「入社してまだ1年だけど、今の会社を辞めたい」「第二新卒として転職活動ができるのは、一体いつまでなんだろう?」
そのような不安を抱える方は少なくありません。社会人経験が浅いうちの転職は、「根性がないと思われるのではないか」「市場価値がないのではないか」と、心理的なハードルが高くなりがちです。
結論からお伝えすると、一般的に第二新卒は「学校卒業後3年以内(25歳前後)」を指すことが多いですが、法的な定義は存在しません。
そして何より、2025年以降の深刻な人手不足を背景に、その定義は「20代全体」へと事実上拡大しつつあります。
この記事では、曖昧になりがちな「第二新卒の期間」について、最新の転職市場データと、キャリア・労務の専門的知見を交えて解説します。
- 第二新卒の一般的な定義(卒業後3年以内)と、20代全体へ拡大している最新の市場動向
- 学歴別の年齢目安や「既卒」との違いなど、自分の市場価値を正しく把握するための基礎知識
- 早期離職の不安を解消するデータや、退職理由をポジティブに伝える面接対策などの実践ノウハウ
1.【結論】第二新卒の定義とは?いつまでが対象か徹底解説

まずは、世間一般で認識されている「第二新卒」の基準について整理しましょう。
明確な法律の条文はありませんが、国の指針や企業の採用慣行によって、ある程度の目安が設けられています。
「第二新卒」の一般的な定義は「卒業後3年以内(25歳前後)」
最も広く浸透している「第二新卒」という言葉の定義は、「学校卒業後、就職してから1〜3年以内の人材」です。
「第二新卒」の定義:就職後1〜3年以内
年齢の目安
この「3年」という数字には、行政の指針が大きく関わっています。
厚生労働省は「青少年雇用機会確保指針」において、卒業後3年以内の既卒者を新卒枠で応募可能にするよう企業に要請しています。
これが、転職市場においても「3年以内」をひとつの区切りとする根拠となっています。
年齢で言えば、ストレートで大学を卒業した場合は25歳〜26歳あたりが目安となります。
【図解】高卒・大卒・院卒で違う?年齢早見表
「いつまで」という期限は、最終学歴によっても変わってきます。自身の年齢と照らし合わせて確認できます。
| 最終学歴 | 卒業年齢 | 第二新卒の目安(卒業後3年) |
|---|---|---|
| 高校卒 | 18歳 | 21歳 〜 22歳 |
| 専門・短大卒 | 20歳 | 23歳 〜 24歳 |
| 大学卒 | 22歳 | 25歳 〜 26歳 |
| 大学院卒 | 24歳 | 27歳 〜 28歳 |
このように、大学院卒や浪人・留年を経験されている場合は、20代後半(27〜28歳)であっても第二新卒として扱われるケースが一般的です。
「新卒」「既卒」との違いは「社会人経験」の有無
よく混同されがちなのが「既卒」との違いです。ここには明確な線引きがあります。
- 第二新卒:学校卒業後、正社員としての就業経験がある(または短い期間でも働いていた)人。
- 既卒:学校卒業後、正社員としての就業経験がない人。
企業は第二新卒に対し、「基本的なビジネスマナー(名刺交換や電話応対など)は習得済みであること」を期待します。
つまり、「教育コストをかけずに、ポテンシャルのある若手を確保できる」という点が、企業にとっての第二新卒採用の最大のメリットなのです。
2.実は「29歳」まで第二新卒のチャンスあり?2025年以降の定義の変化

ここまで一般的な定義をお伝えしましたが、実は今、労働市場の構造変化により、この定義が大きく揺らいでいます。「25歳を過ぎたら終わり」というのは過去の話になりつつあります。
人手不足で崩れる年齢の壁
少子高齢化による人手不足は深刻で、多くの企業が新卒採用だけでは若手人材を確保できなくなっています。
マイナビの調査によれば、2025年以降の第二新卒採用ニーズは8割を超えると予測されており、新卒採用の代替・補完として、年齢制限を緩和して20代全体を取り込もうとする動きが加速しています。
実態として、求人票に「第二新卒歓迎」と書きつつも、20代後半(29歳まで)を対象としている企業は増加傾向にあります。
法的な縛りがないからこそ、企業側の「人材確保の緊急度が高い」という事情が、求職者にとってはチャンスとなっているのです。
参考:2025年以降の第二新卒採用ニーズは8割超-境目が曖昧になる新卒採用・中途採用 | マイナビキャリアリサーチLab
企業が求めているのは「スキル」より「ポテンシャル」
企業が第二新卒採用で
本当に重視していること
出典:厚生労働省調査報告
「アピールできるスキルがない」と悩む必要はありません。
厚生労働省の報告によると、企業が第二新卒の採用で重視しているのは、「専門知識・スキル」ではなく、「職業意識・勤労意欲(79.3%)」や「コミュニケーション能力(74.8%)」です。
専門的なスキルは入社後に身につければ良いと考えている企業が大半です。むしろ、前職のやり方に染まりきっていない「白地」の状態であること、新しい環境に柔軟に適応できることこそが、第二新卒ならではの強みと評価されます。
▼あわせて読みたい
第二新卒の転職で最も重要なのが志望動機です。短期離職というネガティブな要素を、企業への貢献意欲という強みに変換する具体的な方法を解説しています。
3.不安解消!「3年以内に辞める」第二新卒は決して少数派ではない

「石の上にも三年」という言葉がありますが、現代のキャリアにおいて、合わない環境で無理に3年を過ごすことは、心身の健康リスクを高めるだけでなく、貴重な若手期間の機会損失にもなりかねません。
データで見る現実:大卒の3人に1人が3年以内に離職している
新卒社員の「3年以内」離職率
新入社員の約3人に1人が
3年以内に離職しています
大学卒 33.8%
高校卒 37.9%
出典:「新規学卒就職者の離職状況(令和4年)」厚生労働省
「こんなに早く辞めるのは自分だけではないか」という不安は不要です。
厚生労働省の調査によると、大学卒の就職後3年以内の離職率は33.8%、高校卒では37.9%に達しています。つまり、新入社員の約3人に1人は、3年以内に最初の会社を辞めているというのが日本の労働市場の現実です。
早期離職は、個人の忍耐力の問題というよりは、社会構造的な現象と言えるでしょう。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和 4年 3月卒業者) |厚生労働省
「逃げ」ではなく「ミスマッチ解消」と捉え直す
心理学的な観点(認知リフレーミング)から見れば、早期退職は「逃げ」ではなく、「企業とのミスマッチ(不適合)を早期に解消し、最適な環境へ移動するための前向きな決断」と捉え直すことができます。
特に、ハラスメントや過重労働がある職場、あるいは自身の価値観と企業の方向性が根本的に合わない場合、我慢し続けることで「適応障害」などのメンタルヘルス不調に陥るリスクもあります。
「自分を守り、活かすための選択」として、第二新卒というカードを切ることは決して恥ずべきことではありません。
▼あわせて読みたい
退職を決意したら、具体的な手続きとスケジュールを把握しておくことが重要です。円満退職から退職後の社会保険手続きまで、やるべきことを時系列で整理しています。
4.第二新卒の転職を成功させる実践的アドバイス

最後に、人事労務管理の実務やキャリア理論の観点から、転職活動を成功させるための実践的なアドバイスをお伝えします。
【労務・権利】在職中でも活動できる?退職交渉の基本
転職活動は、在職中に行うことを強く推奨します。収入が途絶える不安がなく、心に余裕を持って判断できるからです。
また、退職の意思表示については、民法上は「2週間前」に伝えれば契約を終了できるとされていますが、円満退職のためには希望日の1〜2ヶ月前に直属の上司へ伝えるのがマナーです。
「引き止めにあって辞められない」という相談も多いですが、職業選択の自由は憲法で保障された権利です。毅然とした態度で進めて問題ありません。
【面接対策】ネガティブな退職理由を「将来への意欲」に変換する
第二新卒の面接で最も懸念されるのは「またすぐに辞めるのではないか?」という点です。これを払拭するためには、退職理由をポジティブに変換する技術が必要です。
- 「残業が多くて嫌だった」
→「限られた時間の中で生産性を高め、スキルアップの時間を確保できる環境で働きたい」 - 「人間関係が悪かった」
→「チームワークを重視し、周囲と協力しながら大きな目標を達成できる組織で貢献したい」
このように、「不満(過去)」ではなく「貢献できること(未来)」に焦点を当てて話すことで、採用担当者の印象は大きく変わります。
▼あわせて読みたい
第二新卒の転職では、職務経歴書での自己PRが合否を分けます。短い社会人経験でも企業に響く自己PRの作り方を、調査データと例文で解説しています。
エージェント活用とスケジューリング
第二新卒市場は動きが早いです。効率的に進めるためには、若手層に特化した転職エージェントの活用が有効です。
彼らは「第二新卒歓迎」の求人を多く保有しているだけでなく、企業の社風や若手の定着率といった、求人票には載っていない情報を持っています。
また、4月入社や10月入社など、企業の採用サイクルに合わせたスケジュールを組むことで、同期入社の仲間ができやすく、スムーズに馴染める可能性が高まります。
▼あわせて読みたい
第二新卒の転職では面接対策も重要です。採用担当者がよく聞く質問50選と、その質問意図、効果的な回答例を網羅的に解説しています。
5.迷っている時間がもったいない。「今」が動くべきタイミング
第二新卒の期間は「いつまで」という厳密な決まりはありませんが、一般的には卒業後3年、年齢にして25歳前後が目安です。
しかし、人手不足を背景にその枠は広がり、20代全体にチャンスが開かれています。
重要なのは、「あと何ヶ月残っているか」を数えて不安になることではなく、「今の場所で悩み続ける時間」を「新しい場所で活躍する時間」に変える決断をすることです。
若手のポテンシャルを求めている企業は確実に存在します。まずは情報収集から一歩を踏み出すことが、キャリアを拓く第一歩となります。