スマホ一つで履歴書を作成するのが当たり前になった今、大切なのは「目的や状況に応じて最適なツールを賢く選ぶ」ことです。
手軽さを求めるなら無料アプリ、こだわりたいなら高機能な有料アプリというように、それぞれの強みを理解すれば、納得のいく一通を作成する第一歩となります。
本記事では、採用担当者の視点や、公正な採用選考で推奨される「厚生労働省様式」といった公的基準も踏まえ、キャリアを成功に導くための最適な履歴書作成のノウハウを解説します。
- スマホでの履歴書作成のメリット・デメリット
- 目的別におすすめの無料・有料アプリ&サービス
- スマホ一台で履歴書作成から提出までを完了させる具体的な手順と注意点
1.スマホでの履歴書作成|手書きやPCと比べたメリット・デメリットは?

スマホでの履歴書作成は非常に便利ですが、従来の方法と比較してどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
双方を理解し、自分に合った作成方法を選びましょう。
スマホ作成ならではの3つのメリット

知っておきたい2つのデメリットと対策
失敗しない!アプリ・サービス選び3つの比較ポイント
数多くのアプリやサービスが提供されているため、どれが自分に最適かを見極めるのは難しいかもしれません。
後悔しないアプリ選びのために、以下の3つのポイントを事前にチェックすることで、あなたの目的や状況にぴったりのツールを効率的に見つけ出すことができます。
履歴書アプリ・サービス選び 3つの比較ポイント
JIS規格、転職用、アルバイト用など、自分の応募先に合ったテンプレートが用意されているか確認しましょう。特にこだわりがなければ、厚生労働省が推奨する様式のものが安心です。
作成した履歴書をPDFファイルとして保存できるかは必須の機能です。また、コンビニのネットプリントサービスと連携しているアプリは、印刷までがスムーズでおすすめです。
入力補助や下書き保存など、ストレスなく使えるかも重要なポイントです。レビューなどを参考に、直感的に操作できるものを選びましょう。
2.【手軽さが魅力】おすすめ無料アプリ3選

ここでは、数あるアプリやサービスの中から、特におすすめのものを無料・有料に分けてご紹介します。
レジュメ

履歴書と職務経歴書作成に特化した人気の無料アプリです。
シンプルな操作性が魅力で、入力補助機能も充実。学歴・職歴を入力するだけで、JIS規格や厚生労働省推奨様式に準拠した本格的な書類が完成します。
PDF出力機能でコンビニ印刷もスムーズ。転職活動からアルバイト応募まで、幅広いシーンで活躍する定番アプリです。
履歴書作成(インディード)

世界最大級の求人サイト「Indeed」が提供する公式履歴書作成アプリです。画面の案内に沿って入力するだけで、誰でも簡単に本格的な履歴書が完成します。
作成した履歴書はPDFで出力して印刷できるのはもちろん、そのままIndeed上の求人に応募する際に利用できるのが最大の強み。仕事探しから応募までをスムーズに一元化したい方に最適です。
Canva(キャンバ)

デザインツールとして有名なCanvaも、履歴書作成に活用できます。豊富な無料テンプレートが用意されており、他の応募者と差がつく、おしゃれで個性的な履歴書を作成したい方に最適です。
写真やレイアウトの自由度が高く、クリエイティブ職への応募にも向いています。Web上で編集でき、PDFでのダウンロードも簡単です。
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こちらの記事ではスマホで使える無料の履歴書テンプレートを多数紹介しています。アルバイトやパート、転職用など、あなたの応募シーンに最適なものが見つかります。職種別にアピールすべきポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
3.【機能・デザインで差をつける】おすすめ有料アプリ&サービス2選

yagish(ヤギッシュ)ヤギプライム

ブラウザ上で高品質な履歴書が作れる人気のサービスです。
作成からPDFダウンロードまで基本機能は無料ですが、月額550円の有料プラン「ヤギプライム」に登録すると、AIによる文章作成支援や面接練習、便利なコンビニ印刷連携機能などが使い放題になります。
まず無料で試して、必要なら高機能版へ移行したい方に最適です。
参考:yagish料金表
Canva Pro(キャンバ プロ)

無料版でも人気のCanvaですが、Pro版では数万点以上のおしゃれなプレミアムテンプレートが使い放題に。証明写真の背景をワンタップで消去する「背景リムーバー」機能は特に便利です。
オリジナリティあふれるデザインで、クリエイティブ職など、自分らしさをアピールしたい職種への応募に絶大な効果を発揮します。
参考:Canva Pro
4.押さえておきたい基本知識|「厚生労働省推奨の履歴書」とは?

近年、多くの企業で利用が推奨されているのが「厚生労働省履歴書様式」です。基本的な知識を押さえておきましょう。
なぜ「厚生労働省様式」が現在の標準なのか?
厚生労働省が2021年に公開したこの様式は、応募者の能力や適性と関係のない情報(性別欄の任意化、顔写真の任意化など)を任意記入とし、応募者が安心して応募できるように配慮されています。
これは、企業の採用選考が応募者の適性と能力のみを基準に行われるべきだという、公正な採用選考の考え方に基づいています。
迷ったらこの様式を選んでおけば、多くの企業に対して失礼になることはありません。
履歴書のサイズはA4?B5?どちらを選ぶべきか
結論から言うと、企業からの指定がなければA4サイズがおすすめです。
A4はビジネス文書の標準サイズであり、職務経歴書など他の応募書類とサイズを統一できるメリットがあります。
印刷する際は、A4用紙2枚、あるいはA3用紙に片面印刷して二つ折りにするのが一般的です。
5.【5ステップで解説】スマホ一台で完成!履歴書作成から提出までの完全ガイド

実際にスマホで履歴書を作成し、提出するまでの流れを5つのステップで解説します。
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6.スマホならではの手軽さが仇に?履歴書作成・提出時の5つの注意点

手軽なスマホでの作成だからこそ、思わぬミスをしてしまうことがあります。提出前に必ずチェックしましょう。
コピペミスで他社への志望動機を送ってしまう
複数の企業へ同時に応募する際、最も頻発し、そして最も致命的なミスの一つです。
特にスマホでは、メモアプリやブラウザで調べた企業情報と履歴書アプリを何度も行き来するため、コピー&ペーストの操作が煩雑になりがちです。
その結果、A社用に書いた志望動機や自己PRの中にある企業名を、B社応募時に修正し忘れて提出してしまうケースが後を絶ちません。
対策として、志望動機には必ず【企業名】のような目立つ記号で修正箇所をマーキングしておくこと。そして提出直前には、声に出して全文を読み上げ、宛先が本当に正しいか最終確認する習慣をつけましょう。
ファイル名が「無題」や日付間違いのまま提出してしまう
スマホアプリで作成した履歴書は、初期設定のファイル名が「名称未設定」や「履歴書1」など、非常に一般的な名称で保存されることが多いです。
これを修正しないまま提出してしまうと、採用担当者に「配慮が欠けている」「雑な人物だ」というマイナスの第一印象を与えかねません。
多くの応募書類を管理する採用側の負担を考え、ファイル名は「山田太郎_履歴書_20250930.pdf」のように、誰が見ても一目で内容と送信者が分かるように設定するのがビジネスマナーです。
PDFを保存したら、すぐにファイル名を変更する癖をつけましょう。
小さな画面では気づきにくい変換ミスや誤字脱字
PCの大きなモニターと違い、スマホの小さな画面では、文章全体を俯瞰して確認することが難しく、細かなミスを見逃しやすくなります。
「貴社」を「記者」と変換してしまうような同音異義語のミスや、助詞の「てにをは」の誤りは、文章の信頼性を大きく損ないます。
特に便利な予測変換機能が、かえって意図しない単語に置き換えてしまうことも少なくありません。
対策としては、完成後に一度スマホの読み上げ機能を使って音声で確認するのが非常に有効です。目で見るだけでなく耳で聞くことで、客観的に文章の誤りや不自然なリズムに気づきやすくなります。
PDF変換時にレイアウトが崩れる・文字化けする
アプリの編集画面では完璧に見えても、PDFファイルとして出力した瞬間に、改行の位置がずれたり、特定の文字が正しく表示されない「文字化け」が発生することがあります。
これはアプリの仕様やスマホの機種に依存する場合もあり、気づかずに提出してしまうと、読めない書類を送ったことになりかねません。
このリスクを避けるためには、PDFへの変換・保存が完了したら、必ずそのファイルを開いて隅々まで表示を確認するという一手間が不可欠です。
特に表や箇条書きの部分はレイアウトが崩れやすいので、入念にチェックするようにしましょう。
最新版はどれ?下書きや古いバージョンを送ってしまうリスク
志望動機などを企業ごとに少しずつ修正して複数のバージョンを作成していると、「どれが最終版だっけ?」と混乱し、誤って下書き段階のファイルや、別の企業宛の古いバージョンを送ってしまう危険性があります。
スマホはファイルの保存場所がアプリ内やクラウドなど複数に散らばりやすく、PC以上にバージョン管理が煩雑になりがちです。
対策として、ファイル名に「v2」や「最終」といった識別子を入れること。そして、完成した最終版は「提出用」などと名前をつけた専用フォルダに保管し、必ずそこから添付するようにルール化するのがおすすめです。
7.最適なツールを選んで、自信の持てる履歴書を
スマホでの履歴書作成は、時間や場所を選ばない効率的な方法です。無料アプリの手軽さも魅力ですが、有料サービスの高機能を使えばライバルに差をつけることも可能です。
大切なのは、手軽さゆえのミスを防ぎ、自身の強みが伝わる一通に仕上げること。最適なツールを選び、自信を持って選考に臨める履歴書を作成してください。