
- 就職・アルバイトの面接(卒業後に働く会社や、アルバイト先の面接)
- 大学受験の面接(総合型選抜や学校推薦型選抜など、進学先の面接)
どちらの面接なのかによって、面接官が知りたいことや、自己紹介で伝えるべきポイントが少し異なります。
この後、それぞれのパターンに分けて詳しく解説しますので、自分に当てはまる方をしっかり読んでみてください。
2.【共通の基本】「自己紹介」と「自己PR」の違いとは?
自己紹介
“あいさつ”
「自分はこういう者です」と伝える“あいさつ”。
基本情報を正確に伝えることが目的です。
伝える内容
自己PR
“宣伝”
「自分にはこんな強みがある」と伝える“宣伝”。
「会社と合いそうだ」と思ってもらうことが目的です。
伝える内容
面接準備でよく混乱しがちなのが、「自己紹介」と「自己PR」の違いです。この2つは似ているようで、役割がまったく違います。
自己紹介は「自分を知ってもらう」ための“あいさつ”
自己紹介は、「自分はこういう者です」と伝える、名刺代わりの“あいさつ”です。
面接官に「この人は、〇〇高校の〇〇さんなんだな」と、基本情報を正確に伝えることが目的です。
- 伝える内容: 学校名、学年、氏名 など
- 例: 「〇〇高等学校から参りました、〇〇(氏名)と申します。本日はよろしくお願いいたします。」
自己PRは「自分の強みをアピールする」ための“宣伝”
自己PRは、「自分にはこんな良いところがあります」と、自分の魅力を伝える“宣伝”です。
面接官に「この人は、うちの会社(大学)に合いそうだ」と思ってもらうことが目的です。
- 伝える内容: 自分の強み、部活動や趣味などで頑張ったこと、それをどう活かせるか など
- 例: 「私の強みは、3年間続けた部活動で培った忍耐力です。この力を、貴社の業務でも活かしたいと考えております。」
「自己紹介をお願いします」と言われたら、基本的には“あいさつ”だけを簡潔に伝えます。
ただし、「就職」や「大学受験」の場面では、「あいさつ+短い自己PR」を求められることも多いため、その違いをこの後で説明します。
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自己紹介と自己PRの違いを理解したら、次は効果的な自己PRの作り方を学びましょう。こちらの記事では、4つのステップで、採用担当者に響く自己PRを作成する方法を解説しています。
3.【就職・アルバイトの面接】自己紹介のポイントと例文
高卒での就職活動や、アルバイトの面接の場合、面接官(企業)は「この人は、きちんと責任を持って仕事をしてくれるだろうか」「誠実な人柄だろうか」という点を見ています。
企業(面接官)が見ているポイント:「誠実さ」と「責任感」
企業(面接官)が見ているポイント
実際に、厚生労働省の調査でも、企業が高卒レベルの採用で「責任感」や「ビジネスマナー」を重視していることが示されています。
難しい言葉を使うよりも、明るい表情で、はきはきとあいさつできることが重要です。
自己紹介「1分」 の構成案(基本情報+α)
【あいさつ】
学校名と氏名
【プラスアルファ】
【結び】
就職活動の面接では、自己紹介は「1分程度」でまとめるのが一般的です。
基本情報(あいさつ)に加えて、自分の人柄が伝わる「プラスアルファ」の情報を簡潔に添えると良いでしょう。
- 【あいさつ】 学校名と氏名
- 【プラスアルファ】 (例:部活動、趣味、特技、アルバイト経験など)
- 【結び】 (例:面接への意気込み、本日のお礼)
場面別の例文(高卒就職/アルバイト)
【例文1:高卒就職(部活動をアピール)】
〇〇高等学校の〇〇(氏名)と申します。
高校では3年間、野球部に所属し、毎日練習に打ち込みました。その経験から、体力と最後までやり遂げる責任感を学びました。
本日は、〇〇(面接官)様とお話しできることを楽しみにして参りました。よろしくお願いいたします。
【例文2:アルバイト(未経験)】
〇〇高等学校に通っております、〇〇(氏名)と申します。
アルバイトの経験はございませんが、学校では図書委員として、本の整理や貸出対応を丁寧に行うことを心がけてきました。
早く仕事を覚えて貢献できるよう、一生懸命頑張ります。本日はよろしくお願いいたします。
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面接では自己紹介だけでなく志望動機も重要です。こちらの記事では、高校生向けに就職・進学・アルバイト別の志望動機の書き方を、具体的な例文とともに詳しく解説しています。
4.【大学受験の面接】自己紹介(自己PR)のポイントと例文
総合型選抜や学校推薦型選抜など、大学受験の面接では、面接官(大学の先生)は「この人は、本気でうちの学部で学びたいと思ってくれているか」「大学での勉強についてこられるか」という点を見ています。
大学(面接官)が見ているポイント:「意欲」と「学部との相性」
大学(面接官)が見ているポイント
大学受験の面接では、「自己紹介」が「自己PR」と一緒になっていることが多いのが特徴です。
単なるあいさつだけでなく、「なぜこの学部を選んだのか」という意欲や、学部との相性(関連性)を伝えることが重要です。
自己紹介・自己PRの構成案(基本情報+学びたいこと)
【あいさつ】
受験番号、氏名、学校名
【中核】
なぜこの学部・学科を志望したのか
【アピール】
高校時代に頑張ったこと
【結び】
入学後に何を学びたいか、という意欲
就職面接のような「1分」という厳密な時間制限は少ない傾向にありますが、簡潔に要点をまとめることは同じです。
- 【あいさつ】 受験番号、氏名、学校名
- 【中核】 なぜこの学部・学科を志望したのか(きっかけや理由)
- 【アピール】 高校時代に頑張ったこと(部活、探究学習など)
- 【結び】 入学後に何を学びたいか、という意欲
例文(総合型選抜/学校推薦型選抜)
【例文:総合型選抜(経済学部志望)】
受験番号〇〇番、〇〇高等学校から参りました〇〇(氏名)と申します。
私は、高校の授業で地域活性化について学んだことをきっかけに、経済の力で地元の商店街を元気にする方法に興味を持ちました。
特に貴学の「地域経済学」の〇〇先生のゼミに魅力を感じ、志望いたしました。
高校時代は生徒会で会計を担当し、数字を扱う正確性を学びました。
入学後は、経済の専門知識を深く学び、将来は地域に貢献できる人材になりたいと考えております。本日はよろしくお願いいたします。
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5.【共通のマナー】これだけは押さえたい!面接当日の流れとマナー

自己紹介の内容と同じくらい大切なのが、面接当日の「振る舞い」です。社会人経験のない高校生にとって不安な点ですが、基本的な流れを知っておけば大丈夫です。
受付から控室での待ち方
- 受付: 会社や大学に到着したら、まず受付に行き、「〇〇高等学校の〇〇と申します。本日〇時より、面接のお約束をいただいております。」と、はっきり伝えましょう。
- 控室: 案内された部屋で静かに待ちます。スマートフォンを触ったり、足を組んだりするのは避け、背筋を伸ばして待ちましょう。
入室と着席(ノックやお辞儀)
- ノック: ドアを「コン、コン」と2〜3回ノックします。
- 入室: 中から「どうぞ」と声が聞こえたら、「失礼いたします」と言ってドアを開け、入室します。入ったら、面接官の方を向き、ドアを静かに閉めます。
- あいさつ: 面接官の前まで進み、「〇〇高等学校の〇〇です。よろしくお願いいたします。」と言って、丁寧にお辞儀(30度程度)をします。
- 着席: 面接官から「おかけください」と言われたら、「失礼いたします」と軽くお辞儀をしてから椅子に座ります。座っている間は、背筋を伸ばしましょう。
退室のあいさつ
- 終了: 面接が終わったら、椅子から立ち上がり、「本日はありがとうございました」と言って、深くお辞儀(45度程度)をします。
- 退室: ドアの手前まで来たら、面接官の方を向き直し、「失礼いたします」と再度お辞儀をしてから、静かに退室します。
6.【補足知識】知っておくと安心なこと

最後に、知っておくと安心な「お守り」となる知識を2つ紹介します。
アルバイト面接では「働くルール」も確認しましょう
これは主にアルバイトの面接向けですが、働く上でのルール(労働条件)は、法律でしっかり決まっています。
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたら、給料やシフトのことだけでなく、「お仕事の内容や、働く上でのルールについて、書面(労働条件通知書)でいただくことはできますか?」と確認してみるのも良い方法です。
これは法律で定められた会社の義務(労働条件の明示義務)であり、これを確認することはまったく失礼にあたりません。
万が一、答えにくい質問をされたら?
あってはならないことですが、もし面接で、家族構成や本籍地、支持している政党など、仕事や勉強とは関係のないプライベートなことを聞かれた場合、無理に答える必要はありません。
職業安定法や男女雇用機会均等法の指針などに基づき、そうした質問は不適切とされる可能性があります。
もし困った質問をされたら、「申し訳ございません。そのご質問は、今回のお仕事(学業)とは関係が少ないように思いますので、お答えを控えさせていただいてもよろしいでしょうか」と、丁寧にお断りしても問題ありません。
7.しっかり準備することが、一番の自信につながる
面接の自己紹介は、目的(就職か受験か)に合わせて、伝えるべきポイントが変わります。
一番大切なのは、「うまく話すこと」よりも、「自分のことを知ってほしい」という誠実な気持ちと、「相手の質問にきちんと答える」という真剣な姿勢です。
この記事で紹介した構成や例文を参考にして、自分らしい言葉で自己紹介を準備してみてください。
しっかり準備したという事実が、面接当日の一番の自信になります。